雑誌・書籍の重要性が大きくマイナス…サラリーマンのおこづかい内部事情(2014年)

2014/06/30 14:00

サラリーマンが直接、そして自分自身にもっとも大きな影響を与える金銭のやり取りといえば「お小遣い」に他ならない。そのお小遣いの使い道として一番欠かせないものは「昼食代」であるとの実態が、新生銀行が2014年6月26日に発表した、定点観測的な調査「サラリーマンのお小遣い調査」の最新版で明らかになった。今回はこの調査結果から、最重要視されている昼食代も含め、サラリーマンのお小遣いの消費実態について確認をしていくことにする(【発表リリース:サラリーマンのお小遣いは2年ぶりに上昇−「2014年サラリーマンのお小遣い調査」結果について】)。

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欠かせないものは「昼食代」で変わりなし


今調査の調査要件などは今調査に関する先行解説記事【2014年のサラリーマンこづかい事情】にあるので、そちらを確認のこと。

サラリーマン諸氏におけるこづかいの使い道として、欠かせない項目を複数回答で尋ねたところ、もっとも多くの回答が得られたのは「昼食代」だった。率にして53.6%。

↑ こづかいの使い道として欠かせないもの(2010-2014年)(上位一部のみ)
↑ こづかいの使い道として欠かせないもの(2010-2014年)(上位一部のみ)

↑ こづかいの使い道として欠かせないもの(2013年と2014年の差異)
↑ こづかいの使い道として欠かせないもの(2013年と2014年の差異)

もちろん「欠かせない」を選ばなかった場合、それは「無くても良い」を意味しない。「優先順位が低くてもかまわない」(1かゼロではなく、金額配分の際の割当が低くなる)と見れば、「こづかいの使い道として昼食代が欠かせない」と”回答しなかった”48.6%の存在も納得できる。持参弁当を利用する人、弁当代を小遣いとは別に分けて受け取る人も、この48.6%には多分に含まれるのだろう。あるいは文字通り「昼飯を後回しにしても、抜きにするなり減額しても、おこづかいを投じたい対象がある」人もいるかもしれない。

「昼食代」以外の項目では「こづかい」の内容にふさわしく、プライベートな項目が上位を占めている。具体的には「飲み代」「趣味の費用」「携帯電話代」が続いている。他方、昨年同様、一昨年以前は上位についていた「家族への気配り」の項目が、今年も上位10位から消えており、厳しいこづかい事情の中で、家族よりもサラリーマン本人への注力に重点を置いたものと考えられる。

また前年からの変化を見ると、上位陣ではすべての項目で前年からの減少が見受けられる。注力対象数を減らし、特定項目により大きな配分をしようとする考えが透けて見える。一方下げ幅では「し好品」はほとんどゼロに近いが、「車関係・ガソリン代」「雑誌・書籍代」は大きな減少、つまり注力度合いの大きな減退の動きが確認される。また「趣味の費用」もやや下げ幅が大きい。特に「趣味の費用」「雑誌・書籍代」はこの数年連続して値を落とし続けており、とりわけ後者は2014年において大きな下げ幅が確認できる。小遣いの集中配分という使い方の方針転換の中で、これらの項目は優先順位を下げられつつあると見て良い。

またサラリーマンの生活様式をイメージすると、「携帯電話代」の下げ幅が小さめに留まり、「趣味の費用」「雑誌・書籍代」の減少幅が大きめなのは、連動性があるとも考えられる。つまり携帯電話(昨今では特にスマートフォン)で自分の趣味や雑誌などの娯楽を兼用してしまい、兼用された方面の費用を減らしているという動きである。紙媒体で買わねばならない、ウェブで閲覧できないものも多分にあるが、昨今の通勤電車で「サラリーマンが雑誌を読む情景」と「携帯電話を操作するシーン」のどちらが多く見かけるかを思い返せば、十分理解はできる。

世代で変化する携帯電話と飲み代のウエイト


2014年分につき、「昼食代」「携帯電話代」「飲み代」の比率を並べたのが次のグラフ。なお50代はデータ掲載される上位陣に「携帯電話代」は無く、具体的数字は不明。少なくとも26.7%未満であることは間違いない(第5位の項目か26.7%を示している)。

↑ こづかいの使い道として欠かせないもの(2014年、世代別、昼食代・携帯電話代・飲み代限定)
↑ こづかいの使い道として欠かせないもの(2014年、世代別、昼食代・携帯電話代・飲み代限定)

「昼食代」の高さは世代であまり変わりなし。歳を経るに連れてやや上昇するのは、部下との食事を考慮してのことかもしれない。また30代がやや低めなのは、既婚者における持参弁当比率が高いのが一因と考えられる。

一方「携帯電話代」は20代がもっとも高く、歳を経るに連れて減少(上記の通り50代は26.7%未満)。逆に「飲み代」は20代はややイレギュラーだが、50代は大きく増えて40%台に達している。歳上になるほど会社内での立場・役職も上がり、部下を連れて、あるいは接待として飲みに行く機会が増えるのも一因。また見方を変えると、世代間における「デジタル」と「リアル」のコミュニケーションへの注力の違いが、おこづかいの配分にも見えてくるようで、非常に興味深い。

「欠かせないモノ」上位の中期的変化


「おこづかいの使い道として欠かせないもの」について、過去からの推移を見ていくことにする。今調査で「使い道」を取り上げ始めたのは2005年から。連続した値を確認できる5項目、それに加えて昨今では社会様式の上でも、他の金銭関連の調査においても重要視されている「携帯電話代」(2006年から登場)の計6項目で生成したのが次のグラフ。

こづかいの使い道として欠かせないもの(2005年から2014年、上位5位+αのみ)
こづかいの使い道として欠かせないもの(2005年から2014年、上位5位+αのみ)

「昼食代」以外の4項目は2006年から2007年にかけてやや低迷しているが、2008年以降は一様に上昇の動きを見せた。しかし2009年から2010年に渡って複数の項目で横ばいから低迷へと流れが変わり、一方で「携帯電話代」は上昇のさなかにある。

「昼食代」は欠かせないものとして最上位に位置する動きは変わらないものの、「し好品代」「雑誌・書籍代」のような趣味的費用が「携帯電話代」に食われ、「飲み代」は(主に中堅層以降の回答で)横ばいの動きにある状況が確認できる。

「携帯電話代」という表現がやや曖昧だが、固定通信費以外に課金系のアプリの利用や、ゲーム内におけるアイテム購入も合わせれば、熱中度と共に金額は積み上げられていく。「より楽しい時間消費」のために、優先順位が低い、これまでの「楽しさ」への支出を減らすのは、ある意味当然の成り行きといえよう。

昨今ではスマートフォンの普及に伴い、携帯電話料金の絶対額はさらに増加の一途をたどっている。この動きに合わせ、それ自身のウェイト、そして代替されうる「趣味の費用」「雑誌・書籍代」の値がどのような変化を示すことになるのか。来年以降に注目したいところだ。


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