やや増加するも4万円回復は果たせず…2014年のサラリーマンこづかい事情(2014年)

2014/06/30 11:00

日本の就労者の就業職種のうち少なからぬ割合を占めるサラリーマンにおける生活様式は、それらの人々自身はもちろん、日本の社会全体の状況を推し量る一つのバロメーターになる。新生銀行では毎年1回、このサラリーマン(など)の日常生活に関する調査「サラリーマンのお小遣い調査」を行い、その結果を報告書として発表している。今回はその最新版にあたる、2014年6月26日に発表した「2014年サラリーマンのお小遣い調査」の結果を元に、直近、そして近年におけるサラリーマンの小遣い事情を確認していくことにする(【発表リリース:サラリーマンのお小遣いは2年ぶりに上昇−「2014年サラリーマンのお小遣い調査」結果について】)。

スポンサードリンク


幾分増えたサラリーマンのおこづかい、だが4万円の大台には届かず


今調査は2014年4月23日から25日にインターネット経由で行われたもので、有効回答数は2378人。男女正規就業者に加え、男女パート・アルバイト就業者も含む。ただし今回公開されている結果はほぼ男性サラリーマン1048人に限定したもので、その世代構成比は20代から50代まで10歳区切りで均等割り当て。未婚・既婚比は40.2対59.8、既婚者のうち配偶者就業状況は共働きが53.7%・専業主婦が46.3%。また今調査は1979年からほぼ定点観測的に行われているが、毎年同じ人物を調査しているわけではないことに注意。

年齢階層別のおこづかい推移は次の通り。

↑ サラリーマンの平均月額こづかい(単位・円)(-2014年)
↑ サラリーマンの平均月額こづかい(単位・円)(-2014年)

全体としては前年の減少傾向から転じて増額、プラス1115円の3万9572円。後程中長期的なグラフを掲載するが、1980年の3万9600円にほぼ等しい値となった。金融危機が勃発する前には当たり前だった4万円台に、ほんのもう少しなのだが、今年も届かない状態となっている。

金額そのものは50代がもっとも大きく4万2110円、次いで40代の4万1170円、20代の3万7865円、30代の3万7145円が続く。去年からの増減額では40代がもっとも多く約4200円のプラス、次いで50代が約800円のプラス。20代は逆に600円強のマイナスを示している。前年比マイナスは20代のみで、2014年のお小遣い事情は歳を経るほどほくほく顔という状況のようだ。なお世代別で見るとこの6年間では唯一20代のみが毎年小遣い額を減らしており、若年層のお財布事情が大いに懸念される。

一方、今年だけでなく数年来続いている傾向だが、20代から50代のサラリーマンでは、給与が一番少ないはずの20代ではなく、30代から40代の中堅層が一番、おこづかいの額面では小さな値を示している。付き合いも増え半ば強制的な出費もかさむこの世代には、冬の時代が継続中といえる(もっとも今年は40代が大きく跳ね、春の気配が感じられるが)。

この状況の一因として、「子供あり」の世帯では40代位になると子供が成長することで出費もかさみ、家計が厳しくなる状況を反映していると考えると道理にかなう。グラフ化は略するが、全体のうち子供が居る世帯の平均値は3万4963円・居ない世帯は3万7617円となり、小さからぬ差異が生じている。

昇給機会はやや回復に


次のグラフは今年も含めた直近4年における、各世代の昇給の有無を尋ねたもの。2012年までは給与が減少しても昇給ではないので「なし」の回答項目に含めていたが、2013年からは別個「減少」の項目が設けられている。2012年までは「なし」=”「なし」と「減少」”の合算として見てほしい。ただし世代別データでは「なし」「減少」の値は非公開化されたので、ここでは「あり」のみの値の推移をグラフ化する。

↑ 昇給の有無(2011-2014年)(「減少」は2014年から)
↑ 昇給の有無(2011-2014年)(「減少」は2014年から)

↑ 昇給の有無(2011-2014年)(世代別、「あり」の人の割合)
↑ 昇給の有無(2011-2014年)(世代別、「あり」の人の割合)

2014年は2013年から転じて昇給があった人の割合は幾分増加した。これは主に20代と50代の増加によるところが大きい。元々の給与額は若年層の方が低いだけに、昇給機会が多くないと生活に余裕が出来ず、こづかい増額の期待も薄くなる。その意味では今年2014年の20代における昇給率の増加は喜ばしい話ではある。他方、30代はこの4年間、連続して昇給割合が減少中。40代も増加幅はわずかなもので、小遣い額そのものと共に、悲哀を多分に覚える中堅層の感はある。

なお公開されているデータを元に、毎年のサラリーマンの小遣い状況の推移と、日経平均株価(年末の値、2014年は6月27日終値)をかぶせると次のようなグラフが完成する。

↑ サラリーマン平均こづかい(月額)と日経平均株価(年末または直近)推移(-2014年)
↑ サラリーマン平均こづかい(月額)と日経平均株価(年末または直近)推移(-2014年)

グラフの形状、さらにはリリースでも指摘されているが、1991年以降のバブル崩壊後においては、こづかい額は日経平均株価に1年から2年遅行する形で連動する動きを示している。これはまさに景気対策・政策の実行と、その成果が民間ベースにまで浸透するタイミングと近いもので、興味深い傾向でもある。

2014年においては前年と比べて株価はわずかに上昇した(時系列上では500円ほどのプラス)、つまり経済そのものが回復あるいはその見通しが見えてきたことになる。今年の小遣い額上昇は2年ほど前からの株価の上昇がようやく影響を与え始めたというところだろうか。小遣い額の上下に大きな影響を与える「昇給有」の率が前年比でプラスに転じたのも、理解の助けとなる。このまま株価動向・景況感の回復が続けば、来年も引き続き小遣い額は増加を続け、4万円台の回復も期待できる。

一部からは「金融商品への投資には無縁なので、株価は自分には関係ない」という声も聞かれる。しかし「株価の上下が(間接的に、相関関係として)こづかいの上下にも連動する」との事実を知れば、経済全体や株価への見る目も変わるに違いない。


■関連記事:
【中には100万円以上も…大学生への仕送り・こづかいは平均でおいくら?】
【中学生は平均2800円近く…子供のこづかい額をグラフ化してみる】
【小中学生への定額こづかいは平均で月額2160円】
【マンガ、外食、異性との付き合い…大学生のこづかいの使い道、昔と今の変化を探る】

スポンサードリンク




▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2016 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー