世界各国の国民が感じている「どの国が世界経済を引っ張っているか」

2015/06/30 08:15

流通が世界全体を網羅し、情報が瞬時に飛び交うようになると、経済動向は国単位のみで回るような単純な様態では無く、互いが多かれ少なかれ関連性のあるものとなる。ある国の活況が複数の国の景気効用のきっかけとなり、一つの国の経済的失策や混乱が、多数の国の不況の引き金となることも少なくない。そのような「世界単位での経済的つながり」が構築された現在において、どの国がもっとも強い影響を世界経済に与え、けん引している立場にあると思われているのだろうか。アメリカ合衆国の民間調査機関Pew Research Centerが2015年6月23日付で発表した世界規模の調査結果【Global Publics Back U.S. on Fighting ISIS, but Are Critical of Post-9/11 Torture】を元に、現状を確認していくことにする。

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調査要項については同調査の先行記事【アメリカ合衆国は諸外国からどれだけ好かれている・嫌われているのだろうか】を参考のこと。

次に示すのは調査対象国40か国に対し、今現在、どの国が経済的に世界をけん引していると思うか、1か国のみを挙げてもらったもの。選択肢としてはアメリカ合衆国、中国、日本、EU(厳密には一か国ではないが経済共同体としての仕切りで考えている)、そしてその他の国・無回答。あくまでも回答国における市民の意見・主張でしかなく、GDPや輸出入額など数字的な裏付けによるものではないことに注意。



↑ 現在、どの国が経済的に世界をけん引していると思うか(2015年春)
↑ 現在、どの国が経済的に世界をけん引していると思うか(2015年春)

アメリカ合衆国国内でもすでに36%もの人が、自国より中国の方が世界経済をけん引していると答えている。カナダに至っては46%で、アメリカ合衆国と回答した人よりも12%ポイントも高い。

欧州ではポーランドこそアメリカ優位だが、それ以外はほぼ均衡、フランスでは中国が大きな優勢を示している。またEU圏内ではドイツのみ「EUが世界をけん引している」との回答が大きく伸びており、自国がEUを引っ張り、さらに世界を支えているとの自負が強いことがうかがえる。

東ヨーロッパではウクライナがアメリカ優位、ロシアでは中国優位。EUはいずれも少数派だが、日本が他国と比べて高めに出ているのが目に留まる。

中東ではイスラエルが圧倒的にアメリカ優位、レバノンやヨルダンでは中国優勢、パレスチナやトルコがアメリカ優勢。アジアでは大よそアメリカ優勢(中国自身も)だが、オーストラリアは中国が大いに優位との回答が出ている。同国の中国との経済的結びつきの強さがあらためて認識される。

南米では大よそアメリカ優位、アフリカでもほぼ同様。ペルーやブラジルではいくぶん日本の値が高めに出ているが、アフリカではほとんど見受けられない。

中央値としてはアメリカ50%、中国27%、日本が6%、EUが5%。国によって各国との結びつきに違いが生じてくるため、その影響を大きく受けていることは容易に想像できるが、世界全体としては大よそこの値がイメージに近いものとなる。



報告書では2014年から2015年にかけて大きな動きがあった20か国余りについて、1年間の動きを掲載している。次に示すのは、「アメリカ合衆国が世界でもっとも大きな経済的影響力を持つ、けん引している」と回答した人の、1年間における変移。プラスは値が去年よりも増えた、つまりアメリカを経済的なけん引国家として認めている人が増加したことを意味する。

↑ 現在、どの国が経済的に世界をけん引していると思うか(「アメリカ合衆国」と回答した人における2014年から2015年の変化%ポイント)
↑ 現在、どの国が経済的に世界をけん引していると思うか(「アメリカ合衆国」と回答した人における2014年から2015年の変化%ポイント)

プラスがほとんどで、特に新興国でその増加ぶりが著しい。またアメリカ合衆国自身も小さからぬ値の増加を示している。同国が経済の回復を見せているようすが、間接的ながら見て取れよう。

また中国自身は大きく減少し、この減少分はほとんどが自国に割り振られている(25%から34%に)。同国の経済への自信ぶりを表す変化として注目したいところだ。


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