梅雨入り続くも天候良好日多く…熱中症による搬送者数は1週間で778人(2015年6月8日-6月14日)

2015/06/16 12:00

総務省消防庁は2015年6月16日、同年6月8日から6月14日の一週間における熱中症搬送人数が778人(速報値)であることを発表した。前回週の568人(速報値)と比べると210人の増加となった。また今年の熱中症による搬送人数は、消防庁が今年カウントを始めた4月27日以降における累計人数としては4350人(速報値による累積)に達している。初診時に熱中症を起因とする死亡者は今回週では幸いにも計上されなかったが、3週間以上の入院加療が必要な重症判定を受けた人は17人が確認されている(【消防庁:熱中症情報ページ】)。

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↑ 熱中症による救急搬送状況(週単位・速報値・2015年・人)
↑ 熱中症による救急搬送状況(週単位・速報値・2015年・人)

↑ 熱中症による救急搬送状況(該当週・日単位・速報値・2015年・人)
↑ 熱中症による救急搬送状況(該当週・日単位・速報値・2015年・人)

↑ 熱中症による救急搬送状況(年齢区分)(2015年)
↑ 熱中症による救急搬送状況(年齢区分)(2015年)

今夏の電力事情に関して政府発表を元に精査した記事【「今年も数値目標なし」…2015年夏の節電要請内容正式発表】などで解説の通り、今年夏も昨年同様、法的拘束力のある電力使用制限令、または数字目標のある節電要請は発せられることなく、数字目標無しの節電要請に留まることとなった。しかし震災から4年が過ぎた今なお、電力需給の観点で安寧出来ない状況にあることに違いはない。さらに気象庁の最新の中期予報では、7月から8月にかけては雨が平年よりは多くなるとの予想が出されているが、6月は気温が高めに推移する可能性が高いと予想され、熱中症への懸念も増大している。また昨年は気温の上昇が早めに起き、5月から、特にゴールデンウィーク前後において、熱中症で救急搬送される人が多分に確認された。

そこで消防庁では【消防庁の熱中症搬送患者情報、今年は5月からだそうです】にある通り、昨年までは熱中症に係わる搬送車の調査とその結果報告について5月中旬以降に開始していたものを、今年は4月末から開始し、逐次報告を行うことになった。

↑ 消防庁の熱中症精査報告開始に関する前倒しの案内
↑ 消防庁の熱中症精査報告開始に関する前倒しの案内

今回発表された各種値は今年の分としては第7週目のものとなる。

今回計測週では前週から続き東海・関東甲信地方が梅雨入りを果たし、前半は前線の発達で天候が悪化する地域が多数見られたものの、後半に入ると天候も回復して気温も上昇。また11日には平年より12日も早く梅雨明けするなど、沖縄地方では特に晴天・高温の日が続いた。沖縄本島では該当週は7日全日が真夏日(一日の最高気温が30度以上)を記録を記録し、これに伴い熱中症によるものとみられる救急搬送者数も多数計上される事態となった。


↑ 梅雨明け直前、晴天・真夏日が続く沖縄の様子を伝えるニュース映像。【直接リンクはこちら:RBC THE NEWS「沖縄地方 梅雨の中休みに真夏日続く」】

地域別では梅雨明け一番乗りを果たした沖縄の82人を筆頭に、愛知の57人、埼玉の51人、兵庫の40人が続いている。人口密集地帯となる東京や大阪よりも上位についているこれらの地域では、気温の上昇などが大きく熱中症リスクの底上げに影響したものと考えられる。

↑ 東京都の最高気温と天候(2015年6月8日-6月14日)
↑ 東京都の最高気温と天候(2015年6月8日-6月14日)

↑ 大阪府の最高気温と天候(2015年6月8日-6月14日)
↑ 大阪府の最高気温と天候(2015年6月8日-6月14日)

↑ 熱中症による救急搬送状況(2015年6月8日-6月14日)(搬送人数上位都道府県、人)
↑ 熱中症による救急搬送状況(2015年6月8日-6月14日)(搬送人数上位都道府県、人)

消防庁では今件熱中症の救急搬送者の統計ページにおいて、熱中症対策のリーフレットを配布している。また、関連省庁の熱中症に係わるページへのリンクも配し、さまざまな象徴の対策状況や情報を確認できる。各自治体でも早くから今年向けの情報提供を開始しているところも確認できる(【今から熱中症対策をしましょう!(京都府京田辺市、2015年4月30日付け)】)

↑ 熱中症の応急手当。上記記載の消防庁配布によるリーフレットから
↑ 熱中症の応急手当。上記記載の消防庁配布によるリーフレットから

環境省では熱中症対策の一環として発表している暑さ指数(WBGT)予想値・実況値の情報提供について、5月13日から開始している。今件情報はパソコン向けだけでなくスマートフォン用にも提供されている(【環境省熱中症予防情報サイト】【環境省熱中症予防情報サイト(スマートフォン用)】)。
↑ 環境省熱中症予防情報サイト
↑ 環境省熱中症予防情報サイト

今回発表されたリリースでは日付を合わせる形で同年同時期の搬送者数を参考値として提示しているが、それによると昨年の同時期における搬送者数(確定値)は855人。今年は速報値で比較するとそれより77人多いことになる。都道府県別の動向を見るに、東京や大阪のような人口密集地帯では昨年の方が多いものの、埼玉や沖縄、特に沖縄では群を抜いて昨年を超える値を示しており(沖縄の前年同期の搬送者数は13人)、真夏日が続くような同地域の気温の上昇が、全体値をも底上げしたものとみられる(鹿児島でも前年同期比で大きな伸びが確認されている)。

電力需給の観点では結局昨年の状況から進歩がほとんど見られないのが残念な話ではある。ちまたで電力不足が騒がれ、また電気代の高騰が続くと、高齢者を中心に冷房機器の利用を避ける心理が働き、熱中症のリスクは上乗せされることは容易に想像が出来る(【熱中症とクーラー利用の関係、ちょっと見えてきた】)との話もある)。せめてそれ以外の点で昨年よりも熱中症による救急搬送者が減るよう、各自最善を尽くしたいものだ。


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