首都圏で強烈な下げ…賃貸住宅の成約家賃動向をグラフ化してみる(2014年12月発表分)

2014/12/11 14:00

賃貸住宅の管理会社で構成される協会「日本賃貸住宅管理協会」では半年ごとに同協会公式サイトにて、【賃貸住宅景況感調査日管協短観】を更新・公開している。その最新版「賃貸住宅景況感調査日管協短観・2014年度上期(2014年4月から2014年9月)」が2014年12月5日付で公開された。今回はこの公開値などを基に、賃貸住宅管理会社が管理する物件で賃貸契約が成約した際の、家賃の動向について状況の確認をしていくことにする。

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各種調査要項などに関しては先行する記事【メディア別賃貸住宅業者への反応の変化をグラフ化してみる】にて記載済み。そちらで確認してほしい。

賃貸物件を間取りで「1R(ワンルーム)-1DK(1部屋+ダイニング+台所)」「1L(リビング)DK-2DK」「2LDK-」の3タイプに区分。それぞれの物件で個々の管理会社における成約時の家賃が「前年同期」(今回ならば2013年上期)と比べてどのように変化したかを尋ねた結果が次のグラフ。全体的には「増加」よりも「減少」回答者が多く、4割近い値を示している。

↑ 賃貸住宅管理会社における物件の成約賃料の変化(全国)(2014年度上期、前年同期比)
↑ 賃貸住宅管理会社における物件の成約賃料の変化(全国)(2014年度上期、前年同期比)

個々の管理会社で賃料が増加、つまり上がった状態で契約した事例が前年同期と比べて多数を占めたとの回答は14.3%。減少回答は38.3%を占め、流れとしては家賃の下落現象が見受けられる。元の資料では「変化なしが5割弱」(※厳密には「5割足らず」の表現が正しい)とし安定感を表しているが、後述するDI値はマイナス圏にあることも合わせ、需給の観点では賃貸住宅の供給過多による値下げ傾向が続いていることが分かる。見方を変えれば「借り手優勢市場」。

間取り別では中堅どころがいくぶん大人しく、小型・大型の間取りで大きな減少ぶりが見られる。もっともすべての大きさ区分において、前半期と比べるとDIの値はマイナスが大きくなった、つまり悪化の状況が見られる。詳しくは後述するが、関西圏以外において状況が前半期と比べて悪化したのが原因。前半期ではほぼ均衡のレベルにまで戻した1LDK-2DKも、再び大きな減退を示している。

これを首都圏・関西圏・その他地域に対象領域を区分し、それぞれの圏限定で値を確認したのが次のグラフ。

↑ 賃貸住宅管理会社における物件の成約賃料の変化(首都圏)(2014年度上期、前年同期比)
↑ 賃貸住宅管理会社における物件の成約賃料の変化(首都圏)(2014年度上期、前年同期比)

↑ 賃貸住宅管理会社における物件の成約賃料の変化(関西圏)(2014年度上期、前年同期比)
↑ 賃貸住宅管理会社における物件の成約賃料の変化(関西圏)(2014年度上期、前年同期比)

↑ 賃貸住宅管理会社における物件の成約賃料の変化(その他)(2014年度上期、前年同期比)
↑ 賃貸住宅管理会社における物件の成約賃料の変化(その他)(2014年度上期、前年同期比)

緑よりもオレンジ部分の面積が大きい、つまり「家賃増加」よりも「家賃減少」とする回答が多く、家賃の下落が起きていることには違いない。

部屋の間取り別では中堅どころの1LDK-2DKが比較的健闘し「減少」の値が幾分低めだが、それでも「増加」を大きく上回っている。かろうじて関西圏が同等にまで達しているぐらい。また、小型の間取りより大型の方が、ほんのわずかだが家賃の値上がり度合いはまともに見える(関西圏を除く)。

地域別ではその他地域の下げ幅がもっとも大きい。別項目ではあるが成約件数はその他地域がもっとも多いことから、低家賃の賃貸住宅に注目が集まっている感はある(見方を変えれば、家賃を下げねば集客が難しいということでもある)。また関西圏は首都圏やその他地域と比べ、「増加」が多く「減少」が少なめ。貸す側の立場で言えば状況はかなり良いことになる。もっとも前半期では関西圏の著しい賃料下落傾向が確認できているので、その反動もあるのだろう。

これらの動きを分かりやすくするため、DI値(「増加」から「減少」を差し引いた値)を算出したのが次のグラフ。前半期に不調に陥った関西圏が反動の戻しもあり、他地域と比べて下げ幅が小さなものに留まっているのが分かる。

↑ 賃貸住宅管理会社における物件の成約賃料の変化(DI値)(2014年度上期、前年同期比)
↑ 賃貸住宅管理会社における物件の成約賃料の変化(DI値)(2014年度上期、前年同期比)

関西圏で1LDK-2DKがプラスマイナスゼロを示しているが、それ以外はすべてマイナス。その他の間取りも関西圏は他と比べて穏やか。一方、首都圏の小型・大型、その他地域の中堅どころの下げ幅が非常に大きく、目立つものとなっている。

もっとも繰り返しになるが、関西圏の相対的な復調感は多分に前半期からの反動によるところが大きい。次回も同じような流れになれば、関西圏の賃料に絡んだ復活も見て取れるのだが。

しかしながらほとんどの物件で賃料が下げ傾向にあるのには違いない。特に首都圏の小型の間取りを持つ物件では、4割強の回答者が「賃料は下がった」とコメントしている。相場の下落低迷感が今後も続くのか否か、注意深く見守りたいところだ。


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