アイスが売れて前年同月の反動も大きく…2015年4月度のコンビニ売上高は既存店が4.0%のプラス、13か月ぶり

2015/05/21 06:00

日本フランチャイズチェーン協会は2015年5月20日に、コンビニエンスストアの同年4月度分統計調査月報を、同協会公式サイト上で公開した。その内容によると協会加盟コンビニの同月度の売上高は前年同月比でプラス4.0%となり、13か月ぶりのプラスを示すこととなった。アイスクリームなどの涼を取る商品が好調に推移したのに加え、前年同月における消費税率引き上げ直後で生じた消費減退、特にたばこの買い控えによるマイナスとの比較となることから、反動が生じる形となった。来店客数は先月に続き既存店でもプラスを示している(【日本フランチャイズチェーン協会公式ページ】)。

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今調査の概要、調査対象企業などの詳細、分析記事のバックナンバーは、過去の記事をまとめたページ【コンビニエンスストア(日本フランチャイズチェーン協会発表)】上で解説済み。詳しくはそちらを参照のこと。

主要項目における前年同月比は次の通りとなる。

●店舗売上高:既存店は13か月ぶりのプラス、全店は26か月連続のプラス
全店ベース……+8.1%
既存店ベース…+4.0%

●店舗数(前年同月比)
+4.5%

●来店客数:既存店は3か月連続のプラス、全店は49か月連続のプラス
全店ベース……+4.8%
既存店ベース…+0.5%

●平均客単価:既存店は3か月ぶりのプラス、全店も3か月ぶりのプラス
全店ベース……+3.1%(603.3円)
既存店ベース…+3.5%(594.6円)

●商品構成別売上前年同月比(既存店ベース)
日配食品……+1.6%
加工食品……+2.0%
非食品………+7.8%
サービス……+9.7%
合計…………+4.0%

※既存店……1年以上営業中の店舗を指す(店舗増加による底上げでの数字上の誤差を防げる)

4月は天気が崩れる日が多く降水量は多かったが、平均気温が高めだったことから、アイスクリームをはじめとする夏物商材が好調に推移した。さらに比較対象となる2014年4月は消費税率引上げが実施された直後で、消費の減退が生じており、特にコンビニでは多分の売上を占める(約2割)たばこのまとめ買いの反動が大きく、売上は大きく減じていた(2014年4月の売上全体はマイナス2.2%)。今回月はその反動となるため、大きなプラスを計上する形となった。ちなみにこの反動を考慮しなくても済む2年前同月比を試算するとプラス1.7%となり、それなりの堅調さに落ち着く形となる。

商品構成別の売上高の動向を確認すると、淹れたてコーヒーの堅調ぶりで全体をけん引する日配食品はプラス1.6%、加工食品・非食品はそれぞれプラス2.0%・プラス7.8%となった。客数がプラス0.5%なことを合わせ見ると、日配食品、加工食品、非食品すべてで実質面でもそれなりに売り上げを伸ばしていることが分かる。ただし特にプラス幅が大きい非食品は、やはり税率引き上げ直後のたばこの売上減退が大きく、その分反動も大きなものとなったことが見て取れる。

昨年夏まではガソリン代の高騰が来店機運の足を引っ張り、集客の観点でマイナスに働いているのではとの懸念があった。昨今では原油価格の下落に伴いガソリン代も値を下げており、その観点における心配は薄れている。しかしここ数年来懸念されていたたばこや雑誌の売上の減退、集客力の縮小を押しとどめること、影響力を打ち消すまでには至らない。

セブンカフェ&ドーナツかつてコンビニの集客と客単価の主軸であった雑誌とたばこ。これらは時代の流れの中で、その勢いを確実に減じている。双方とも業界全体、商品そのものの特性や周辺環境の変化に伴う勢力の変化であり、今後復権の可能性も低い。それぞれ単独の動向を知りたいところだが、日本フランチャイズチェーン協会の月次レポートではそれを推し量ることはできない。ただし年次ベースなら、たばこは大手コンビニが発表しているアニュアルレポート、雑誌ならば「出版物販売額の実態」を通して概況を推し量ることはできる(【コンビニの出版物販売額をグラフ化してみる】)。恐らく2014年分も昨年分、あるいはそれ以上に売り上げを落としているに違いない。

代替軸となる各種サービス(情報端末やカウンター経由)の提供や、カウンターで提供される淹れたてコーヒーをはじめとする新鮮味あふれる日配食品(昨今のセブン-イレブンやファミリーマート、ローソンにおけるドーナツも然り)は順調に成長を続けているが、今なお模索が続けられていることからも分かる通り、不安定要素は大きい。

イレギュラー的要素によって生じた軟調な環境の中でも、堅調な売り上げを維持できる軸の模索も多方面で進められている。関連他業界を巻き込む形で、今後も多様な動きが見られそうだ。


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