学生は減少派が増加派を超える…賃貸住宅会社への来客層の変化をグラフ化してみる(2014年12月発表分)

2014/12/09 08:00

賃貸住宅の管理会社によって構成されている業界協会「日本賃貸住宅管理協会」が半年ごとに更新公開している【賃貸住宅景況感調査日管協短観】の最新版「賃貸住宅景況感調査日管協短観・2014年度上期(2014年4月から2014年9月)」が2014年12月5日に更新・公開された。その公開値を元に、賃貸住宅市場をさまざまな視点で、管理会社サイドのデータから推し量っている。今回は賃貸住宅管理会社に足を運ぶ客数の変化を確認していくことにする。賃貸住宅の需要動向が間接的ながらも把握出来よう。

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各種調査要項などについては先行する記事【メディア別賃貸住宅業者への反応の変化をグラフ化してみる】に記載されているので、そちらを参照のこと。

賃貸住宅を管理する会社に来たお客の属性を「学生」「一般単身者(学生除く)」「一般ファミリー」「高齢者(65歳以上)」「法人」「外国人」に大別。その上で、それぞれの来客数(直接来店した人の数)の「前年同期」(今件ならば2013年4月から2013年9月)と比べた変化を尋ねた結果が次のグラフ。「学生」は「減少」が「増加」を上回る、つまり客足が遠のいてしまっている。それ以外は「法人」がかろうじて、というレベルだが、「増加」が「減少」を上回る、つまり客足が伸びている状況が確認できる。なお今件は前年同期との比較のため、季節属性などは反映されず、純粋に客足の変化を精査できる。

↑ 賃貸住宅管理会社に対する来客数の変化(2014年4月-2014年9月における、前年同期比で)
↑ 賃貸住宅管理会社に対する来客数の変化(2014年4月-2014年9月における、前年同期比で)

↑ 賃貸住宅管理会社に対する来客数の変化(2013年10月-2014年3月における、前年同期比で)(前回分、再録)
↑ 賃貸住宅管理会社に対する来客数の変化(2013年10月-2014年3月における、前年同期比で)(前回分、再録)

前期の動向と比べると「学生」「一般単身(学生除く)」「一般ファミリー」「法人」では明らかに緑の部分が減り、オレンジの部分が増えている(「一般ファミリー」はオレンジ部分も減っているが)。つまり勢いが減速しているのが分かる。他方「高齢者」「外国人」は別で、緑が増えている(「外国人」はオレンジも減っている)、つまり客入りの勢いを増している。両項目は前期から来客数の勢いの増加ぶりが確認されており、需要が継続的に積み増しされていることが分かる。

グラフは略するが主要地域別の動向を見ると、首都圏では「外国人」と「高齢者」の増加が、そして地方エリアでは「高齢者」の来客傾向の活性化が特に目立つ。他方関西圏では前期同様に他エリアと比べると低迷感が印象深いが、唯一「学生」の問い合わせが他エリアよりも多いのが目に留まる。

傾向がより分かりやすいように、DI値(「増えた派」マイナス「減った派」)を算出した結果が次のグラフ。

↑ 賃貸住宅管理会社に対する来客数の変化・DI値(2014年4月-2014年9月における、前年同期比で、増えた派−減った派)
↑ 賃貸住宅管理会社に対する来客数の変化・DI値(2014年4月-2014年9月における、前年同期比で、増えた派−減った派)

↑ 賃貸住宅管理会社に対する来客数の変化・DI値(2013年10月-2014年3月における、前年同期比で、増えた派−減った派)(前回分、再録)
↑ 賃貸住宅管理会社に対する来客数の変化・DI値(2013年10月-2014年3月における、前年同期比で、増えた派−減った派)(前回分、再録)

「学生」は前期こそぎりぎりでプラスを示していたが、再びマイナスに。しかも大きく客足が遠のいてしまっている。また伸びが著しい「外国人」は3期前、つまり1年半前まではマイナス値を示しており、それ以降は順調にプラスに転じ、その勢いも増している。同様の流れは「高齢者」にも確認できる。

他方「一般単身(学生除く)」「一般ファミリー」「法人」はプラス、つまり客足は前年同期と比べて増えているものの、その成長は鈍化している。まだ「学生」のように客足が遠のいてしまうよりはマシだが、特に大きく値を減らした「一般単身」の動きが非常に気になる。

来店客全員が賃貸住宅の契約をするわけではないが、契約の可能性は十分にある。少なくとも直接足を運んでいる以上、単に公式サイトを閲覧したりチラシを読んだ限りの人と比べ、興味関心の度合いは高い。管理会社側としても冷やかし前提のものでない以上、来客はあるに越したことはない。

「学生」はここしばらくDI値のマイナス化が続いており、ようやく前期でプラスに転じたが、今期では再び大きくマイナスに転じてしまっている。来店する時間的余裕が無い、IT化が進み来店する必要性がないと判断した結果、来客数としてカウントされる機会が生じないのかもしれない。さらにいえば、【大学生の自宅・下宿割合の推移をグラフ化してみる】の解説の通り、大学生の保護者の財務事情から自宅通いが増えており、それが賃貸住宅の需要減につながっているのでは、との推測もできる。実際、経年で自宅通いの学生比率は確実に増加しており、その推測が正しいことを教えてくれる次第ではある。


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