コンビニ来訪客の世代分布をグラフ化してみる(2014年)

2014/06/17 14:00

少子化と高齢化の人口構成の変化、さらに昨今では大量の団塊世代の定年退職に伴い、小売業界各方面でもシニア層に向けたシフトの動きが随所で見られるようになった。小売店舗でも歳を召した人の買物風景を見る機会が増えたと実感する人は多いはず。今回はセブン&アイホールディングスが毎年この時期(6月から7月)に最新版の公開を行う、同グループ企業各社の動向をまとめた【事業概要(投資家向けデータブック)】の最新版をはじめ、過去の各種データを基に、セブン-イレブンを例示案件とし、コンビニ来訪客の世代分布について確認をしていくことにする。

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セブンイレブンではPOSシステムのデータを活用し、「来店客調査」などの情報を逐次収集し蓄積している(【セブン銀行の言及ページ(アーカイブ)】)。しかしこれは当然のことながら内部データのため一般公開はされておらず、大本のデータを取得することはかなわない。だがそのごく一部は時折コーポレートアウトラインで公開され、その内容を推し量ることができる。先日発表された2014年2月期版の「事業概要(投資家向けデータブック)」では、2013年度分の値が新たに確認できたため、その値を含め、過去の値を逐次収集し、グラフを生成したのが次の図。同時に総務省統計局の【人口推計】を元に、今回追加した2013年度をはじめ、直近数年間分の人口の年齢階層別人数比率を加え、まとめたのが次の図。

↑ セブン-イレブンにおける来客年齢階層比
↑ セブン-イレブンにおける来客年齢階層比

セブン-イレブン・ジャパンの内部データ「来店客調査」ではもっと詳細なデータがあるはず。しかし公開データを調べた限りでは「年度の歯欠け」「年度によって%の表記が整数値まで」と、かなり精度の荒いものとなってしまった(直近でも2010年度、2012年度分が非公開のため年度が飛んでいる)。しかし状況は十分につかみとれる。

状況をざっと箇条書きにすると次の通りとなる。

・コンビニの来客層は確実に高齢化しつつある
 (1店舗当たりの総来場者数は漸増、高齢者は全体に占める比率・店舗当たり人数共に増加)
・高齢層の増加傾向は人口の高齢層化、区分の変化と比較すると、増加傾向そのものは類似している
・30代-40代の利用層に大きな変化はなく、人口構成比と比べればむしろ多い傾向があった
・20代-30代の「コンビニ離れ」傾向が顕著化している
・20歳未満は2007年度を底に、わずかずつだが再び増加の動きを見せる。
・直近の2013年度では40代が大幅に増加、30代はやや伸びたものの、それより下の層での減少ぶりが目立つ

大勢としてはこれまでと変わらないものの、一部領域で状況の加速化が確認できる。

若年層のコンビニ離れ傾向は顕著で、年齢階層別構成比で見ると、この20年でほぼ半減している。その分30・40代がやや増加しているので、1980-90年代にコンビニを利用した若年層がそのまま中堅層化した可能性もあるが、それに続くべき世代の利用がやせ細っているのは看過すべきではない。【一人暮らしの食生活、どこを頼りにしてきたか…過去15年間の食料の買い入れ先の移り変わりをグラフ化してみる】などを見ると、若年単身者の食料品購入先としてのコンビニは、支出額比率が中期的に減少する傾向があり、関連性が浮かび上がる。

他方40歳以上の割合は着実に増加。【100円ショップ来訪客の世代をグラフ化してみる】で紹介した100円ショップの「高齢者の来客頻度の高さ」と比べるとまだまだ割合は小さめだが(100円ショップでは40代以降で約6割を占めている)、今後人口構成比の変化と共に確実に人数・客総数に占める比率共に増えていくものと想像できる。

この数年の動きとして「50歳以上層の増加」以外に「20歳未満層の漸増」が目に留まる。「若年層のコンビニ離れ」という言葉が当てはまらない状況ともいえる。理由としては「若年層向けのスイーツや食玩系アイテムの多数展開」「IT系サービスの導入」などいくつかの要因が考えられる。

ところが直近の2013年度においては、その期待の星的存在の20歳未満が大幅に減り、20代まで減少するという結果が出てしまった。50歳以上の横ばい傾向と合わせ、ややイレギュラーな動きが見えている。この1、2年でコンビニ、特にセブン-イレブンで生じた動きといえば、「プリペイドカード購入機会の本格提供開始」「惣菜類のスーパー並みの充実化」「カウンターコーヒーの導入とイートインコーナーなど周辺環境の整備」が挙げられる。これらの動きにより30代・40代の利用者数が増加したのは十分納得がいくが、その分20代以下が減った理由には結びつかない。これがイレギュラー的なものなのか、それとも継続的な傾向としての流れなのか、今後も注意深く見守る必要がある。



今回データを精査するにあたり、併記されている数字を元に二次的な値を算出したのが次のグラフ。各階年齢層ごとに「全体比」ではなく具体的な人数を算出したもの。年度によって取得できる比率が整数までのために「ぶれ」が生じてしまうのは否めないが、そしてデータが一部欠けているために横軸の「年度」が等間隔ではないが、大まかな動きはつかみ取れる。

↑ セブン-イレブンにおける来客年齢階層別人数(1日1店舗あたり、概算、人)
↑ セブン-イレブンにおける来客年齢階層別人数(1日1店舗あたり、概算、人)

元々コンビニの主力客だった20歳未満と20代だが、前世紀末から漸次その来客数を減らしていく。その世代の人口そのもの減少も一因だが、それ以上に「コンビニ離れ」も少なからぬ要因と考えられる(同世代の単純人口はこれほど急激には減っていない)。一方で中堅層以上は少しずつ数を増やし、特に50歳以上の伸びは急上昇のカーブを描く。そして2009年度には他の世代を抜き、「50歳以上の来客数が一番」という状態になる。この時、20歳未満は今世代区分では一番少ない値を示している。

直近の2013年度においては、過去数年間やや持ち直しを示していた20歳未満の人数が大きく減り、漸減していた20代と合わせ、「若年層のコンビニ離れ」をさらに印象深いものとしている。他方、上記でも触れたがこの数年やや値を落としていた30代の持ち直しと共に、中堅層の来客数が大きな伸長を見せている。また50歳以上の数が横ばいなのがやや気になるところ。

ともあれ、コンビニ(今件はセブン‐イレブンを対象としているが、他のコンビニも大きな違いは無いはず)は単純人口構成比と比べれば、まだかろうじてではあるが、若年層向けの店ではある。一方で、中堅層からシニア層の利用が増加しているのにも違いは無い。昨今のコンビニにおける数々の商品展開、例えば和菓子の積極開発、おつまみ系食材の提供開始などの動きを見ると、「お客を見ている」という点で、納得も行くというものだ。


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