非正規雇用が多い若年層の賃金事情は…正社員・非正社員別、世代別の賃金動向をグラフ化してみる(2014年)

2014/06/09 15:00

内閣府が2014年6月4日に発表した2014年版「子ども・若者白書(旧青少年白書)」では、主に若年層に関する公的資料を取りまとめ、多方面から若年層の実態を精査している。今回はその中から、若年層を中心とした雇用形態別などの賃金動向を見て行くことにする。日常生活、遊興、そして蓄財などさまざまな行動の原資となる賃金は、若年層においてどのような変化を示しているのだろうか(【発表リリース:子ども・若者白書(旧青少年白書)について】)。

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今項目で白書が用いているデータは元々「平成25年賃金構造基本統計調査(全国)結果の概況」からのものであり、概要はすでに【雇用形態別の平均賃金をグラフ化してみる】で精査済み。

一応概略的に解説しておくと、正社員の方が正社員以外と比べて賃金は高い。非正社員は正社員に対し、男性で6割強、女性で7割近くの賃金に留まっている。

↑ 雇用形態・性別平均賃金(2013年、千円)(再録)
↑ 雇用形態・性別平均賃金(2013年、千円)(再録)

そして直近の2013年における「世代別」「正社員・非正社員別」の平均賃金推移。白書では若年層のみの掲載様式に変更されているため、改めて「賃金構造基本統計調査」をたどり、値を抽出した。これによると、やはり女性より男性、非正社員より正社員の方が賃金は高額だが、一律に歳を経るほど高額になるとは限らない状況にあるのも分かる。

↑ 雇用形態・年齢階級別平均賃金(2013年)(単位:千円)
↑ 雇用形態・年齢階級別平均賃金(2013年)(単位:千円)

↑ 雇用形態・年齢階級別平均賃金(2013年)(単位:千円)(折れ線グラフ化)
↑ 雇用形態・年齢階級別平均賃金(2013年)(単位:千円)(折れ線グラフ化)

男女とも非正社員の賃金は歳を重ねてもほぼ横ばいのまま推移している。特に女性は30代前半がピークとなっている。これは正社員における「社内でのさまざまな実績・経験による(賃金の)積み上げ」が、非正社員には無い事を意味する。

別途記事(【若年層の労働・就職状況をグラフ化してみる】)で「(若年層の少なからずにおいて)ステップアップが見込めにくい非正規雇用に甘んじなければならない」という主旨の表現を用いたが、この事象について賃金の上からも裏付けられたことになる。さらに残業代やボーナスの面では正社員が優遇されているので、手取りの観点では正社員との差はさらに大きくなる。

特殊な技術・資格を持ち、それこそ「渡りの職人」「孤高の匠」のような立場ならば話は別だが、通常の非正社員には正社員と同じような「積上げ」を得ることは期待できない。結果として賃金もそれ相応のものになる結果が、グラフのカーブ具合に現れている。

見方を変えると、女性の正社員と男性の非正社員の賃金体系は近しい間柄にある(繰り返しになるが、「残業代やボーナスの面では正社員が優遇されている」ので、現実には女性正社員の方が優遇される)。女性就労者の現状を語る一面と見ることもできよう。



余談気味となるが、2012年から2013年の賃金変移を算出したのが次のグラフ。

雇用形態・年齢階級別平均賃金(2013年)(前年増減率)
↑ 雇用形態・年齢階級別平均賃金(2013年)(前年増減率)

一部イレギュラーな動きもあるが、中堅層までは男女ともに下落の動きが見え、高齢層は逆に上昇の流れを示している。特に女性のアップ率が高い。また、男性陣では中堅層の下落幅がやや大きめなどの動きがある。

男性陣は2013年においては高齢層を除けば概して落ち込みを示しており、これが正社員全体の賃金下落の主要因として見ることが出来る。次年以降の流れをも見極める必要があるが、少なくとも2013年においては高齢層の賃金引上げに、中堅層が割を食った構造となってしまったことに留意しておく必要があろう。


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