20代前半の失業率は7.0%…若年層の労働・就職状況をグラフ化してみる(2014年)

2014/06/09 14:00

内閣府は2014年6月4日付で2014年版となる「子ども・若者白書(旧青少年白書)」を発表した。主に若年層に関する公的資料を取りまとめた白書だが、今回はその中から、若年層の労働・就労状況に係わるデータを抽出し、グラフの再構築と共に現状の精査を行うことにする。先進諸国共通の雇用市場の課題でもある若年層の失業問題は、日本ではどの程度進行しているのだろうか(【発表リリース:子ども・若者白書(旧青少年白書)について】)。

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リーマンショックで悪化後は改善中


平均寿命の伸長化・高齢社会化・定年の延長化、さらには技術の発達に伴う労働工程の効率化に伴い、若年層の労働条件・就職環境が悪化するのは先進国共通の社会問題。この現象は「先進国病」の一つであるとも言われている。日本でも他の先進諸国同様に若年層の失業率は高く、全体平均と比べて高水準を維持している。

↑ 若者失業率の推移(-2013年)
↑ 若者失業率の推移(-2013年)

21世紀に入ってからは派遣などの非正規雇用の促進化もあり、一時的に失業率は改善の動きを見せている。そして景気の回復も大きな改善要因だった。ところが2007年夏以降の金融危機、さらにはリーマンショックに伴う景気悪化で、失業率も上昇していく。景気動向に左右されやすい(勤続年数が短いことや、非正規雇用率が高いことから、解雇されやすい。さらに新規雇用枠増減の影響を受けやすい)若年層ほど、急激に失業率の値を積み増しているのが分かる。

昨今では景気状況の落ち着きもあり、全体平均と共に若年層の失業率も低下傾向にある。特に15-19歳における値が急速に低下しているのは喜ばしい限り。これは高等専門学校、専修学校などの学生が即戦力として企業に注目を集めているのが一因。

直近の2013年に限れば前年から続き失業率は漸減中だが、特に20歳未満の減少が著しい。データが公開されている1989年以降においては初めて20代前半の値を下回り、20代後半の値に近づく勢いを示している。この動きは白書でも特に注目しており、コメントでわざわざ「特に15-19歳の改善が顕著である」と説明している。もっともその直後に「いずれの年齢階級も全体と比較すると高い水準にある」とし、全体値4.0%との格差が引き続き大きいままであることも指摘するのは忘れていない。

増える若年層の非正規雇用率


他方、特に若年層間で問題視されることの多い「雇用体系」、具体的には正規雇用・非正規雇用の相違についてだが、若年層においては25-34歳層で2007年までは一定の上昇幅で、それ以降は緩やかな漸増状態にあるのが分かる。一方、15-24歳層では2005年の34.3%をピークとし、多少の落ち込みを経て3割前後を行き来している。

↑ 「正規の職員・従業員」以外の雇用者比率(在学者を除く)の推移(-2013年)
↑ 「正規の職員・従業員」以外の雇用者比率(在学者を除く)の推移(-2013年)

25-34歳層の値が高めなのは、多分に世帯に入り出産を経た女性が、パートやアルバイトなどで家計を支える状態にあるからに他ならない(いわゆる兼業主婦)。男女別で最新値を確認すると、男性は16.3%(101÷619)なのに対し、女性は41.4%(200÷483)にも達している。男女間の就労事情の違いは、【世代別就業地位区分をグラフ化してみる(2010年国勢調査反映版)】で用いたグラフでも明確化できる。
↑ 就業上の地位、年齢階層、男女別15歳以上就業者比率(2010年)(再録)
↑ 就業上の地位、年齢階層、男女別15歳以上就業者比率(2010年)(再録)

よって問題視されるべきは、男女ともさほど(それでも10%ポイントほどの差はあるが)非雇用者比率が変わらない15-24歳の区分となる。最初のグラフにもある通り、この世代(15-24歳)は失業率も押し並べて高い。学歴で多分に差異は生じるが、それでも若年層の就労状況が厳しいことに違いは無い。


仕事そのものが辛く厳しくても、それが積み重ねによるステップアップのためのプロセスならば納得がいく。若年層に対する「苦労は対価を払ってでもしろ」という言葉にも説得力がある。しかしそのステップアップすら期待しにくい非正規雇用に甘んじなければならなかったり(自分の意志でその立ち位置についた人も多分に居るが)、失業状態でその機会すら得られないとなれば、これを問題視しないわけにはいかない。

進む社会構造の高齢化の中で、今の若年層にはこれまで以上に大きな負荷がかかっている。その負荷を支える資力のもととなる有効な労働機会を若年層に優先して与えることも、高齢化社会の問題解消への1ステップと見なして良いはずだ。


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