これは気になる、高齢者の日常生活上の情報源とは!?(最新)

2019/08/18 05:12

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2019-0807日々の生活に潤いを求めるのはもちろん、平凡なライフスタイルの繰り返しの中においても、情報の取得は欠かせない。そして現在は情報化社会とも評されるように、多様な情報取得手段が存在する。そのような中で、高齢者はいかなる手段を用いて情報を入手しているのだろうか。今回は「高齢社会白書」が多数の引用元として用いている、内閣府が2015年3月に発表した「平成26年度 高齢者の日常生活に関する意識調査」の結果を元に、高齢者が日常生活に関する情報を入手する手段について確認していく(【高齢社会対策に関する調査結果一覧】)。


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テレビが一番、新聞二番、三番ようやく家族


今調査は2014年12月4日から26日にかけて層化二段無作為抽出法によって選ばれた国内に住む60歳以上の男女に対し、郵送配布・郵送回収形式で行われたもので、有効回答数は3893件。

次に示すのは調査対象母集団に対し、日常生活に関する情報をどこから得ているかについて、3つまでの複数回答で尋ねたもの。選んだ選択肢における優先順位は問われていない。

↑ 日常生活情報の源(3つまで複数回答、男女別)(2014年)
↑ 日常生活情報の源(3つまで複数回答、男女別)(2014年)

他の多数のメディア関連の調査の結果同様、高齢者における常用情報取得源のトップはテレビ、次いで新聞。この2メディアの絶対優位性は疑う余地も無い。次いで家族が入っているが、この値が低いのは家族と話していても情報源としての認識が無い場合が多々あるのに加え、単身世帯も調査対象母集団に含まれるからに他ならない。

次いで友人や近所の人、チラシやダイレクトメールが続き、そしてようやくインターネットや携帯電話が続く。高齢者には高い人気を誇る、聴取率の調査でも高値を示しているラジオは、上位3位の観点では少数派となってしまう。

男女別では新聞やインターネット、ラジオがやや男性、家族や友人、チラシなどは女性が大きめの値が出ている。本人自身で完結できるものは男性、第三者の介在が必要なものは女性の方が高めと解釈すると、高齢層におけるコミュニケーションへの姿勢の違いが透けて見えてくる。

年齢の違いなどで差は生じるのか


続いてこれを年齢などの属性別で区分し、その状況を確認していく。まずは年齢階層別。

↑ 日常生活情報の源(3つまで複数回答、年齢階層別)(2014年)
↑ 日常生活情報の源(3つまで複数回答、年齢階層別)(2014年)

テレビやラジオは年齢に関係なく高い値を維持するが、新聞は高齢でやや値が落ちる。これは視力の衰えなどが影響している。代わりに家族や友人など、直接の対人交流による情報取得が増加していく。特にインターネットは年齢階層間の差が著しい。

続いて世帯構成別。

↑ 日常生活情報の源(3つまで複数回答、世帯構成別)(2014年)
↑ 日常生活情報の源(3つまで複数回答、世帯構成別)(2014年)

単身世帯では来訪をしてもらうなどしない限り物理的に不可能なので、家族を挙げる人は少ない。その分、直接の対人関係では友人や近所の人との値が多少高めとなっている。その家族の値だが、本人と子の世帯よりも、孫までいる世帯の方が値は高い。離れた世代との会話の中で得られる情報にも、有意義さを見出しているのだろう。

単身世帯はラジオを挙げる人が多いのも特徴的。いわゆるながら視聴をしながら一日を過ごす様子が思い浮かばれる。

最後は就業形態別。

↑ 日常生活情報の源(3つまで複数回答、就業形態別)(2014年)
↑ 日常生活情報の源(3つまで複数回答、就業形態別)(2014年)

最後は就業形態別。テレビは差異がほとんど無いが、新聞では在宅就労者が低め、代わりに家族が高い結果が出ている。また、インターネットや携帯電話は正規社員や役員がよく使っている。ラジオや友人・近所の人は農林漁業者が大きめの値が出ており、ライフスタイルの有り様を想起させられる。さらに、正規・非正規の社員・職員は職場を情報源とする場合がそれなりの値で出ている一方、役員はほとんど当てにしていないのも印象的ではある。「日常生活情報」に限れば、役員は職場でやりとりする機会はほとんどないのだろう。



先行する記事では「普段の楽しみ」としてテレビや新聞を挙げる高齢者が多いとの結果を確認したが、今件では普段の情報源として両者が圧倒的な支持を集めていることがつかみ取れる。しかもテレビに限れば、どの年齢階層でも変わるところが無い。高齢層がテレビ好きで大きな影響を受けるのも、納得がいくというものだ。

なお今調査は5年毎に実施されているため、次の調査は2019年に行われる。その頃には高齢者が使える情報源はどのような変化を示し、そして高齢者は何を選択しているのか。特にインターネット・携帯電話の利用状況がどの程度変化するのか、調査結果が楽しみではある。


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