梅雨入りで天候悪化、気温も下がり…熱中症による搬送者数は1週間で568人(2015年6月1日-6月7日)

2015/06/09 13:00

総務省消防庁は2015年6月9日、同年6月1日から6月7日の一週間における熱中症搬送人数が568人(速報値)であることを発表した。前回週の1196人(速報値)と比べると628人の減少となった。また今年の熱中症による搬送人数は、消防庁が今年カウントを始めた4月27日以降における累計人数としては3572人(速報値による累積)に達している。初診時に熱中症を起因とする死亡者は今回週では幸いにも計上されなかったが、3週間以上の入院加療が必要な重症判定を受けた人は10人が確認されている(【消防庁:熱中症情報ページ】)。

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↑ 熱中症による救急搬送状況(週単位・速報値・2015年・人)
↑ 熱中症による救急搬送状況(週単位・速報値・2015年・人)

↑ 熱中症による救急搬送状況(該当週・日単位・速報値・2015年・人)
↑ 熱中症による救急搬送状況(該当週・日単位・速報値・2015年・人)

↑ 熱中症による救急搬送状況(年齢区分)(2015年)
↑ 熱中症による救急搬送状況(年齢区分)(2015年)

今夏の電力事情に関して精査した記事【「今年も数値目標なし」…2015年夏の節電要請内容正式発表】などで解説の通り、今年夏も昨年同様、法的拘束力のある電力使用制限令、または数字目標のある節電要請は発せられることなく、数字目標無しの節電要請に留まることとなった。しかし震災から4年が過ぎた今なお、電力需給の観点で安寧出来ない状況にあることに違いはない。さらに気象庁の最新の中期予報では、7月から8月にかけては雨が平年よりは多くなるとの予想が出されているが、6月は気温が高めに推移する可能性が高く、熱中症への懸念も増大している。また昨年は気温の上昇が早めに起き、5月から熱中症で救急搬送される人が多分に確認された。

そこで消防庁では【消防庁の熱中症搬送患者情報、今年は5月からだそうです】にある通り、昨年までは熱中症に係わる搬送車の調査とその結果報告について5月中旬以降に開始していたものを、今年は4月末から開始し、逐次報告を行うことになった。

↑ 消防庁の熱中症精査報告開始に関する前倒しの案内
↑ 消防庁の熱中症精査報告開始に関する前倒しの案内

今回発表された各種値は今年の分としては第6週目のものとなる。

今回計測週では前半こそ発達した高気圧の影響で気温も上昇し、大阪では真夏日(一日の最高気温が30度以上)を記録したものの、6月2日以降は九州南部から逐次梅雨入りが宣言され、それに伴い天候も低気圧の影響を受けて低下。雨が降る日もあり、それに伴い搬送者数も減少。週末には天候も回復し、日曜には再び搬送者数の増加が確認された。なお現時点で東海・関東甲信までが梅雨入り宣言がなされているが、両地域は6月8日に入ってからであり、今回の計測期間には該当しない。

地域別では埼玉県の45人を筆頭に、大阪府の36人、東京都の32人、愛知県・沖縄県の28人が続く。大阪府では上記の通り6月1日に真夏日を記録しており、この気温の高さも数字の底上げに影響したものと思われる。

↑ 東京都の最高気温と天候(2015年6月1日-6月7日)
↑ 東京都の最高気温と天候(2015年6月1日-6月7日)

↑ 大阪府の最高気温と天候(2015年6月1日-6月7日)
↑ 大阪府の最高気温と天候(2015年6月1日-6月7日)

↑ 熱中症による救急搬送状況(2015年6月1日-6月7日)(搬送人数上位都道府県、人)
↑ 熱中症による救急搬送状況(2015年6月1日-6月7日)(搬送人数上位都道府県、人)

消防庁では今件熱中症の救急搬送者の統計ページにおいて、熱中症対策のリーフレットを配布している。また、関連省庁の熱中症に係わるページへのリンクも配し、さまざまな象徴の対策状況や情報を確認できる。各自治体でも早くから今年向けの情報提供を開始しているところも確認できる(【今から熱中症対策をしましょう!(京都府京田辺市、2015年4月30日付け)】)

↑ 熱中症の応急手当。上記記載の消防庁配布によるリーフレットから
↑ 熱中症の応急手当。上記記載の消防庁配布によるリーフレットから

環境省では熱中症対策の一環として発表している暑さ指数(WBGT)予想値・実況値の情報提供について、5月13日から開始している。今件情報はパソコン向けだけでなくスマートフォン用にも提供されている(【環境省熱中症予防情報サイト】【環境省熱中症予防情報サイト(スマートフォン用)】)。
↑ 環境省熱中症予防情報サイト
↑ 環境省熱中症予防情報サイト

今回発表されたリリースでは日付を合わせる形で同年同時期の搬送者数を参考値として提示しているが、それによると昨年の同時期における搬送者数(確定値)は1733人。今年は速報値で比較するとそれより1000人以上少ないことになる。昨年の同時期は6月の頭に真夏のような暑さが襲い、一部地域では猛暑日となる場所もあったほど(群馬県館林と岐阜県揖斐川で36.3度を記録した)。今年はそのような暑さは無く、低気圧に救われた感はある。

電力需給の観点では結局昨年の状況から進歩がほとんど見られないのが残念な話ではある。ちまたで電力不足が騒がれ、また電気代の高騰が続くと、高齢者を中心に冷房機器の利用を避ける心理が働き、熱中症のリスクは上乗せされることは容易に想像が出来る。せめてそれ以外の点で昨年よりも熱中症による救急搬送者が減るよう、各自最善を尽くしたいものだ。

上記にある通り、8日付で東海・関東甲信地方まで梅雨入り宣言がなされており、今後は雨の機会も多くなるものと思われる。それに伴い温度も下がり、熱中症リスクも低減化するが、湿度が高ければ熱中症のリスクも上昇する。油断は禁物であることはいうまでもない。


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