2014年9月の熱中症での病院搬送者、昨年同月と比べて約1300人少ない1824人に

2014/10/16 10:00

総務省消防庁は2014年10月15日付で、同年9月の熱中症を起因とした全国の救急搬送の状況(確定値)を発表した。それによれば同年9月における熱中症による救急搬送者は1824人となり、前年同月の3133人と比べて1309人減少した値となった。また6月から9月までの合計搬送者数は4万0048人となり、これは毎年6月からの調査を開始した2010年以降では、最少の値を示す結果となった(【消防庁:発表リリース一覧ページ】)。

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今年の9月は秋雨前線の停滞で全国的に雨や曇りの日が多く、また台風も相次いで接近し、強い影響を日本本土に与えた。結果として沖縄地方を除いては8月に続き9月も涼しい気候となったことから、全国における熱中症による救急搬送人員(救急車で医療機関に搬送された人)は、残暑が続いた昨年同月と比べて抑えられる形となった。

今回の発表によれば、2014年9月の全国における熱中症による救急搬送人員は1824人となり、昨年2013年の9月における3133人と比較すると41.8%減という大幅減の値に収まっている。

↑ 熱中症搬送人員(2009-2014年、各9月、人)
↑ 熱中症搬送人員(2009-2014年、各9月、人)

↑ 熱中症搬送人員(2009-2014年、各9月、人数比)
↑ 熱中症搬送人員(2009-2014年、各9月、人数比)

昨年と比べるとすべての年齢区分で人数は減少。特に今年は成人の年齢層で著しい減少が確認できる(ほぼ半減)。外出機会が一番大きく、結果として熱中症被害のリスクも高くなるこの年齢層にとって、天候不順などによる屋外での気温低下、さらには外出機会が減ったことは、少なくとも熱中症発症の観点ではプラスに働いたのだろう。

搬送時の初診傷病程度は次の通り。2010年には一時的に上昇した、中等症以上の患者比率だが、この4年ほどは3割内外で安定している。患者の発生数そのものの減少だけでなく、発生・状況確認時の症状の軽減もまた、熱中症対策の上では求められる要素であり、今後も中長期的な視点から、油断することなく早期発見・早期対策が求められる。

↑ 熱中症搬送人員初診時傷病程度(2010-2014年、各9月、人)
↑ 熱中症搬送人員初診時傷病程度(2010-2014年、各9月、人)

↑ 熱中症搬送人員初診時傷病程度(2010-2014年、各9月、人数比)
↑ 熱中症搬送人員初診時傷病程度(2010-2014年、各9月、人数比)

ちなみに各症状の具体的内容は次の通りとなる。

軽症:入院を必要としない程度

中等症:重症または軽症以外の病状

重症:3週間の入院加療を必要とするもの以上

死亡:医師の初診時に死亡が確認されたもの

「軽症」と「重症」の容体を比較した上で勘案すると、「中等症」とは「3週間未満の入院を必要とするもの」と判断できる。つまり「重症ほどではないが、搬送時には相当状態が悪化しており、入院措置が必要な状況」。本人の無理がたたった、または他に誰もいない環境下で気を失い、第三者による発見が遅れたことが想定できる。見方を変えると2014年9月においては、7割の熱中症による救急搬送者は入院をせずに済んだことになる。

自分自身への注意を怠りなくするのと共に、異常を感じたらすぐに水分補給、涼しい場所への移動、楽になる姿勢を保つなど各種対応を行うのは常識論のレベル。それと同時に身の回りに体力の不安な人(療養中や病症で通院中の人)、身体の衰え(老化)などの理由から適切な反応が期待できない人が居る時には、積極的に声をかけるなどして、熱中症の発生を極力防ぐ姿勢を望みたい。

なお今回の確定報により、2014年6月から9月(夏期)における搬送者数総計は4万0048人となり、6月から調査を開始した2010年以降では最小値を記録した。

↑ 夏期熱中症救急搬送人員(2009-2014年、各年6-9月の累計)
↑ 夏期熱中症救急搬送人員(2009-2014年、各年6-9月の累計)

今年は上記にある通り、エルニーニョ現象こそ発生しなかったものの、相次ぐ台風の接近・上陸に加え、発達した前線の影響により天候が悪化した日が多くなり、8月・9月における搬送者数が減少したことが、夏期全体における合計値を減らす形となった。消防庁では10月以降の値は原則公開されないが、恐らくは10月以降も昨年と比べれば数を減らしていることだろう。

とはいえ、計測値が公開されなくとも、環境により、10月でも熱中症を発症する可能性はゼロとは言えない。さらに熱中症への対策は、多分に身体の健康管理そのものにもつながる話ではある。「体調管理」という全般的な視線で自分の、そして周囲の体を気遣い、その中で熱中症に対する注意と配慮をしてほしいものだ。


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