市場観指数は上昇、ギリシャ関連で国際情勢へ注目が高まる…野村證券、2015年5月分の個人投資家動向発表

2015/05/23 08:00

野村ホールディングス(8604)のグループ会社野村證券の一部門である「グローバル・リサーチ本部」は2015年5月19日、個人投資家の投資動向アンケート調査における結果報告書「ノムラ個人投資家サーベイ」の最新版(2015年5月分)を公開・発表した(【野村證券リリース一覧ページ】)。その内容によれば今後3か月後の株価見通しを調査対象母集団に尋ねた結果で算出される「ノムラ個人市場観指数」は、先月から転じる形で上昇し、52.0を示すこととなった。株価の先行きに関しては「中程度の上昇」を見込む意見が先月と比べ、最大の回答率増加幅を示している。

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今調査は1000件を対象に(有効回答数が1000件に達した時点で締切)2015年5月7日から5月8日に行われたもので、男女比は85.0対15.0。年齢層は50代がもっとも多く34.5%、次いで60歳以上が33.7%、40代が21.7%など。金融資産額は1000万円-3000万円が一番層が厚く28.0%、500万円-1000万円が18.3%、3000-5000万円が15.1%と続いている。回答者の投資経験年数は10年から20年未満が最高比率で33.1%、次いで20年以上が30.8%、5年から10年未満が25.5%と続いている。比較的長期間投資に携わってきた人が多い。

投資に対して重要視する点は、おおむね長期投資が最大値で47.9%と5割近くでもっとも多い。ついで配当や株主優待が26.1%と1/4強。短中期間の売買に伴う売却益より、配当収入や優待確保などの中長期的な安定感を求める投資方針が多勢(約3/4)を占めている。

詳細はレポートで確認してほしいが、概要的には次の通り。

・3か月後の株価見通しを示す投資指数は52.0ポイント。前回からは6.6ポイントの上昇。前月の下落からは転じる方向性の動きで、上げ幅は6.6ポイントと大きめ。この時期、日経平均株価は前月比で106円ほど下回っており、今後株価が上昇に転じると考えた人が増えたようだ。

・3か月後の日経平均株価の上昇を見込む比率は合計で76.0%。前月分の72.7%からは3.3%ポイントの上昇。こちらも投資指数同様に上昇している。「1000円程度の上昇」を見込む意見がもっとも多い状況は先月から同様だが、「2000円程度の上昇」を見込む意見が8.7%ポイントと最大の上昇幅を示している。

・市場に影響を与え得る要因としては「国際情勢」が最大値を示し、先月からはさらに上昇。ギリシャの金融支援を巡る動きに不透明感が上乗せされている状況を踏まえ、注目が集まったものと考えられる。他方「国内企業業績」はマイナス6.0%と大きく注目が薄れている。

・魅力的な業種は「自動車」「医薬品」「資本財・その他」「金融」「素材」の順で、ここまでがDIではプラスかゼロ。そして「電気機器・精密機器」「通信」「消費」「運輸・公共」はマイナス圏。「金融」「素材」がプラス化したのが大きな動き。「消費」は今回月も改善し、2.2ポイント上昇を示した(とはいえまだマイナス圏に違いは無い)。

・ドル円相場に対する見通しは「やや円高ドル安」の意見がもっとも多いが、「やや円安ドル高」とほぼ同じ値を示している。他方、それより大幅な為替レートの変化の見通しでは円高ドル安の方向性を見込む人が多い。

・通貨への投資魅力は「アメリカドル」が最上位で、「日本円」「オーストラリアドル」が続く。「日本円」は値を上げ、「アメリカドル」は下げている。「カナダドル」が大きくそれらに後れを取るもDI値ではギリギリプラスで、それ以外はマイナス。「中国元」は相変わらず大幅なマイナス。

・もっとも注目を集めた金融商品は「国内株式」。次いで「預貯金」「国内投資信託」。この順位は先月から変化なし。DI値も大きな変化は見られないが、「国内投資信託」がいくぶん値を上げている。

気になる「保有したい、注目していきたい銘柄」、つまり調査対象母集団における個人投資家が購入したいと考えている銘柄は、鉄板銘柄ともいえるトヨタ自動車(7203)がトップに。この鉄板ぶりは過度の円高の時期に同社株式が低迷した一時期をのぞけば、まさにダイヤモンドのごとし。

1位……トヨタ自動車(7203)
2位……ソフトバンク(9984)
3位……武田薬品工業(4502)
4位……三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、オリエンタルランド(4661)

鉄板のトヨタ自動車は別として、それ以外の銘柄は多分に時節に合わせて上下する傾向がある。今回月ではトヨタ自動車と並び安全パイ的な安定銘柄や、知名度・生活密着度の高い銘柄が上位を占める形となった。もっとも4位が同数で同順位を示していることからも分かる通り、トヨタ自動車以外は数票の差でしかなく、実際のところ大きな差異は無いものとみて良い。



今回月は株価が一時的に後退した時期の回答となったこともあり、再上昇への期待が多分に寄せられる一方、海外情勢の不安定感の高まりを受けて不安感も覚える状況を反映する動きを示す形となった。

アノマリー的な話では年度を超えるとゴールデンウィーク前後までが上昇機運を示し、その後株価は低下の動きを示すこととなる。しかし今年はむしゴールデンウィークを踊り場的なものとしてステップアップした感がある。現時点で日経平均株価は目安となる2万円台を維持する形で推移しているが、今後はどのような動きを示すのだろうか。


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