5つの視点からメディアへの信頼度を年齢階層別に確認してみる(最新)

2017/08/06 05:12

2017-0804先行する記事【国内の政治や経済問題の情報源として、各メディアはどこまで信頼されているのだろうか】などで、総務省が2017年7月7日に情報通信政策研究所の調査結果として発表した「平成28年 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」の公開値を基に、いくつかのジャンルに係わるニュースを取得する際に、人々がどのような情報源を信頼しているかを検証した。今回は調査で取り上げられている5つのジャンルについて、信頼度、そしてそもそも論としてそのメディアをニュース取得源として用いているか否かを確認していくことにする(【発表リリース掲載ページ:研究成果-調査研究報告書】)。

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信頼度は年齢階層で差が生じるのか


調査要項などは今調査に係わる先行記事【主要メディアの利用時間をグラフ化してみる】、信頼度などの計算方法は【国内の政治や経済問題の情報源として、各メディアはどこまで信頼されているのだろうか】を参照のこと。

信頼度は高い方が信頼されている、低い方が信頼されていない、1.50が信頼されている・されていないの境目。ただし信頼度の算出には「そのメディアを利用している人」が前提になるため、信頼に足りないので該当メディアを使っていない人も算出からは除外されることから、実情としての信頼度は今計測値よりもいくぶん低い値となることが推定される(信頼しているとの理由で該当メディアを使わない人はいない)。

抽出する年齢階層は、未成年者を多分に含む、そしてある意味特殊な生活環境に置かれている学生・生徒(中学生から大学生が対象)、若年社会人として20代、そして高齢層として60代。それぞれ、政治・経済問題(国内)、社会問題(国内)、海外ニュース、原子力の安全性、東アジアの外交問題の各ジャンルに関し、代表的なメディアとしてテレビ、新聞、インターネットニュースサイト、ソーシャルメディア、ブログやその他サイトを挙げ、それぞれの信頼度を算出した。

↑ 普段利用している情報源における信頼度(2016年、学生・生徒)
↑ 普段利用している情報源における信頼度(2016年、学生・生徒)

↑ 普段利用している情報源における信頼度(2016年、20代)
↑ 普段利用している情報源における信頼度(2016年、20代)

↑ 普段利用している情報源における信頼度(2016年、60代)
↑ 普段利用している情報源における信頼度(2016年、60代)

年齢的には近く、被っている部分もあることから、学生と20代は近しい動きを示している。新聞をもっとも信頼し、次いでテレビ、インターネットのニュースサイトが続き、ソーシャルメディアやブログはあまり信頼していない。ただしテレビや新聞、ニュースサイトへの信頼度は学生よりも20代の方が低め。一般論レベルの話ではあるが、社会に出て経験を重ねることで、メディアに対する信頼度のウェイトが変化しているようすがうかがえる。国内問題に関わるインターネットニュースサイトの信頼度に限れば20代の方が高いのは、株価や企業の発表リリースなど、仕事でビジネス系の素情報を配信するサイトを使う人が多いからだろうか。

一方60代では大きな相対関係・順位に差は無いものの、ソーシャルメディアやブログの値が低くなり、大よそテレビや新聞の値が高い値を示す。またインターネットのニュースサイトも高くなっているが、これは多分にテレビや新聞などの4マスの企業体による運営サイトをイメージしているものと考えられる。若年層と比較すると、物理メディアとインターネットメディアとの間の信頼性の格差が開いているようだ(ニュースサイトをのぞく)。

「そもそも使っていない」人


上記にも記した通り、信頼度の算出にはそのメディアを利用していない人は除外されている。信頼度とは別に、元々単純にそのメディア全体を金銭的、身体上の理由で、費用対効果の上で使っていない人も多分にいるのだろうが、同時に信頼ならないので利用していない人も居ることが考えられる。そこでそれぞれのジャンルに関して、該当メディアを情報源として使っていない人の割合を抽出したのが次のグラフ。

↑ 普段利用している情報源における信頼度(2016年、学生・生徒、そもそもその情報源を使っていない、知らない)
↑ 普段利用している情報源における信頼度(2016年、学生・生徒、そもそもその情報源を使っていない、知らない)

↑ 普段利用している情報源における信頼度(2016年、20代、そもそもその情報源を使っていない、知らない)
↑ 普段利用している情報源における信頼度(2016年、20代、そもそもその情報源を使っていない、知らない)

↑ 普段利用している情報源における信頼度(2016年、60代、そもそもその情報源を使っていない、知らない)
↑ 普段利用している情報源における信頼度(2016年、60代、そもそもその情報源を使っていない、知らない)

信頼度の観点では近しい学生と20代も、情報源としてのメディアの利用度合いでは大きな違いを見せている。学生は該当する情報を取得する際に使っていないメディアが多めで、メディア毎の相対的な位置を見るに、ソーシャルメディアやブログの非利用度合いが特に大きな結果が出ている。

他方、高齢層は若年層とは大きな違いを見せる。テレビや新聞のような従来型の4マスはほとんどの人が情報源として用いているが、インターネット系は大よそ利用そのものをしていない。それでもインターネットニュースサイトは4割強の人が利用しているものの、ソーシャルメディアやブログなどは2割程度でしかない。そのメディアを使えるツール自身を有していない、持っていてもアクセスする気にはならない人が多分にいるとはいえ、ここまで若年層と大きな差が生じているのでは、メディアを通して見える社会の有りようが違って見えるのも不思議では無い。



先行する記事で一部高齢層において、また今本文中でも、インターネットのニュースサイトに対する信頼度が高めに出る傾向があることについて、新聞やテレビなど従来のマスメディアが主催するサイトであるからこそ信頼するとの説明をしている。それは確かに一理あるが、その一方で利用者そのものが4割強でしかない状況を見るに、「信頼していない人はそもそも利用していない」のパターンが多分に及んでおり、必然的に相応の信頼をしている人のみが利用している結果、平均値も高いものとなった可能性も否定できない。

今後スマートフォンやタブレット型端末がさらに浸透し、高齢層にもその利用が広まるにつれ、これらの値はどのような変化を示すのだろうか。非常に気になるところではある。あるいはスマートフォンが普及しても、「新聞」の記事を読む対象が紙から液晶に変わっただけとなるのかもしれないが。


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