東アジアの外交問題に関するニュースの情報源として、各メディアはどこまで信頼されているのだろうか(2016年)(最新)

2016/09/23 05:12

新興諸国の経済発展と、一部の国による軍事面も含めた意欲的・積極的・高圧的な外交施策に伴い、東アジアの緊張はこれまでに無い高まりを示している。その動向は対岸の火事ではなく、日本自身にも大きな影響を及ぼす、さらには関係のある事案も多数含まれており、一人一人が情報の収集に興味関心を持つのは当然の話。今回は総務省が2016年8月31日に情報通信政策研究所の調査結果として発表した「平成27年 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」の公開値を基に、この東アジアの外交問題に関するニュースを取得する際に、主要メディアは情報源としてどれほど信頼されているのかについて確認していくことにする(【発表リリース掲載ページ:研究成果-調査研究報告書】)。

スポンサードリンク


全体的には新聞が一番、テレビが二番


調査要項などは今調査に関する先行記事【主要メディアの利用時間をグラフ化してみる】、信頼度などの計算方法は【国内の政治や経済問題の情報源として、各メディアはどこまで信頼されているのだろうか】で確認のこと。信頼度は高い方が信頼されている、低い方が信頼されていない、1.50が信頼されている・されていないの境目がざっと見的な説明となる。また「東アジアの外交問題」に関しては回答用紙にそのままの表現で書かれており、具体的にどの国、どの場所、どのような事案を対象にしているかの説明は無い。その表現で回答者が想起できるものが対象となる。

まずは全体的な統計。やはり新聞への信頼度が一番高い。

↑ 普段利用している情報源における信頼度(2015年、東アジアの外交問題)
↑ 普段利用している情報源における信頼度(2015年、東アジアの外交問題)

興味深いのは新聞に続くテレビとラジオがほぼ同率となっていること。わずか0.01ポイントの差で誤差の範ちゅうであり、実質的には同じポジションにあると見てもよい。東アジアの外交問題に限れば、映像付きのテレビと、音声のみのラジオへの信頼度は変わりがないことになる。

またインターネットニュースサイトの値が高いのも特徴的。もっともそれ以外のインターネット系、ソーシャルメディアや動画共有サイト、ブログなどは押し並べて低い値。1.50が信頼できる・できないの境界線となるので、これらは全体としては「信頼できない」のらく印をおされていることになる。そして4マスの中では唯一雑誌もまた、「信頼できない」に分類されると判断できる。

属性別に見てみると……?


続いて各種属性別。まずは男女別。

↑ 普段利用している情報源における信頼度(2015年、東アジアの外交問題)(性別)
↑ 普段利用している情報源における信頼度(2015年、東アジアの外交問題)(性別)

全メディアで男性よりも女性の方が高い信頼度を示している。他のニュース項目でも女性は高めの値が出ているが、東アジアの外交問題に関しては、より多くの媒体で女性がより強く信じているのが注目に値する。ただし他のニュースで見られた、雑誌やソーシャルメディアのような口コミ色の強いメディアで男女差が大きくなるような傾向は無い。

続いて年齢階層別。

↑ 普段利用している情報源における信頼度(2015年、東アジアの外交問題)(世代別)
↑ 普段利用している情報源における信頼度(2015年、東アジアの外交問題)(世代別)

他の調査項目ではインターネット系のメディアでは、高齢層ほど低い値を示す傾向があるが、今件ではインターネット系も、年齢が高い方が高値を示す、少なくとも横ばいの動きがある。

むしろ4マスのうち雑誌は10代以外は年齢階層による違いがみられない。東アジアの外交問題は4マスでは取り上げられる割合が一定量に限られ、かつ各媒体のフィルタがかかる事案が多々見受けられることが影響しているのだろうか。

他方、先行する他の情報項目同様、東アジアの外交問題においても、10代は他の年齢階層と比べて突出した高値、より強い信頼度を示している。それぞれのメディアに対する虚報・誤報など情報リスクとの対面経験がまだ浅いからなのだろう。

続いて就業形態別。

↑ 普段利用している情報源における信頼度(2015年、東アジアの外交問題)(就業形態別)
↑ 普段利用している情報源における信頼度(2015年、東アジアの外交問題)(就業形態別)

特に大きな、傾向だった動きは見られない。強いて言えば就業者は従事時間が長い就業スタイルほど、信頼度が押しなべて低くなるぐらいだろうか。また、学生・生徒は上記の通り誤報などによるリスク体験が少ないことから高めの値を示しているものの、ネットインターネットサービスに関しては逆に低い値に留まっている。4マスよりも利用経験が多いため、痛い目に会っている機会も多いのかもしれない。

最後は世帯年収別。

↑ 普段利用している情報源における信頼度(2015年、東アジアの外交問題)(世帯年収別)
↑ 普段利用している情報源における信頼度(2015年、東アジアの外交問題)(世帯年収別)

他の調査項目同様、600万、あるいは800万-1000万円未満の階層が高値のピークで、その前後は低めの値が出ている。一方、雑誌やネット系メディアのうちネットニュースサイト以外では、押しなべて低年収ほど高く、高年収ほど低い値となる(800-1000万円未満の層はイレギュラーだろう)。どのみち、基準値の1.50には到底届かず、信頼されていない領域であることに違いはないのだが。



海外ニュース、特に東南アジア関連のニュースは、国内報道機関の報道においては、各社の、場合によっては記者のバイアスが反映されることがあり、外電の一次ソースや元となる公的機関の情報を確認すると、印象が大きく異なる、まったく別の実態だったとする事案が相当な頻度で生じている。他の項目と比べ、全体的に信頼度が低いのも、それが遠因だろう。

もっとも、他の記事でも指摘しているが、あくまでもこれは一般論。結局のところ、それぞれのメディアを用いて情報を配信する、個々の企業・組織の特性・姿勢により、信頼度は大きく変わってくる。その見極めができないと、「テレビだから丸ごと信頼できる」「ネットだから全部うさんくさい」のような、仮の信頼度に右往左往してしまうことになるかもしれない。


■関連記事:
【尖閣諸島を知った経由「テレビ・ラジオ」が97%、求める取り組みも「テレビ」が最多回答】
【世界各国から見た「この国、世界全体に良い影響与えてる?」度】
【強い懸念を示す周辺国…領土紛争における東南アジア諸国の対中軍事衝突への懸念度】

スポンサードリンク




▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2016 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー