スマートフォンと従来型携帯電話、非所有者の想いを探る(2016年)(最新)

2016/09/18 10:20

携帯電話のトレンドは従来型携帯電話からスマートフォンにシフトしつつあるが、一方で従来型を引き続き愛用する・求める人も少なくない。現在の所有状況は各調査で良く知られるところではあるが、現在持っていない人たちの今後の所有願望はどのような実情だろうか。今回は総務省が2016年8月31日に情報通信政策研究所の調査結果として公式サイトで発表した「平成27年 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」の公開値を基に、スマートフォンと従来型携帯電話それぞれにおける、現在の所有状況と今後の所有願望の有無を確認していくことにする(【発表リリース掲載ページ:研究成果-調査研究報告書】)。

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スマートフォンを現在利用せずに「今後もいらない」は2割近く


調査要項などは今調査に関する先行記事【主要メディアの利用時間をグラフ化してみる】を参考のこと。

次に示すのは回答者自身のスマートフォンに関する利用状況。世帯ベースでの所有状況では無いことに注意。利用している、非利用ならば将来取得したい(=利用したい)か、あるいは要らないか。なお機種に関する回答用紙の説明は「スマートフォン(iPhone、アンドロイド端末など)」となっている。

↑ スマートフォン利用状況(2015年、回答者自身)
↑ スマートフォン利用状況(2015年、回答者自身)

↑ スマートフォン利用状況(2015年、回答者自身、「無い」)
↑ スマートフォン利用状況(2015年、回答者自身、「無い」)

全体所有率は68.7%と7割近く。男女別では同率で、世代別では10代ですでに8割超え、20代では95.4%とほぼ全員の状態。30代でも9割近く、40代でも8割半ば。50代以降ようやく値は減少し始めるが、それでも過半数を超えている。60代ですら1/4近く。

就業形態別ではフルタイムが3/4、パート・アルバイトが7割近く、専業主婦・主婦が5割強。金銭的負担、さらには必要度合いが所有率の違いに表れているのだろう(学生・生徒が8割強なのに対し、無職が2割強なのもその裏付けとなる。ただし無職の場合、定年退職後の高齢者も多分に含まれている)。

世帯年収別ではきれいな形で高年収ほど高所有率を示している。これもまた、毎月の通信料負担が大きな所有の要素となっていることがうかがえる。ただし400万円以上はほぼ横ばいとなり、1000万円以上で急な再上昇を示すのも興味深い。

現在スマートフォンを利用していない人の所有願望度合だが、全体ではほぼ2対3で不必要との意見の方が多い。一方で世代別では、若年層は欲しい人が多数に登るのに対し、高齢層では必要ないとの判断を下している人が増えてくる。特に60代では全体の過半数が「スマートフォンは現在持っていないし、今後も要らない」としている。

世代別のスマートフォン忌避傾向に似たような動きを示しているのが、世帯年収の差異。低年収ほど非保有率が高いが、加えて非保有者内における「要らない」派の割合も大きい。自分の環境から鑑み、コストパフォーマンスの観点で割りに合わないとの判断が下されているのだろう。

従来型携帯電話はどうだろうか


続いて従来型携帯電話。いわゆるケータイ、ガラケー、フィーチャーフォン。回答用紙には「携帯電話(スマートフォンを除く。PHSを含む)」とあり、厳密にはPHSを含んでいる。また、スマートフォンとは別途の選択となっており、当然従来型とスマートフォンの双方を所有している場合は、それぞれで「所有している」と回答していることになる。

↑ 従来型携帯電話利用状況(2015年、回答者自身)
↑ 従来型携帯電話利用状況(2015年、回答者自身)

↑ 従来型携帯電話利用状況(2015年、回答者自身、「無い」)
↑ 従来型携帯電話利用状況(2015年、回答者自身、「無い」)

全体で利用率は36.8%。10代でも1割を超えているが、これは防犯用・保護者との連絡専用電話として子供向け携帯電話を与えられている事例があるため。以後、歳と共に漸増していくが、50代で急上昇し、60代では実に7割近くの利用率を見せる。また専業主婦・主婦や無職で高い値が出ているのは、この属性に属する人か多分に歳を召していることを予想させる。

年収別、居住地域別の差はあまり無し。強いて言えば低年収ほど所有率が高い。これも高齢層の割合の高さ、そして通信料の負担を考慮し、スマートフォンを所有できない人がいるからだろう。

他方非保有者の動向だが、多分に「要らない」とする意見で占められている。現在従来型を有していない人は、その多分がスマートフォンを所有しており、わざわざ再度従来型に戻る意向を持つ人はあまりいないことになる。一時期は【従来型携帯の料金プランを使える新型Android搭載の従来型携帯がドコモから登場】などでも伝えている、いわゆる「ガラホ」が従来型携帯電話の底上げをするとも思われたが、昨今ではむしろ格安スマホが伸長しており、さらにスマートフォンの利用率拡大は(特にコスト面で気にしていた属性で)進み、それと共に従来型携帯電話への需要は縮退していきそうだ。



スマートフォンのシニア層への普及に関して多様な意見や推測が成されているが、今回の調査結果動向を見るに、60代に限ると現在持っていない人で今後欲しい人は全体比で1/4、過半数は必要ない(≒現在の従来型携帯電話で満足)との状況が見受けられる。

↑ 現在スマートフォン非利用者における、今後の所有希望状況(2015年、回答者自身)
↑ 現在スマートフォン非利用者における、今後の所有希望状況(2015年、回答者自身)

3割程度でしかないのか、3割程度も可能性があるのかと見るのかはケースバイケースだが、若年層のように「持っていない人の多数がスマートフォンを欲しいと思っている」わけではないことを、改めて認識すべきだろう。


■関連記事:
【従来型携帯電話とスマートフォンのネット利用状態をグラフ化してみる(世代&男女別編)(2015年)(最新)】
【携帯電話の普及率現状をグラフ化してみる(2016年)(最新)】
【スマホとタブレット型端末が増加中…高齢者のネットアクセス機器動向(2015年)(最新)】

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