キュレーションサービスの利用状況をグラフ化してみる(最新)
2020/10/18 05:30


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調査要項などは今調査に関する先行記事【主要メディアの利用時間をグラフ化してみる】を参考のこと。
次に示すのは冒頭でも解説した、いわゆるキュレーションサービスの利用状況。今調査の調査用質問用紙では「スマートニュース、グノシー、NewsPicksなどのニュースアプリ」とあり、具体的にスマートニュースとグノシー、NewsPicksの名前が挙げられている。しかしながらその内情、性質、機能からは一次ニュースを公開しているとの錯誤が生じやすい「ニュースアプリ」の表記よりも、「キュレーションサービス」の方がより適切であるため、また報告書でも「キュレーションサービス」と表記されていることから、今記事ではそちらを用いる。

↑ ニュースを読んでいる媒体(複数回答、キュレーションサービス)(2019年)
全体では16.9%、男女別では男性の方が割合は高い。単純な年齢階層別では30代がもっとも多く19.8%、60代でも16.9%は利用している。
就業形態別ではフルタイムの利用が多いのが目に留まる。もっとも無職の方が21.4%と多いのも要注目。世帯年収別では低年収層の利用率は低め。利用可能な端末(多分にスマートフォン)の利用傾向が影響している部分もあるのだろう。都市規模別では居住している都市規模が大きい方が利用率は高い。
今件について、複数のテキスト系ニュースメディア(紙媒体の新聞やニュースサイトなど。映像媒体であるテレビニュースや音声媒体のラジオニュースは含まず)の中でもっともキュレーションサービスを利用していると回答した人の割合で見たのが次のグラフ。要はニュースサイトや新聞よりも、キュレーションサービスをニュース取得ツールとして活用している人の割合。

↑ もっともニュースを読んでいる媒体(択一回答、キュレーションサービス)(2019年)
全体では5.1%。おおよそ20人に1人。年齢階層別では20-30代が7%台で多い。就業形態別ではフルタイムと学生・生徒が多く、アルバイトが続く。短時間でニュースを効率よく取得できる点を活用しているのだろうか。世帯年収別では1000万円以上でもっとも高く6.8%、それ以降は特に傾向だった動きはない。都市規模別では一部イレギュラーが生じているが、おおよそ居住している都市規模が大きい方が値は高い。
最近では各コンテンツの美味しいところ取りで情報作成源側には恩恵がほとんど得られない(つまみ食いで満腹感を覚え商品を買ってもらえないようなもの)、キュレーションの大本の語源となるキュレーター(学芸員)のような正確さに欠けている、サービス上のキュレーターが専門家ではなく単なる有名人であることが多いため、テレビの芸能人がコメンテイターとして登場するバラエティ番組と何ら変わりがない、集約された情報が雑多でノイズが多いとの意見も少なくない。キュレーションサービスは言い換えればニュースにおける検索エンジン的な役割、図書館における司書のような存在を求めているとも表現できるが、その検索エンジン同様情報の雑多さや運営側の思惑により、精度の劣化が起きている感もある。
今後同サービスがどのような進化を経ていくのか、注目したいところだ。
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