キュレーションサービスの利用状況をグラフ化してみる(2016年)(最新)

2016/09/15 12:12

機動性に長けて自在に持ち運びができ、電波が届く場所ならいつでもインターネットにアクセスが可能、処理能力は従来型携帯電話と比べて桁違い…情報を処理することが求められる日常生活において、スマートフォンの登場は人々のライフスタイルを一変させてしまった。そのスマートフォンの普及浸透と共に注目されている新サービスが「キュレーションサービス」。ニュースサイトを中心に、利用者の需要に合わせて自動的にコンテンツを集約して再構築し、あるいはダイジェスト版を生成し、独自のウェブ総合誌を生成して提供するもので、情報を効率よく入手したい人に対するコンシェルジュのような存在。今回は総務省が2016年8月31日に情報通信政策研究所の調査結果として公式サイトで発表した「平成26年 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」の公開値を基に、そのキュレーションサービスの利用状況を確認していく(【発表リリース掲載ページ:研究成果-調査研究報告書】)。

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調査要項などは今調査に関する先行記事【主要メディアの利用時間をグラフ化してみる】を参考のこと。

次に示すのは冒頭でも解説した、いわゆるキュレーションサービスの利用状況。今調査の調査用質問用紙では「スマートニュース、グノシー、 NewsPicks などのニュースアプリ」とあり、具体的にスマートニュースとグノシー、NewsPicksの名前が挙げられている。しかしながらその内情、性質、機能からは一次ニュースを公開しているとの錯誤が生じやすい「ニュースアプリ」の表記よりも、「キュレーションサービス」の方がより適切であるため、また報告書でも「キュレーションサービス」との表記がなされていることから、今記事ではそちらを用いる。

↑ ニュースを読んでいる媒体(2015年、複数回答、キュレーションサービス)
↑ ニュースを読んでいる媒体(2015年、複数回答、キュレーションサービス)

全体では8.1%、男女別では男性の方が多く、大よそ1.4倍の値を示している。単純な世代別では20代がもっとも多く1/7程度、30代が約1割に下がり、40代以降はさらに歳と共に減少していく。

就業形態別では若年層の利用が多いことから当然学生・生徒の利用率が高く1割、次いで意外にも(!?)フルタイムの就業者の利用者が多い。年収別では大きな差異はないものの、最低年収層の利用率がいくぶん低く、最高年収層がやや高め。利用可能な端末(多分にスマートフォン)の利用性向が影響している部分もあるのだろう。そして居住都市規模別では大よそ都心部ほど利用率が高く、地方ほど利用率が低くなる。

今件について、複数のテキスト系ニュースメディア(紙媒体の新聞やニュースサイトなど。映像媒体であるテレビニュースや音声媒体のラジオニュースは含まず)の中でもっともキュレーションサービスを利用していると回答した人の割合で見たのが次のグラフ。要はニュースサイトや新聞よりも、キュレーションサービスをニュース取得ツールとして活用している人の割合。

↑ もっともニュースを読んでいる媒体(2015年、複数回答、キュレーションサービス)
↑ もっともニュースを読んでいる媒体(2015年、複数回答、キュレーションサービス)

全体では3.3%。大よそ33人に1人。世代別では10代から20代が5%強で多く、30代以降は下がる。就業形態別では就業中の人が多く、学生・生徒や専業主婦・夫が続く。年収別では最高年収階層でもっとも高く5%超、次いでやや低年収層で高めの値が出る。そして都市規模では単純な利用率同様、大都市圏の方が高い値が計上されている。



報告書ではキュレーションサービスなどのニュースサービスについて「平成26年調査から、アンケートの設問に「ソーシャルメディアを運営する企業が提供するニュース配信サービス(LINE NEWS 等)」及び「キュレーションサービス(SmartNews,グノシー等)」の選択肢を加え、「ポータルサイトによるニュース配信」の例示にGoogleニュースを加えたことも、テキスト系ニュースサービスを「いずれの方法でも読んでいない」若年層が減少傾向を示した要因として考えられるが、特にソーシャルメディアによるニュース配信の10代の利用率が前回調査の 9.3%から 24.5%に大幅に増加するなど、若年層のテキスト系ニュースを読む手段が多様化し、かつその利用が広まりつつある可能性が認められる」と説明し、ニュース取得のための選択肢の拡大とアプローチしやすい手法の提供が、若年層を中心に受け入れられたのではないかとする推測を掲げている。つまみ食い文化とも表現されているように、スマートフォンの限定された面積の画面を用い、短時間で出来るだけ多くの情報を、ざっと見したい需要に、シンプルにまとめられたソーシャルメディアのニュースや、さらにそれを取捨選択するキュレーションサービスは大いに応えた形となる。

他方最近では各コンテンツの美味しい所取りで情報作成元では恩恵がほとんど得られない(つまみ食いで満腹感を覚え商品を買ってもらえないようなもの)、キュレーションの大本の語源となるキュレーター(学芸員)のような正確さに欠け、集約された情報が雑多でノイズが多いとの意見も少なくない。キュレーションサービスは言い換えればニュースにおける検索エンジン的な役割を求めているとも表現できるが、その検索エンジン同様情報の雑多さや運営側の思惑により、精度の劣化が起きている感もある。

今後同サービスがどのような進化を経ていくのか、注目したいところだ。

なおキュレーションサービスにおける利用率の前年比は次の通り。

↑ ニュースを読んでいる媒体(2015年、前年比、ppt、複数回答、キュレーションサービス
↑ ニュースを読んでいる媒体(2015年、前年比、ppt、複数回答、キュレーションサービス

大よそ増加を示しているが、特に20代から40代の成人若年層、専業主婦・夫、そして町村部での利用率が大きく伸びている。広い属性に広まりを見せ始めている動きだろうか。


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