テレビは5時間、新聞は30分かけて熟読…シニアのメディアライフを探る(2014年)(総務省)

2014/04/21 14:00

昨今では社会構造の高齢化に伴い、シニア層の数が増え、その世代の社会生活上の習慣に注目が集まりつつある。それらシニア層においては、テレビなどがよく好まれることで知られている。これは歳を経るにつれてインターネットのような双方向性メディアよりも、テレビや新聞のような一方向性メディアを多用するからであり、その理由としては自らの情報発信への気力が減退し、流されることを好むからに他ならない。そこで今回は、総務省が2014年4月15日に情報通信政策研究所の調査結果として発表した「平成25年 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」から、調査対象としてはもっとも高齢世代にあたる60代にスポットライトをあて、その世代の主要メディアの利用状況を確認していくことにする(【発表リリース:「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」(速報)の公表】)。

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調査要項などは今調査に関する先行記事【「LINEの次にGoogle+が高利用率」総務省の調査結果を検証する】にて解説済み。次に示すのは60代に限定した主要メディア、具体的には生放送のテレビ、録画して再生視聴したテレビ、インターネット、新聞、ラジオの行為者率。1日単位で該当メディアを利用したか否かを示している。例えばテレビ(生)の平日における値は92.5%なので、60代の92.5%は平日においてテレビの生放送を10分以上連続して視聴したことになる(回答用紙では10分以上連続した行為について記録する様式となっている)。

↑ 主要メディアの行為者率(2013年、60代)
↑ 主要メディアの行為者率(2013年、60代)

平日と休日では大きな差が出ていない。つまりメディア周りに関しては平日も休日も同じように接していることになる。これは同世代の多くが定年退職を迎え、就業や修学をしておらず、自宅にいる機会が多いことを意味する。

多くの人はテレビを視聴し、録画の視聴も2割近くに達している(録画は世代別差異があまりなく、全世代でこの程度の比率)。インターネットの利用率はパソコン・携帯電話合わせても1/3程度に留まり、残りの2/3近くはインターネットを常用していないことになる。一方で新聞の購読率は約6割。時間の取れる休日は、より多くの人が目を通す。

利用時間そのものを見ると、シニア層のメディアライフがより一層透けて見えてくる。

↑ 主要メディアの平均利用時間(2013年、60代、分)
↑ 主要メディアの平均利用時間(2013年、60代、分)

平日よりも休日の方がテレビ視聴時間は長いが、それでも平日に限っても4時間強はテレビを観ている。「ながら視聴」が多分にあるのでは、という推測もできるが、併行利用されうるネットや新聞の利用時間を考慮しても、テレビの時間が長いことに変わりはない。休日に至ると5時間はテレビを観ている計算になる。録画も合わせれば5時間半。

インターネットは1日30分強。休日の方が短めとなるのは、テレビに注力する時間が増えるのか、あるいはまだ就業中の人が会社での利用機会が無くなるからかもしれない。新聞は4分ほどだが逆に休日の方が長くなる。朝食時、あるいは朝食後のくつろぎタイムで余裕が持てるからだろう。

興味深いのはラジオの時間。趣味娯楽で聴取するのなら休日の方が長くなりそうなものだが、逆に休日の方が短い。行為者率も減少しているところを見ると、ラジオが単独で聴取されているのではなく、家事など他の非メディア接触行動と共に「ながら聴取」の状態で利用されており、休日はその機会そのものが少なくなる結果だと考えられる。



「高齢者層はテレビに釘付け」という表現はややオーバーな感はあるものの、ながら視聴の時間が短く、注力視聴時間が長いことを合わせて考えても、テレビを大いに楽しんでいること自体は間違いが無い。内容に没頭し、浸透し、盲信してしまうのも無理はない。詳しくは詳細値発表の夏以降の話となるが、メディアの利用目的を尋ねた項目でも、高齢者ほど「いち早く世の中の出来事や動きを知る」「趣味・娯楽に関する情報を得る」の点でテレビを大いに用いるようになる。

シニア層の人数が(絶対人数、全人口に対するシェアの観点で)増えることは、テレビに釘付けな人が増えることをも意味する。人の数そのものだけでなく、形成世論という観点でも、色々と変化が生じそうだ。


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