来客数堅調、コーヒーも売れる、しかし消費税率引上げ前の駆け込み需要の反動が大きく響く…2015年3月度のコンビニ売上高は既存店が2.8%のマイナス、12か月連続

2015/04/21 07:00

日本フランチャイズチェーン協会は2015年4月20日に、コンビニエンスストアの同年3月度分統計調査月報を、同協会公式サイト上で公開した。その内容によると協会加盟コンビニの同月度の売上高は前年同月比でマイナス2.8%となり、12か月連続してのマイナスを示すこととなった。淹れたてコーヒーなどのカウンター商材、惣菜などが好調なセールスを示したが、消費税率引上げ前のたばこなどの駆け込み需要が生じた月との比較になるため、その反動を受けた形となった。来店客数は先月に続き既存店でもプラスを示している(【日本フランチャイズチェーン協会公式ページ】)。

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今調査の概要、調査対象企業などの詳細、分析記事のバックナンバーは、過去の記事をまとめたページ【コンビニエンスストア(日本フランチャイズチェーン協会発表)】上で解説済み。詳しくはそちらを参照のこと。

主要項目における前年同月比は次の通りとなる。

●店舗売上高:既存店は12か月連続のマイナス、全店は25か月連続のプラス
全店ベース……+1.4%
既存店ベース…−2.8%

●店舗数(前年同月比)
+4.9%

●来店客数:既存店は2か月連続のプラス、全店は48か月連続のプラス
全店ベース……+4.8%
既存店ベース…+0.2%

●平均客単価:既存店は2か月連続のマイナス、全店も2か月連続のマイナス
全店ベース……−3.3%(613.5円)
既存店ベース…−3.0%(604.7円)

●商品構成別売上前年同月比(既存店ベース)
日配食品……+2.4%
加工食品……−0.3%
非食品………−12.4%
サービス……+14.6%
合計…………−2.8%

※既存店……1年以上営業中の店舗を指す(店舗増加による底上げでの数字上の誤差を防げる)

3月は降水量こそ多かったものの、平均気温が高めで活動しやすかったこともあり、来客数が底上げされる形となった。また淹れたてコーヒーをはじめとするカウンター商材、各種揚げ物をはじめとする惣菜などが好調な売れ行きを示したものの、比較対象となる前年同月の2014年3月は同年4月からの消費税率引き上げに伴うたばこに係わる駆け込み特需が発生しており、それとの比較となるため、大きな減退を示す形となった。実際リリースでも「既存店売上高は前年を下回っているものの、たばこの売上高減少分を勘案すると前年よりプラスとなる」との補足もなされている(とはいえ現時点でもたばこの売上はコンビニの2割前後を占めている)。なお今回は雑誌に関する言及はなされていない。

商品構成別の売上高の動向を確認すると、淹れたてコーヒーの堅調ぶりで全体をけん引する日配食品はプラス2.4%、加工食品・非食品はそれぞれマイナス0.3%・マイナス12.4%となった。客数がプラス0.2%なことを合わせ見ると、日配食品は良好、加工食品はやや軟調、非食品は実質面でも大きく売り上げを落としているのが分かる(客足の増加に伴う底上げがあるため)。特にマイナス幅が大きい非食品にはたばこが含まれていることからも、駆け込み需要特需の反動がいかに大きいかが分かる。

昨年夏まではガソリン代の高騰が来店機運の足を引っ張り、集客の観点でマイナスに働いているのではとの懸念があった。昨今では原油価格の下落に伴いガソリン代も値を下げており、その観点における心配は薄れつつある。しかしここ数年来懸念されていたたばこや雑誌の売上の減退、集客力の縮小を押しとどめること、影響力を打ち消すまでには至らない。

セブンカフェ&ドーナツコンビニにおいては、かつて集客と客単価の主軸であった雑誌とたばこ。これらは時代の流れの中で、その勢いを確実に減じている。双方とも業界全体、商品そのものの特性や周辺環境の変化に伴う勢力の変化であり、今後復権の可能性も低い。それぞれ単独の動向を知りたいところだが、日本フランチャイズチェーン協会の月次レポートではそれを推し量ることはできない。ただし年次ベースなら、たばこは大手コンビニが発表しているアニュアルレポート、雑誌ならば「出版物販売額の実態」を通して概況を推し量ることはできる(【コンビニの出版物販売額をグラフ化してみる】)。恐らく2014年分も昨年分、あるいはそれ以上に売り上げを落としているに違いない。

代替軸となる各種サービス(情報端末やカウンター経由)の提供や、カウンターで提供される淹れたてコーヒーをはじめとする新鮮味あふれる日配食品(昨今のセブン-イレブンやファミリーマート、ローソンにおけるドーナツも然り)は順調に成長を続けているが、今なお模索が続けられていることからも分かる通り、不安定要素は大きい。

イレギュラー的要素によって生じた軟調な環境の中でも、堅調な売り上げを維持できる軸の模索も多方面で進められている。関連他業界を巻き込む形で、今後も多様な動きが見られそうだ。

なお来月は2014年4月との比較となる。同月は消費税率改定直後でたばこの売上が駆け込み需要の反動で大きく落ち込んでいる。それとの比較となるため、少なくとも非食品部門は大きくプラスとなるはず。それに伴い既存店ベースでの店舗売上高もプラスになる可能性は十分にある。見方を変えれば、その点を考慮してもなお非食品部門が前年同月比でマイナスを示した場合、たばこの売上減少度合いが著しいことが判明する。その観点だけでも、来月発表分には大いに注目したい。


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