消費税率引上げ直前の駆け込み需要の反動…2015年3月度チェーンストア売上高、前年同月比マイナス8.6%

2015/04/22 10:00

新年度に突入し、早くもゴールデンウィークのスケジュール調整に忙しい人も多いであろう昨今。行楽関連の商品販売動向も大いに気になるチェーンストア(スーパーマーケットやデパートなど)だが、その業界団体である【日本チェーンストア協会】は2015年4月21日付で同協会公式サイトにおいて、チェーンストアの2015年3月度分販売統計速報(月報)を発表した。その内容によると2015年3月は食料品の畜産品部門が健闘したものの、それ以外は大よそ前年同月に発生した特需の反動を受ける形となり、多くの詳細項目で前年同月比をマイナスとして計上した。結果として売上総額の前年同月比は12か月連続のマイナスとなるマイナス8.6%(店舗調整後)を示す形となった(【同協会内発表リリース一覧ページ】)。

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今データは協会加入の60社・9390店舗に対して行われた調査結果によるもの。店舗数は先月比で14店舗増、前年同月比で239店舗増増加している。増加傾向に違いはないものの、勢いは鎮静化しているように見える。売り場面積は前年同月比101.1%となり、1.1%ポイントの増加。ただし売り場面積あたりの売上額は前年同月比でマイナス8.3%と落ち込みを示しており、効率は悪化している(もっとも今回月に限れば冒頭の説明の通り、特需の反動によるところが大きい)。

各主要分野別では前年同月比でそれぞれ次のような値となった。数字はすべて店舗調整後(いわゆる「既存店」)。店舗の増減が売上に反映され、各店舗の実態を確認する際に状況が困難にならないよう、昨年同月の時点では存在していない店舗の分を除いた値で算出されている。

■総販売額……1兆0978億5331万円(前年同月比91.4%、▲8.6%)

・食料品部門……構成比:64.0%(前年同月比97.1%、▲2.9%)

・衣料品部門……構成比:9.7%(前年同月比86.7%、▲13.3%)

・住関品部門……構成比:20.0%(前年同月比80.8%、▲19.2%)

・サービス部門…構成比:0.3%(前年同月比89.2%、▲10.8%)

・その他…………構成比:6.0%(前年同月比83.3%、▲16.7%)

※販売金額には消費税額は含まず

食料品は畜産品や
農産品などが堅調だが
その他食品が軟調。
衣料品や住関品は
押し並べて軟調。
ただし消費税率改定前の
特需との比較のため、
「大幅悪化」と
見るのは早計。
食料品は惣菜が全般的に堅調、農産物は葉物や根菜類が不調だがそれ以外は堅調、果物はイチゴやかんきつ類が不調なもののそれ以外は好調。畜産品は鶏卵や加工肉は不調なものの牛豚鶏肉はすべて好調。水産品ではたこやエビなど一部で不調さが見られたものの、それ以外は大よそ好調。ただしその他食品でベーカリーなどは好調だったものの、長期保存が可能な米や調味料、冷凍食品、飲料などが(消費税率引上げ直前の駆け込み需要による特需的堅調さとの比較から)大きな軟調さを示し、これが食料品全体の足を引っ張る形となった。実際食料品では農産品・畜産品・水産品・惣菜すべてが前年同月比でプラスを示したものの、その他食品のみがマイナス8.1%の値を計上している。

衣料品では紳士・婦人衣料共に高安まちまち、その他衣料品も傾向だったものはナシ。大よそ比較対象となる前年同月の特需との比較で10%以上のマイナスを計上している。住関品では食料品の長期保存商品同様に、消費税率引き上げ前の駆け込み需要の反動と思われる、長期保存が利く消耗品、耐久消費財の軟調さが目立つ。とりわけ家電商品はほぼ全滅状態。項目明記対象として「テレビ・レコーダー」が挙げられており、薄型テレビの出荷数動向に連動した動きが確認できる。

今回月では天候要素や日取り要素などの影響は特に考察要素とはならず、冒頭などで言及の通り、2014年4月から実施された消費税率引き上げに伴う駆け込み需要で生じた特需との比較であることから、反動的な下げが生じることとなった。先月「2015年3月分は、さらにマイナスがキツイものとなるだろう」と言及したが、その通りとなった次第。

仮にこの反動を考慮しなくても済む2年前同月比を試算すると、全体ではマイナス0.0084%。実質的にほぼ動きはナシとなる。景況感の回復ぶりを合わせると(売上動向には消費税は勘案されていないので、額面の底上げ・実質と名目の差異は無視できる)、いくぶんのマイナス感はあるが、それでも今回計上された「前年同月比でマイナス8.6%」との結果と比べれば、より実態に近い印象を持つ値と言える。

次回計測月は消費税率引き上げ直後で消費が落ち込んだ月(2014年4月はマイナス5.4%)との比較となる。プラスは容易に達することができるが、チェーンストアの実情を推し量るには、今回のように2年前同月比も合わせて確認する必要があるだろう。


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