2014年度Q3の純増数トップはドコモに(2014年12月末携帯電話契約数)

2015/02/10 16:00

かつて電気通信事業者協会(TCA)が毎月月初に公開してきた、日本国内における携帯電話やPHSの契約数動向だが、【TCAの携帯電話事業者別契約数の動向、四半期ペースに変更へ】での解説にもある通り2014年4月分以降は四半期単位での更新、しかも各企業が四半期決算短信の発表の際に公知する値の取りまとめによるスタイルとなった。また確認した限りでは一部公開内容が省略されている、あるいは精度が荒くなった値もある。そこで2014年6月末時点分からは「上書きタイプ」の記事に変更し、やや簡略化した内容での状況解説を行うことにしている。今回はその四半期単位での状況報告・精査の3回目にあたるが、2014年12月末時点の携帯電話の契約数は主要3社合計で1億4505万3000件(概算、以下同)となり、前四半期比で1.5%のプラスを示した。純増数ではNTTドコモが97万9100件の増加で、主要3グループ中トップの座を確保することとなった。auは78万1900件で第2位、SBM(ソフトバンクモバイル)は35万4400件の増加で第3位のポジションについている(【発表リリース:事業者別契約数一覧(TCA)】)。

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大きく変化するパワーバランス


2014年12月末時点の主なデータは次の通り。なお冒頭で説明の通り、現時点では各社の(四半期)決算短信に掲載された値をそのまま用いているが、それらは1000件単位での公開値となっている。後程TCAや総務省から開示される値は100件単位までの精度となるため、直近値以外はそれらの高精度の値に差し替えた上で計算を行っている。よって前四半期との比較値ではいくぶんの誤差が生じ得ることになる(大勢に影響はない)。

・携帯電話3社全体……1億4505万3000件
・事業者別
 NTTドコモ……6527万4000件(+97万9100)
 au(KDDIなど)……4237万8000件(+78万1900)
 ソフトバンクモバイル……3740万1000件(+35万4400)
 ワイモバイル(イー・アクセス)……(非開示)

↑ 携帯電話契約件数(万台)(-2014年12月)(2014年4月以降は3か月単位の情報公開)<br>
↑ 携帯電話契約件数(万台)(-2014年12月)(2014年4月以降は3か月単位の情報公開)

↑ 携帯電話契約件数(増減)(-2014年12月)(2014年4月以降は3か月毎・3か月分の情報公開
↑ 携帯電話契約件数(増減)(-2014年12月)(2014年4月以降は3か月毎・3か月分の情報公開

2013年は9月20日に発売を開始したiPhone 5c/sにおけるNTTドコモのiPhone販売参入が大きなニュースとなったが、2014年では冒頭で解説の通り、各社の契約者数における月次動向発表取りやめが一つ目の大きな動きといえる。説明によれば契約者数の動向自身にこれまでのような価値はあまり見られなくなったことや、それにも関わらず過度の競争を煽りかねないことを理由に挙げているが、NTTドコモのiPhone参入から間もなく方針変換が成されたことから、業界全体の内情を色々と推測する筋もある。

四半期単位の発表シフトに伴い、MNP(ナンバーポータビリティ)の関連値も完全に非公開化され(一部企業は大よその傾向について公知しているが)、流れの把握が不可能となっている。この動きは今四半期でも変わらず、MNPの流れは確認できない。月次公開が成されていた時の各社のはしゃぎ様は何だったのかと、首をかしげる人も少なくあるまい。

各社動向を公開が四半期単位に変更後も同一グラフ内で示しているため、ややアンバランスな体裁ではあるが、2014年10月から12月においては、同年9月19日からアップル社の新機種iPhone6と同plusが発売されたこともあり、大きな盛り上がりを見せている。特にドコモの契約数の増加が著しい。

単純な比較はややリスクがあるが、前年の同四半期3か月分の増減を月単位の増減数から試算し、契約数の増減に関する前年同四半期比を算出すると、NTTドコモはプラス56万9500件、auはプラス21万0200件、SBMはマイナス33万7600件となる。SBMが後退した分をNTTドコモとauが確保し、さらに新規参入分をも獲得した形となっている。

↑ 携帯電話契約件数(増減、概算)(2014年10月-12月期、前年同期比、件数)
↑ 携帯電話契約件数(増減、概算)(2014年10月-12月期、前年同期比、件数)

無論3社とも上記の通り、前四半期と比べ契約数そのものは増加しているが、増加の勢いは明らかに変化が生じていることになる。

三社間のシェア現状


上記にある通りMNPについては完全に非公開化されたこともあり、動向が確認できなくなっている。この非公開化といった方針転換の観点でも、携帯事業者各社が契約者数動向に対するウェイトを大きく減じる認識を抱くようになったことが分かる。

一方契約数そのものは公開が継続されており、それを基に3社間のシェアに関する現状を算出したのが次のグラフとなる。

↑ 2014年12月時点での3社間契約者数比率
↑ 2014年12月時点での3社間契約者数比率

NTTドコモが最大数を維持しているのは以前から変わりないが、過半数はすでに割っており、SBMとauが合わさればNTTドコモを超える値を示す状況に至っている。四半期前の状況と比較すると、NTTドコモがプラスマイナスゼロ、auがプラス0.1%ポイント、SBMがマイナス0.1%ポイントとなっている。直近四半期の契約者数増減に関する動向を見る限り、iPhoneの取り扱い開始でNTTドコモも以前ほど他2社に後れをとるような状況では無くなっているものの、情勢を大きく覆すような事態にまでは至っていないのが実情である。



契約者数動向が四半期単位への公開へと変更されたことで、新機種動向との連動推移観測も難しくなり、単純に数字を追いかけるだけとなったこと、加えて公開・取得可能な指標も減少したことから、記事の記述様式も簡略化せざるを得なくなった。

他方過去の契約数動向に係わる各社のつばぜり合いと似たような過熱競争が現在スマートフォンによるインターネットへの「つながりやすさ」に関して生じており、個々の企業が独自の指針でアピールしている。このことから、契約数動向の開示簡略化に係わる消費者に対する「過度の競争」への配慮との話は、実のところ二の次では無かったのかとの指摘もある。他方、この「つながりやすさ」に関しては2015年2月9日付で時事通信発のニュースとして、総務省が5月にも指針を出して広告競争を是正するとの報が伝えられている。

各社とも品質の向上化や料金体系の魅力底上げ、さらには多様なスマートフォンの利用形態の提案など、多方面でのアピールを行い、自社への集客を推し進めている。一方、選択肢の増加に伴い、初心者が色々と頭を痛める状況は増え、必要のない機能や契約を付随させられてしまう事案も増えている。今後従来型携帯電話からスマートフォンへのシフトが進む、特に中堅層以降に広まるに連れ、問題はさらに増加するだろう。

今件の「携帯電話契約件数」も「重要な各社の勢力動向を示す指数」から「各社の勢力動向を示す指数の一つ」程度にまでウェイトが下がった感は否めない。しかし値が公開され続ける限り、継続してその流れを追いかけることにしよう。


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