ツイッターの売上推移などをグラフ化してみる(2015年)

2015/03/17 11:00

2013年にアメリカ市場で上場を果たし、日本でも多くの人がインフラ的に活用している、チャット的なミニブログことツイッター(Twitter)。今回はそのツイッターを運営するツイッター社の売上推移などについて、【アマゾンドットコムの売上推移などをグラフ化してみる】にて用いた取得方法を流用し、ツイッター社の上場時の登録届出書「S-1」や上場後の決算書類(年次報告書)「10-K」を取得し、そのデータを基に売上などの財務動向をグラフ化し、状況の確認をしていくことにする。

スポンサードリンク


赤字は続くが規模は拡大の方向に


データの取得方法は先の記事【ツイッターのアクセス動向をグラフ化してみる】で言及した通り。ツイッターのサービス自身は2006年7月から開始されているが、「S-1」「10-K」で取得できるのは2010年以降のみで、年次は2014年分まで。四半期動向は現時点で2014年第3四半期(Q3、7月から9月分)まで取得できるが、年次データの方に第4四半期の内容も合わせて掲載されている。もう少し過去にさかのぼったデータも欲しいところだが、現時点ではこれが限界である。なお日本の企業と比較する場合は、それぞれの年の為替レートを考慮した方が良い場合もあるが、今回はツイッター社自身の動きを確認するので、その作業は不要。

↑ ツイッター社の売上と営業利益率(2010年以降)
↑ ツイッター社の売上と営業利益率(2010年以降)

営業利益率」とは「売上高営業利益率」のこと。売上と営業利益の関係を示しており、「総売上で営業損益を割る」ことで算出される。この値は「本業の稼ぎにおける効率の良さ・悪さ」を示しており、高いほど本業が効率よく稼げていることを意味する。もちろんマイナスならば本業は赤字。

グラフの動向からも分かるように、売上高は累乗的に増加する一方、営業利益率はマイナス圏のまま。つまりツイッター社は本業の上では赤字を計上し続けている。「10-K」上の記述によると、累積赤字(Accumulated deficit)は2014年12月末時点で15億7244万6000ドル(約1906億円、1ドル121.23円で換算)に登っている。無論グラフの動きを見れば分かる通り、収益状況はともあれ売上は上昇し続けており、上場で得た資金を用いて各種投資をした上で、さらなる規模の拡大と収益改善を図る目論見のようだ。

各種営業指標をグラフ化


続いてアマゾンの事例同様に、「総売上」「売上原価」「営業費用」「営業損益」「純損益」の推移もグラフ化する。5年分しかないが、それなりに同社の動向が把握できる。

↑ ツイッター社の「総売上」「売上原価」「営業費用」「営業損益」「純損益」(単位・億ドル)
↑ ツイッター社の「総売上」「売上原価」「営業費用」「営業損益」「純損益」(単位・億ドル)

「総売上」と「売上原価」の差、つまり「粗利」はそれなりに大きなものになりつつあるが、「営業費用」がかさんでいることもあり、「営業損益」、そして「純損益」がマイナスに落ち込んでしまっているのが分かる(「営業損益」「純損益」にはあまり差異が無いため、グラフ上で被ってしまっている)。「総売上」の上昇率は向上しているものの、少なくとも「営業費用」を超えないと、本業部分での利益確保すらおぼつかない。

なお「営業費用」は「売上原価」に各種販管費を足したものである。つまり上記のグラフなら、青線が緑線を上回らない限り、本業の部分で黒字化は果たせないことになる。

ちなみにツイッター社では現時点で売上を「広告費」と「データライセンス代」の2つから計上している。「ツイッターのアクセス動向をグラフ化してみる」でも触れている通り、利用者の増加、中でもモバイル経由の利用者の急増に伴い広告売上も増加し、2014年時点では総売り上げのほぼ9割が広告費で占められている。

↑ ツイッター社の売上詳細(万ドル)
↑ ツイッター社の売上詳細(万ドル)

↑ ツイッター社の売上詳細(項目比率)
↑ ツイッター社の売上詳細(項目比率)

今後はスマートフォンやタブレット型端末などのモバイル系を中心に、ツイッターのデータをマーケティングなどに活用する企業などが増えてくることから、データライセンス代の売上は堅調な伸びを示していく。そしてそれ以上に利用者、特にモバイル経由の利用者が増加し、既存利用者の利用密度が高まることから、広告売上も増していくのは間違いない。実際、直近の2014年の決算書類では第4四半期に関して「該当四半期の広告収入の85%以上はモバイル端末の売上によるもの。今やモバイルはツイッター社にとって主要な媒体である」と言及している。

今やツイッターがこれまで以上に広告依存型のビジネスモデルで成り立っていること、売上が上昇の一途をたどっていることに違いは無く、成長が続いているのが分かる。昨今ではアクセス数などの指標が足踏み、あるいは減退を示す場面もあるが、広告収益率の改善に伴い再評価を受け、株価は上昇に転じている。

↑ ツイッター社の売上詳細(万ドル)(2014年分、四半期単位)
↑ ツイッター社の売上詳細(万ドル)(2014年分、四半期単位)

↑ ツイッター社の売上詳細(項目比率)(2014年分、四半期単位)
↑ ツイッター社の売上詳細(項目比率)(2014年分、四半期単位)

上昇を果たし、続々登場する新規競合サービスとの争いの中で、利用者の注力を維持しつつ、ツイッター社が今後どのような姿に変貌していくのか、あるいはスタイルを維持し進化していくか。その動向を見守りたいところだ。


■関連記事:
【ツイッターの「公式」データを書き起こしてみる】
【ツイッター、メール、それともLINE? 中高生が友達と交流する時、ネットサービスでは何を使っているのか】
【LINE、ツイッター、そしてFacebook…高校生のソーシャルメディア利用状況】

スポンサードリンク




▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2016 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー