30年余の高速自動車国道料金の推移をグラフ化してみる(2014年)

2014/05/09 11:00

日本全土を網羅する高速自動車道は、鉄道網・空路と共に日本の流通を支える大黒柱的存在の交通機関である。先の震災では東日本の随所で寸断されたものの、日本の動脈・静脈たるこれらを一刻も早く回復させるべく関係各方面が超人的な精力を傾け、魔法のようなスピードと仕上がりで復旧させたことは記憶に新しい。そしてその高速道を利用する料金も他の交通料金や商品価格同様、物価と共に上昇を続けている。今回は【50年前の商品の価格を今の価格と比較してみる】を執筆した際に用いた、総務省統計局の【小売物価統計調査 調査結果】の公開値を基に、その移り変わりを確認していくことにする。

スポンサードリンク


漸増する高速料金


今回作成する高速料金の推移を確認するグラフについて、データの取得元は上記の通り「小売物価統計調査 調査結果」。項目ナンバー7361の「高速自動車道路料金(国道)」の値を時系列的に追い、グラフを生成する。直近の年次データは2013年なので、2013年分までが取得可能。さらに月次データは2014年4月分まで確認できるので、それらを取得した上で平均値を算出し、2014年分として暫定的に採用した。日本で高速自動車道路が出来たのは1963年(名神高速道路)だが、「小売物価統計調査」上の収録データは1975年以降なので、その範囲でのグラフ化となる。

ただし、2010年に至り、監視対象項目について、これまで「東京-大井松田間」であったものが「東京-御殿場間」へと変更されている。理由は特に記されていないが、データ上の純粋な継続性が無くなることとなった。実際、グラフ上でも違和感を覚える動きをしているのが確認できる。各インターチェンジの需要の変化に伴うものだろうが、残念には違いない。

↑ 東京都の高速自動車国道料金推移(1975-2009年:東京-大井松田間)(2010-2014年:東京-御殿場間)
↑ 東京都の高速自動車国道料金推移(1975-2009年:東京-大井松田間)(2010-2014年:東京-御殿場間)

料金値上げは数年に一度の割合で比較的穏やかなもの、そして1990年後半以降は安定した動きを示していた。以前「東京-大井松田間」のみがグラフ対象だった時には「1990年後半以降は”ずっと”定額を維持しているのが分かる」と記載していたが、それも2009年に上記理由で幕を閉じてしまった。

そして監視対象が変わった2010年以降は、細かな値動きが起きている。これはいわゆる「無料化社会実験」など各種政治・社会情勢に伴うものである。また直近2014年は4月からの消費税率改定に伴い大きな引上げが実施されており、それが年平均にも表れる形となっている。

物価変動を反映させてみる


学校給食やバス・タクシー同様に、高速道の料金もまた、単純に額面の移り変わりだけでなく、当時の物価を考慮して考えた場合が良いこともある。各家計、利用企業への負担を考えた場合、単純な価格変動だけでは比較が難しいからだ。

そこで各年の料金に対し、それぞれの年の消費者物価指数を考慮した値を算出する。以前の記事【過去60年余にわたる消費者物価の推移をグラフ化してみる】で用いた消費者物価指数の各年の値を使い、直筋となる2014年の値を基準として他の年の料金を計算する。例えば1975年の料金は1777円という値が出ているが、これは「1975年当時の物価が2014年と同じ水準だった場合、東京-大井松田間の料金は1777円になる」という次第である。

↑ 東京都の高速自動車国道料金推移(1975-2009年)(東京-大井松田間)(2010-2014年:東京-御殿場間)(2014年の値を元に消費者物価指数を考慮)
↑ 東京都の高速自動車国道料金推移(1975-2009年)(東京-大井松田間)(2010-2014年:東京-御殿場間)(2014年の値を元に消費者物価指数を考慮)

実額料金の上昇時である1970年後半から1990年半ばにかけては、物価そのものも大きく上昇していることもあり、実質的な負担料金はそれほど大きな変化を見せていないことが分かる。そしてそれ以降は物価そのものの安定と共に、実質料金にも大きな変化は見られない。観察対象区間が変更された際に、大きな上昇を示しているが、これは実額料金も同じように上げているので、妙な動きでは無い。



観察対象区間の変更と相前後して行われた、高速料金に関する各種社会実験だが、現在ではETCに関する割引が行われている。それをのぞけば高速料金は、物価に連動する形でほぼ安定したものといえる。もっとも「高速道の料金が有料なのは一時的な話では無かったのか」と問われれば、それまでの話なのだが。

他方、消費税率改定に伴う料金引上げのタイミングと合わせ、平日昼間割引、通勤割引、深夜割引、早朝夜間割引などの割引制度の一部が終了している。現存する割引制度も多分にあるので、上手に使いこなして少しでも安くあげたいものだ。


■関連記事:
【自家用車での帰省、何キロの渋滞なら高速道の利用をあきらめる?】
【一般道・後部座席では35%のみ…JAF、シートベルト着用率発表(2013年)】
【居眠り運転の徴候チェックリスト】

スポンサードリンク




▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2016 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー