【暫定留保】米新聞社の本業売上推移をグラフ化してみる(SNM2013版)

2013/04/20 15:00

新聞とお金アメリカの調査機関【Pew Research Center】は2013年3月18日、デジタル・非デジタル双方におけるアメリカでのニュースメディアの動向と展望に関するレポート【State of the News Media 2013】を発表した。現状と将来展望をPew Research社の調査結果と公的情報や他調査機関のデータを合わせてまとめ上げた「米デジタルニュース白書」のようなもので、役立つデータが数多く盛り込まれている。そこで先日から【米主要メディアにおける視聴者数の動きなどをグラフ化してみる(SNM2013版)】のように、気になる要項について抽出やグラフの再構築などを逐次行い、現状を概要的にでも把握すると共に、今後の記事展開の資料構築も兼ねるようにしている。今回は過去の記事を更新する形で、複数個所で別個に掲載されていた値を元に、アメリカの新聞社における本業(新聞そのものの売上や広告売上)の推移をグラフ化する。

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今件レポートでアメリカの新聞社における「広告費」と「新聞そのものの売上」の動向は、以前別記事で伝えた通り。新聞そのものの売上は漸減しているがさほど大きな下げ幅では無く、むしろ広告費の減少が大きなカーブを描いている。

↑ 新聞売上推移(米、億ドル)(2003年以降の広告費にはオンラインも含む)(-2012年)
↑ 新聞売上推移(米、億ドル)(2003年以降の広告費にはオンラインも含む)(-2012年)

2003年以降はオンラインによる広告費も別途計上されているが、これは一次ソースが同じため、【アメリカの新聞広告の売上推移をグラフ化してみる(年ベース・2012年分まで)】で記したグラフと同じものとなる。

↑ 米新聞の広告収入推移(単位:100万ドル)(-2012年)(再録)
↑ 米新聞の広告収入推移(単位:100万ドル)(-2012年)(再録)

これらの値を合わせることで、冒頭で解説した通り「新聞そのものの本紙売上」「紙上広告費(リテール、ナショナル、クラシファイド)」「オンライン」それぞれの新聞社本業における売上が算出できる。それを積上げ型のグラフにしたのが次の図。各項目の新聞社売上における重要度が分かりやすいよう、各年売上総計に対するシェアも算出した(新聞の本紙売上は2012年のデータが非公開のため、減少を始めた年以降8年分の年間減少率を求め、それを平均化して2011年の値と合わせ、2012年に適用している)。

↑ 米新聞社本業売上推移(億ドル)(-2012年、2012年分は一部推定)
↑ 米新聞社本業売上推移(億ドル)(-2012年、2012年分は一部推定)

↑ 米新聞社本業売上推移(シェア)(-2012年、2012年分は一部推定)
↑ 米新聞社本業売上推移(シェア)(-2012年、2012年分は一部推定)

今世紀に入るまではほぼ右肩上がりだった売上総額も、21世紀初頭の不景気でやや落ち込みを見せるが、すぐに回復。しかしその上昇ぶりも2005-2006年がピークで、インターネットやモバイルの普及が加速し、金融不況が到来した2007年以降は急速に減速していく。単なる不景気によるものだけでは無く、世の中の仕組みが大きく変わる「メディア構造変化」を伴っていたこともあり、売上の落ち込み方は劇的。オンラインの上昇分も額面ではごく少数のため、全体に与える影響はわずかでしかないのが確認できる。

皮肉なことに、「部数」≒「新聞そのものの売上」の減少ぶりがゆっくりとしたペースのため、売上全体に占める本紙売上の比率が急上昇してしまっている。2007年の18%から、2012年は12%ポイントプラスの30%。金額が伴わないシェア増加であるだけに、嬉しさも中ぐらい。

2012年時点では概算すると、米新聞社の売上は「新聞本紙の売上3割」「インターネット広告1割」「新聞内広告6割」となる。2011年と比べればアメリカの景気は幾分改善を果たしているが、本紙の売上自身も広告の販売動向も、オンラインを除けば押し並べてマイナス。同業界の春はまだまだ先のようだ。

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