年収、世代を超えて漸減する米新聞購読者(SNM2014版)

2014/04/11 11:00

新聞の発行部数の減少は新聞の購読者数の減少の裏付けでもある。しかしニュースそのものの需要が減ったわけでは無く、ニュースを取得できる媒体が増えたため、選択される頻度が減った、優先順位が下げられたからに過ぎない。新聞は今なお重要、かつ最大の売上を誇るニュース媒体に違いないが、デジタル世界の到来と共にその需要が減っていることに違いはない。今回はアメリカの調査機関である【Pew Research Center】が2014年3月26日に発表した、同国のニュースメディアの動向と展望に関する報告書【State of the News Media 2014】を基に、同国の新聞購読層の推移を確認していくことにする。

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次のグラフは世代別に「昨日、日刊の新聞を読んだか」という問いに「はい」と答えた人の割合を示したもの。質問の前日に読んだか否かを尋ねているのは、言い換えれば常時購読しているか否かを尋ねていることになる。また設問には「あらゆる日刊紙」と記載されていること、欧米では概して「購読」は特記あるいは明確な別区分として仕訳されていない限り「紙媒体も電子媒体も同じ」として取り扱うことから、今件の「新聞購読」には(有料)電子版も含むものとして精査する。

↑ 昨日日刊新聞を読んだか(米、世代別)
↑ 昨日日刊新聞を読んだか(米、世代別)

若年層ほど新聞を読まず、歳を経るにつれて購読率が高まるのはどこの国も同じ。そして年々購読率が減少していくのも同じである。世代別動向を見ると、34歳以下は2区分がほぼ同率で減少しており、35-44歳層でようやくやや高い値を示すようになる。またこの4、5年に限れば35-44歳層の下がり方がやや急で、34歳以下に近づく動きを示している。

ただしどの世代も時間の経過と共に確実に減少を示していることに違いはない。電子版が含まれているとしても、ニュースの取得の場としてポータルサイトのニュースダイジェスト版の配信に加え、ソーシャルメディアが闊歩するようになり、そちらの購読で用を済ましてしまう事例が増えたことも小さからぬ要因だろう(ソーシャルメディアなどに配信するニュースを読んだ場合は、「ニュース購読」には該当しても「新聞購読」には該当しない)。

やや該当期間は狭いものとなるが、世帯年収別の動向も似たようなものである。

↑ 昨日日刊新聞を読んだか(米、年収別)
↑ 昨日日刊新聞を読んだか(米、年収別)

概して高年収ほど新聞購読率が高く、低年収ほど低い。そしてどの属性もほぼ一様に購読率は低下傾向にある。「金銭的にツラくなりつつあるので、新聞購読率が次第に下がるのでは」という発想も、高年収層でも大きな下落を示していることから、正しい解釈とは言い難い。グラフ作成は略するが、年収と概して連動性のある学歴でも、「高学歴ほど高い購読率」「年代の経過と共に全体的に減少」の傾向を示している。



日本では一部調査結果において、若年層はともかく高齢層では新聞の購読率が上昇しているとの結果も出ている。しかし高齢層がニュース取得元として使用しやすい従来型メディアのうち、特にテレビの進歩発展が著しいことから、じきに今件アメリカと同じように、新聞購読率は全世代での減少を示していくようになるものと思われる。

繰り返しになるが、新聞の購読率減退はニュースそのものの需要の低迷を意味するものでは無い。選択肢が増えたために分散が行われ、さらにより便利な媒体にシフトする人が増えているだけの話である。もっとも新聞にも長所は複数存在するため、このままゼロに近づくまで下落するのではなく、ある一定水準で下落傾向にストップがかかるのではないだろうか。


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