世界規模でもパッケージからデジタルへの流れ…世界の音楽売り上げ動向(2014年)

2014/04/06 14:00

先日まで複数の切り口から日本の音楽市場に関する動向を確認した資料となった「日本のレコード産業2014」だが、昨年同様今年分においても、日本を含めた世界全体の音楽市場に関する各種データが盛り込まれている。そこで今回はそのデータを基に、世界の音楽に関する売上動向を確認していくことにする(【発表リリース:「日本のレコード産業2014」を発行】)。

スポンサードリンク


まずは音楽売上金額そのものの推移。卸売価格ベースで、最終消費者の手元に届いた上での売上とは幾分異なるが、業界動向を知る上ではまったく問題の無い値に違いない。なお2010年以降登場している「シンクロ」だが、これは「シンクロ権、Synchronization( rights)」で、例えば映画やゲームのような、音楽作品そのもの「以外」で楽曲を使う際の権利料などを意味する。

↑ 世界音楽売上金額推移(卸売価格ベース、米億ドル)
↑ 世界音楽売上金額推移(卸売価格ベース、米億ドル)

音楽市場においてはデジタル化が「売上の面での」規模縮小につながったとする意見がある。しかし今グラフを見る限り、売り上げの減退は2000年からすでに始まっており、インターネットの普及が始まりモバイル端末の浸透が加速した時期と比べると随分と早い。「有料音楽配信」が独自項目化された2002年時点ではまだ年間3億ドルでしか無かったことも合わせで考えれば、デジタル化は後押しをした一因かもしれないが、主要因としては考えにくいことが分かる。

またその「有料音楽配信」だが、2005年以降は毎年大きく額面を積み上げ、直近2013年では59億ドルにまで達している。パッケージ額が77億ドルなのに対し、その3/4強という計算になる。このままの傾向が続けば、数年のうちに両者が逆転する可能性もある。

一方、時に盛り返しを見せることがあるものの、概して売上総額は減少傾向にある。パッケージの売上減退額が大きすぎ、有料音楽配信の増加が間に合わずに補完しきれない状態。しかも2012年から2013年にかけての増加額はこれまでとは状況を異にするような少なさに留まっている。先行記事で触れている通り、定額制へのトレンドシフトが、世界規模で起きている可能性はある。

これを各年の売上総額に対する比率の推移で見たのが次のグラフ。

↑ 世界音楽売上・金額によるシェア推移(卸売価格ベース)
↑ 世界音楽売上・金額によるシェア推移(卸売価格ベース)

「有料音楽配信」の数値化は2002年以降だが、シェアを拡大し始めたのは2005年に入ってから。この動きはiTunes Storeの収録曲・対象国の増加とほぼ連動しており、同サービスが多大な貢献をしていることが分かる。2009年には売上が1/4に達し、直近2013年にはほぼ4割に至るまでとなった。また「演奏権」「シンクロ」なども額面を少しずつ上乗せしており、「パッケージ」は売上そのものだけでなくシェアも落としている様子が一目瞭然。

「有料音楽配信」の受け先の主軸となるスマートフォンやタブレット機は、今なお普及率の上昇過程にある。そこから察するに、この10年来の金額シェアの移り変わりはさらに進行する可能性が高い。恐らくはこの2-3年のうちに「パッケージ」シェアは5割を切り、「パッケージ」と「有料音楽配信」の金額・シェアが逆転することも十分あり得よう。


■関連記事:
【静かに、確実に浸透するスマホ達…家の中と外、何を使って音楽を聴く?(2014年)(最新)】
【平均約960曲、ヘビーユーザーやや減少の動き…音楽のデジタル保存状況動向(2013年発表)】
【購入したい未来のデジタル絵本、「毎回異なるストーリーの変化」「効果音や音楽」「動かせる絵」】
【スマホ用は頭打ちか、従来型携帯用は落ち続ける…有料音楽配信販売数と売上動向(2014年)(最新)】

スポンサードリンク




▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2016 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー