携帯電話の普及率現状をグラフ化してみる(2014年)

2014/05/06 10:00

自動車搭載用の電話をベースに単純な持ち運びができる通話用電話機として始まり、ポケットに入るサイズにまで小型化すると共に、インターネットへのアクセスを可能とすることで、機動性の高い情報端末としての役割も果たすようになった携帯電話。昨今では従来型携帯電話に加え、タッチパネル方式で画面も大型化し、アプリケーションの活用によりパソコンに近い機能を有するスマートフォンの浸透普及ぶりが著しい。今回は従来型とスマートフォンそれぞれにおける携帯電話の普及状況について、内閣府が定期的に公開している調査結果【消費動向調査】を基に確認していくことにする。

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単身と一般世帯それぞれ、そして男女別の世帯携帯電話普及率


「消費動向調査」そのものの解説や「世帯」の区分、「普及率」の定義についてはまとめ記事【定期更新記事:主要耐久消費財・普及率(内閣府・消費動向調査)】で説明されている。そちらで確認のこと。また同調査に関する携帯電話関連の精査記事では、以前は【携帯電話普及率の現状(2013年)】の通り「携帯電話」全般での精査を行っていた。しかし2014年調査分から調査項目において「スマートフォン」「スマートフォン以外(=従来型携帯電話)」に細分化したものが追加されたため、今件記事では「スマートフォン」「従来型携帯電話」それぞれを見ていくことにする(全体的な「携帯電話」としての普及率の現状及びその推移は後日、他調査機関の調査結果と共に【複数データを基にした携帯電話の普及率推移】の内容を更新する予定)。

まずは全般的な世帯普及率。単身世帯はスマートフォン24.2%、従来型58.0%。一般世帯はスマートフォン54.7%、従来型73.7%。案外「単身世帯」のスマートフォン普及率が低いように思えるが、これはシニア層まで勘案対象のため。

↑ スマートフォン世帯主性別普及率(2014年3月末)
↑ スマートフォン世帯主性別普及率(2014年3月末)

↑ 従来型携帯電話世帯主性別普及率(2014年3月末)
↑ 従来型携帯電話世帯主性別普及率(2014年3月末)

スマートフォンは単身世帯では男性の方が、一般世帯では女性の方が保有率が高い。一方従来型は単身世帯では女性、一般世帯では男性の方が保有率が高い結果が出ている。世帯ベースの話ではあるが、二人身以上の世帯では過半数がスマートフォン持ちで、従来型携帯電話の普及率に近づきつつある状況が確認できる。

続いて「保有世帯あたりの」平均保有台数。「保有の有無を問わず全世帯に対する保有台数」では無いので注意が必要。保有実態を把握するには、この値の方が理解しやすい。

↑ スマートフォン世帯主性別・保有世帯あたり平均保有台数(2014年3月末)
↑ スマートフォン世帯主性別・保有世帯あたり平均保有台数(2014年3月末)

↑ 従来型携帯電話世帯主性別・保有世帯あたり平均保有台数(2014年3月末)
↑ 従来型携帯電話世帯主性別・保有世帯あたり平均保有台数(2014年3月末)

「単身世帯」はスマートフォンも従来型携帯電話もほぼ1台。本人自身しか世帯におらず、同居人の分をカウントすることもない。

一方「一般世帯」ではそれぞれの機種毎に1.5台から2台近い保有状況にある。回答者(世帯主)に加えて配偶者、さらには子供の保有もあるため、その分がカウントされる事例が多い。当然、本人などが複数台保有の場合もあるだろう。

性別、世代別で細分化をしてみる


続いて世代別保有率。さらに世代構成は大まかなまとめになるが男女別の値も用意されているので、それぞれを確認していく。まずは単純な世代別保有率。

↑ スマートフォン世帯主年齢階層別普及率(2014年3月末)
↑ スマートフォン世帯主年齢階層別普及率(2014年3月末)

↑ 従来型携帯電話世帯主年齢階層別普及率(2014年3月末)
↑ 従来型携帯電話世帯主年齢階層別普及率(2014年3月末)

双方機種で一般世帯の方が保有率が高いのは上記で説明した通り、世帯構成人数の問題。またスマートフォンは若年層、従来型は高齢層の方が保有率が高い。ただし単身世帯では従来型の保有率は50代から60代で頭打ちとなり、以後は漸減していく。

30歳以下でも単身世帯では3割、一般世帯でも5割近くは今なお従来型を保有しているが、スマートフォンはそれぞれ8割・9割強の普及率に達している。全体におけるスマートフォンの普及率は単身で24.2%、一般世帯で54.7%であることは上記で記した通りだが、多分に中堅層以降の普及率の低さが全体値を押し下げていることが分かる。

続いて男女別に区分した場合。

↑ スマートフォン世帯主性別・年齢階層別普及率(2014年3月末)
↑ スマートフォン世帯主性別・年齢階層別普及率(2014年3月末)

↑ 従来型携帯電話世帯主性別・年齢階層別普及率(2014年3月末)
↑ 従来型携帯電話世帯主性別・年齢階層別普及率(2014年3月末)

従来型携帯電話では世帯種類別の差異はほとんどないが、スマートフォンでは若年層でいくぶん女性の方が高い値を示している。女性が特に好むソーシャルメディア利用のスマートフォンの有用性は良く知られたところであり、それが影響しているのかもしれない。

スマホは年収で大きく変わる


最後に世帯主年収別普及率。携帯電話の種類別で大きな違いが確認できる。

↑ スマートフォン世帯主年収別普及率数(2014年3月末)
↑ スマートフォン世帯主年収別普及率数(2014年3月末)

↑ 従来型携帯電話世帯主年収別普及率数(2014年3月末)
↑ 従来型携帯電話世帯主年収別普及率数(2014年3月末)

従来型携帯電話は単身世帯でややぶれが生じているものの、概して年収による差異、規則性は見られない。一方でスマートフォンでは単身世帯は年収400万円台より上は4割から5割で安定するが、一般世帯では年収の増加と共に一様に普及率の上昇が確認できる。金銭的な余裕が生じるに連れて、世帯主自身、あるいは配偶者や子供にスマートフォンを持たせようという気概、あるいは要望を叶えられる余裕が出てくるというところか。見方を変えれば、スマートフォンは従来型と比べてコストが多分にかかるため、金銭的な余裕が無いと保有が難しいと見ることもできる。

なお単身世帯の高年収部分でいくぶんイレギュラーな値が出ているが、これは対象回答者数が少ないために生じたぶれでしかない。実際、750万円-950万円未満は25人、950-1200万円未満は6人、1200万円以上は8人しか対象回答者がいない。このような実情から、2013年までは統計値そのものを算出していなかったが、2014年以降は少数でもあえて数字を提示している。しかしあくまでも参考値レベルの確からしさでしかないことに注意が必要となる。



他の多種多様な調査や保有実態から、さらには携帯電話事業者各社の新作ラインアップからも分かる通り、携帯電話は猛烈な勢いで従来型からスマートフォンへのシフトが進んでいる。しかし単純な通話やシンプルなインターネットアクセス機能で十分とする使い方、需要(コストパフォーマンス的な意味合いも含め)ならば、従来型携帯電話は今なおベストな端末に違いは無い。また子供の防犯用携帯電話としても、従来型携帯電話は重宝されている。

今後もスマートフォンへのシフトは進み、普及率も年々底上げされていく。一方で従来型携帯電話の普及率は漸減を示すことになるが、一定数は維持されることだろう。


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【十年余りの携帯電話普及率推移をグラフ化してみる(先進諸国編)】
【各国の固定電話と携帯電話の普及率推移をグラフ化してみる(先進諸国編)】
【総務省、2013年3月末の状況を発表】

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