テレビやパソコンなどの普及率をグラフ化してみる(下)……乗用車やエアコン、デジカメなど(2014年)

2014/05/03 20:00

先に【テレビやパソコンなどの普及率をグラフ化してみる(上)…テレビ・パソコン・ファックスなど】において、内閣府の【消費動向調査】の調査結果を基に、主要耐久消費財(テレビや自動車など、長期に渡って使用される商品。原則的に1年以上の使用によるもの)の普及率の現状などを、カラーテレビやパソコン、ファックスなどについて行った。今回はそれに続く形で、同様の切り口を用い、エアコンや空気清浄器、デジカメなどの、日常生活に深く浸透している家電製品について、その普及率の現状や推移を確認していくことにする。普段何気なく使っている商品達が、世間一般にはどれ程普及しているのかを知る、良い機会になるはずだ。

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空気をきれいに、温度を快適に…エアコンと空気清浄器


「消費動向調査」そのものの解説や「世帯」の区分、「普及率」の定義についてはまとめ記事【定期更新記事:主要耐久消費財・普及率(内閣府・消費動向調査)】で説明されている。そちらで確認をしてほしい。

最初に「三種の神器」のうち「クーラー」に該当する「ルームエアコン」を取り上げる。「クーラー」そのものは夏の節電問題とも深い関係があるため、重要案件として、別途先行する形で【エアコン普及率をグラフ化してみる】にて詳しく解説している。

公開値だが実は連続性に多少問題がある。1973年までは「クーラー」(冷房のみ)について尋ねており、厳密に考えると1973年までと1974年以降の間につながりはない。しかし1973年以前ではエアコン(冷暖房)はほとんど普及していなかったと考えられるので(だからこそ調査の際には考慮されなかった)、実質的には無視できる誤差と見なせる。

↑ エアコン(クーラー)普及率と、保有世帯における平均保有台数(一般世帯)(3月末時点)(-2014年)(再録)
↑ エアコン(クーラー)普及率と、保有世帯における平均保有台数(一般世帯)(3月末時点)(-2014年)(再録)

統計データで取得内容を「エアコン」に切り替えた年前後から普及率は上昇し始める。そして「2世帯に1世帯がエアコン持ち」、つまり過半数に達したのは1985年、普及率急上昇の真っ盛りの時期。そして1990年代後半には「5世帯に4世帯まではエアコン装備」の状態になった。その後上昇率はゆるやかなものととなり、90%あたりで横ばいのまま推移している。居住環境の事情や地域性からエアコンを装備できない、必要のない環境もあることを考えれば、ほぼ天井というところだろう。

続いて空気清浄機。エアコンほどでは無いにせよ、昨今では花粉に加えて黄砂やPM2.5問題が世間を騒がせており、注目を集めつつある家電。

↑ 空気清浄機普及率(一般世帯)(3月末時点)(-2014年)
↑ 空気清浄機普及率(一般世帯)(3月末時点)(-2014年)

↑ 空気清浄機普及率(住宅所有関係別)(2014年3月末)
↑ 空気清浄機普及率(住宅所有関係別)(2014年3月末)

↑ 空気清浄機普及率(住宅所有関係別)(2013年3月末)(参考)
↑ 空気清浄機普及率(住宅所有関係別)(2013年3月末)(参考)

空気清浄機の普及率は2013年に「5世帯に2世帯」を超え、2014年もその状態は継続している。2007年以降では2013年はもっとも大きな上昇幅(プラス3.5%ポイント)を示したが、これは黄砂・PM2.5関連がしきりに報じられ、空気清浄機が大きな注目を集めたことが関係していると考えて問題ない。

また、世帯種類別では「単身世帯」よりは「一般世帯」の方が普及率が高い。これは複数人数が同時に利用する(特に子供の健康を考慮)ため、必要性が高いとの判断によるもの。見方を変えれば「単身世帯」は「一人暮らしだから、空気清浄機のような大げさなのは要らない」と判断している可能性が高い。

一方で2014年における2013年からの変移を見ると、単身世帯で大きく普及率が上昇していることが確認できる。誤差の可能性も否定できないが、それよりはむしろ一般世帯に遅れること1年にして、ようやく本格的な購入機運が生じてきたものと考えられる。2013年のPM2.5騒ぎで「この1年位だろうし、自分一人だけだから」と購入を控えていたものが、今年も同様の懸念が生じているのを受け、購入に踏み切った事例もあるのだろう。

デジカメやDVDプレイヤー


続いてエンタメ色の強いデジタル系アイテムとして、デジカメ(デジタルカメラ)について。

↑ デジタルカメラ普及率と保有世帯あたり平均保有台数(一般世帯)(3月末時点)(2004年までは「デジカメ付き携帯電話」含む)(-2014年)
↑ デジタルカメラ普及率と保有世帯あたり平均保有台数(一般世帯)(3月末時点)(2004年までは「デジカメ付き携帯電話」含む)(-2014年)

↑ 性別・世帯主世代別デジカメ普及率(2014年3月末)
↑ 性別・世帯主世代別デジカメ普及率(2014年3月末)

2004年から2005年にかけて大きな減少が起きている。これはグラフタイトルにも注意書きしているが、2005年以降は「デジタルカメラ機能付きの携帯電話を除外した」のが原因。デジカメそのものはデジカメ機能搭載の携帯電話の普及と、その機能の高性能化により、汎用機は市場で非常に厳しい立場にある。大手メーカーは次々に、携帯電話に搭載されているレベルの機能を持つデジカメの販売を縮小したり、市場から撤退を続けている。そして昨今では「携帯デジカメをはるかに超える超高性能・多機能」化を推し進め、難局を乗り切ろうとしている。

現状では普及率は漸増中……だったのだが、2014年になって(2005年のイレギュラー以外では)はじめて減少に転じた。一方で保有者における保有台数は増えている。複数台を同時に使う状況は考えにくく、兄弟なり親子が別々に保有しているという状況の方が想定しやすい。

この数年、上昇率は非常にゆるやかなものとなっており、2014年では減少に転じた。携帯電話、特にスマートフォンの普及が進むに連れ、このカーブも横ばい、そして下降を示すものと考えられていた。それが実際、2014年では生じたようだ。もっとも手持ちのデジカメを意図的に廃棄する事例は考えにくいので、今後さらに普及率が落ちるとしても、ゆっくりとしたスピードに留まることだろう。

映像媒体録画再生機器。最近はブルーレイなど高画質化が進み、順調な伸びを示している。

↑ DVDプレイヤー・レコーダー普及率(一般世帯)(3月末時点)(-2014年)(DVDは2014年からDVD(再生録画兼用機)に統合)
↑ DVDプレイヤー・レコーダー普及率(一般世帯)(3月末時点)(-2014年)(DVDは2014年からDVD(再生録画兼用機)に統合)

2005年からは「再生専用機」「再生録画兼用機」の値も公開されている。そして2010年分からはBD(ブルーレイディスク)も追加されている。逆に2009年までは、BDは光ディスクプレイヤー・レコーダー全体にカウントされていない(ごく少数として無視されていた)。さらにDVDの「再生専用機」は汎用性が薄れたこともあり、2014年からは調査対象外となっている。2014年において総合普及率が有意な形で落ち込んでいる、「再生録画兼用機」が上昇しているのは、これも一因だろう。

全体的には光ディスク再生・録画機は7割の家計が保有している計算になる。DVDの再生・録画双方が出来るタイプは6割近く。BDも4割近くに登っている。

テレビ放送の地デジへの切り替えも成され、今後はますます映像媒体録画再生機器の普及率が高まるはず。しかし総合値が2009年から2010年で減少し、同時に「DVD再生録画兼用機」も大きく減少している。これはテレビそのものをDVDと共に廃した可能性が考えられる。

一方でBDは大きく飛躍の真っただ中だった。ところが2013年以降普及率の上昇幅は大幅に縮小している。4割達成を前に、頭打ちのようにすら見える。映像ソフト業界の調査データと合わせ見ると、物理メディアを用いた再生では無く、インターネット回線を通じて配信される映像による映像観賞(スマートテレビやインターネットの有料動画配信サービス)が浸透し続けており、これが普及率上昇に足止めをかけている可能性がある。次年度以降も伸び悩みが続くなら、その可能性・連動性を改めて検証する必要があろう。

三種の神器の一つ、乗用車は?


最後は三種の神器の一つ、乗用車の動向。

↑ 乗用車普及率(一般世帯)(3月末時点)(-2014年)
↑ 乗用車普及率(一般世帯)(3月末時点)(-2014年)

「新車購入」による自動車保有、「中古車購入」による保有での普及率は1983年からデータが取得されている。また、2006年から2007年において「中古車」と「新車」に大きな変化があるが、これは調査票上の表記を単純な「新車」「中古車」から、「新車で購入したもの」「中古車で購入したもの」に変更したのが原因である。

つまりそれ以前の「中古車」区分の値には「新車として買った。しかし現在は自分が使っているので中古車だから、普及率としては『中古車』区分に」と勘違いして回答した人がいることになる(これは公開値上の注意書きでも言及されている)。

1961年には2.8%でしかなかった乗用車普及率だが、1960年代後半から急速に上昇。そして1978年には過半数に届き51.7%に達し、「2世帯に1世帯は自動車持ち」の状態となる。その後も普及率は上昇を続けるが、1990年で上昇機運は終わりを告げ、それ以降はほぼ横ばいに転じている。自動車を必要と考えている(あるいは他の項目と天秤をかけて「乗用車」の調達に傾く)世帯にはほぼ普及してしまったのだろう。いわゆる「飽和状態」というものだ。

今後電気自動車の浸透に伴い、普及率がどのような変化を見せるのかが気になるところ。2012年にはそれによるものと思われる小さからぬ上昇があったが、2014年では前年比で3.1%ポイントとやや大きめの下落を示している。直近では2005年にも似たような下げ幅を見せており、やや気になるところではある。



今件対象項目では、BDプレイヤーの普及率が上昇から停滞への転換、デジカメの普及率の頭打ちなど、周辺環境の変化に伴い連動的に傾向が変わったと思われる動きが確認できた。あくまでも相関関係でしかなく、因果関係を立証することはかなわないが、大いに注目できる動きではある。

今後この傾向が継続するものなのか否か、来年以降の動向にも注意を払い、検証を続けることにしよう。


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