パソコンの買い替え年数をグラフ化してみる(2014年)(最新)

2014/04/27 10:00

インターネットへのアクセス窓口としてスマートフォンやタブレット機が多分に使われ、それらが「パソコンを補完する役割」から「パソコンと並び主要選択肢の一つ」になると共に、パソコンの立場は微妙な変化をとげつつある。とはいえ今なお多くの人に、パソコンはインターネットへのアクセスツールをはじめ、多種多様な面で有意義、それどころか必要不可欠な存在には違いない。今回は内閣府が2014年4月17日に発表した【消費動向調査】の内容を基に、そのパソコンに関する買い替え年数の動向を確認していくことにする。

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年々伸びるパソコンの買い替え年数


「消費動向調査」の詳細や、実測値で3月分から抽出している理由、「買い替え」の詳しい定義については、携帯電話に関する先行記事となる【携帯電話の買い替え年数をグラフ化してみる】にて解説済み。詳細はそちらを参考のこと。まずは長期時系列データが用意されている「一般世帯」におけるパソコンの買い替えについての推移をグラフ化し、その現状を確認する。

↑ パソコン買い替え年数推移(年、一般世帯)(-2014年)
↑ パソコン買い替え年数推移(年、一般世帯)(-2014年)

多少のぶれはあるものの、全般的には赤い破線による補助線の動向からも分かるように、パソコンの買い替え年数は伸びる傾向を示している。もっとも古いデータの2002年から始まる3年間では平均4.2年、最新の2014年に終わる3年間では平均5.8年。1年半ほど伸びた計算になる。パソコンそのものの高性能化で買い替えの必要性が薄れたこと、OSのサポート期間延長などで「OSの組み換えが面倒なので新機種へ買換え」といった買い替え動機が薄れたようだ。

2014年に限ると、2014年4月からの消費税率改定に伴う駆け込み需要、さらにはWindows XPのサポート終了に伴うOS差し換えの必要性から生じるパソコンそのものの買い替えという、大きな買い替え要因が2つもほぼ同時に発生している。これらの要因で、従来ならもう数年維持できるパソコンを前倒しで買い替えてしまおうという機運が生じ、買い替え年数が短くなることも予想されたが、少なくとも年数の上ではそのような事態は生じていないように見える。

これを「単身世帯」の動向と合わせて、世帯種類別の動向を比較しやすいようにしたのが次のグラフ。

↑ パソコン買い替え年数推移(年、単身/一般世帯)(-2014年)
↑ パソコン買い替え年数推移(年、単身/一般世帯)(-2014年)

全般的に「単身世帯」の方が買い替え期間が短い。ほぼ1年の差が生じている。「単身世帯」の方が使用しているパソコンのライフサイクルが短い事実を表している。もっともこの2年ほどの間に、両世帯間の差は確実に縮まる傾向が見られる。厳密には「単身世帯」の買い替え年数が伸びている形で、ハードの高性能化やOSの差し換えなどによる買い替えの必要性そのものが減じ、「一般世帯」よりは買い替えがし易い「単身世帯」でも、その必要性が薄れるようになってきたのかもしれない。

過去7年間の経年変化を探る


次のグラフは「一般世帯」「単身世帯」それぞれの男女、世代属性における、過去7年間の買い替え年数推移をまとめたものである。

↑ パソコン買い替え年数推移(年、一般世帯)(属性別)(-2014年)
↑ パソコン買い替え年数推移(年、一般世帯)(属性別)(-2014年)

↑ パソコン買い替え年数推移(年、単身世帯)(属性別)(-2014年)
↑ パソコン買い替え年数推移(年、単身世帯)(属性別)(-2014年)

「一般世帯」では男女に差異はほとんど無い。しかし「単身世帯」では男女間に大きな開きが見られる。前者の女性は配偶者の男性にアドバイスを受け、購入をうながされる場合もあるものの、後者の場合はその機会が少なく、自然と手持ちの機種を長く使い「こなして」しまう状況が想定される。

また「一般」「単身」共に若年層ほどパソコンのライフサイクルは短く、高齢層ほど長い。特に30歳未満層ではそれより上の世代と比べ2-3年ほどの違いが見られる。やはり若年層の場合、新しい技術を持ち話題にあふれる新機種・新OSに目移りしてしまうのだろう。

2014年に限ると、「一般世帯」「単身世帯」共に女性においてややイレギュラーとも見られる短縮化が確認できる。上記にある2要素の前倒し的な買い替えが行われた可能性がある。

駆け込み需要は買い替え理由で明確化


最後に「買い替え理由」に関して、「一般世帯」「単身世帯」それぞれの動向を確認したのが次のグラフ。

↑ パソコン買い替え理由(一般世帯)(-2014年)
↑ パソコン買い替え理由(一般世帯)(-2014年)

↑ パソコン買い替え理由(単身世帯)(-2014年)
↑ パソコン買い替え理由(単身世帯)(-2014年)

両世帯種類とも年々「上位品目」が減り「故障」が増えている。これはパソコンが故障しやすくなったからでは無く、「上位品目」の回答数が減ったため、相対的に回答率が上がったのがその理由。これはパソコンの高性能化やOSのサポート期間延長などから、上位機種への買い替えの必要性が低下したことによるもの。Windows3.1から95にシフトした時のような、「パソコンそのものを買い替えて実装しないと時代に乗り遅れる」的な雰囲気は今や無い。

それでもなお「一般世帯」では減少がゆるやかで、かつ何度かリバウンドも見せているが、「単身世帯」では2010年以降ほぼ一貫して、「上位品目」の比率が落ちている。配偶者によるサポートの有る無しに関係なく、パソコンそのものの買い替え必要性が薄れている(と判断されている)可能性が高い。「新OSが出たので必要性が高いとは言い切れないが、良い機会だから新しいパソコンを買って環境を整備しよう」という事例が少なくなっているのだろう。

また2014年に限れば上記説明による2理由、消費税率改定と2014年4月9日付でサポートを終了したWindows XPに関する駆け込み需要的特需の影響が、「その他」の急増に表れている。これらはひとえに「消費税率引き上げ分を余計に払わされる前に、せっかくだから前倒しで買い替え」「XPがサポート切れになるし、OS入れ替えるのも面倒だし、古めのパソコンなので良い機会だから買い替え」的な回答と考えられる。



パソコン売り場最初のグラフで記されている通り、パソコン界隈では高性能化や買い替え必然性の高い新技術・OSが登場しなくなり、買い替えサイクルは少しずつ伸びる傾向にある。WindowsのOSにおいて新バージョンが登場するたびに、東京秋葉原などで大規模イベントが開かれ、テレビ各局が特集を組むような騒ぎが起きることは、すでに無い。上記にあるXPのサポート切れ騒ぎは、ある意味稀有な特例といえる(もっとも似たような事例は今後随時生じえるのだが)。

2014年分はそのXPと消費税絡みで、一部値に特異な動きが確認できたが、今後しばらくは似たような変移をもたらしうる事象は無い。2015年分は恐らく2013年までと同じような動向を示すことになるだろう。あるいはスマートフォンやタブレット機のさらなる普及に伴い、パソコンのウェイトがさらに下がり、ますます買い替え年数の伸びが加速化するかもしれない。


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