カラーテレビの買い替え年数をグラフ化してみる(2014年)

2014/04/24 15:00

最近ではインターネット機能なども備えたスマートテレビも普及の様相を見せつつあるが、テレビが今なお一方向メディアの代表的な家電であることに違いは無い。そして幼少児や中堅層以降、中でもシニア層にとって欠かすことの出来ない情報取得メディアであり、最大の娯楽機器でもある。今回はそのカラーテレビにスポットライトをあてて、内閣府が2014年4月17日付で発表した【消費動向調査】の2014年3月実施分のデータを基に、「カラーテレビの買い替え年数」の現状と過去からの推移を確認していくことにする。

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カラーテレビの買い替え年数は9年強……?!


「消費動向調査」の詳細、実測値でなぜ3月分から抽出しているのかの理由、「買い替え」の定義に関しては、先行記事の【携帯電話の買い替え年数をグラフ化してみる】にて解説済み。詳しくはそちらを参考のこと。

今回は「カラーテレビ」の買い替え年数を抽出する。今回の買い替え状況において2014年分調査票では「カラーテレビ 薄型(液晶、プラズマ等)」と記述されている。2013年までは単に「カラーテレビ」だったため、買い替え対象にはブラウン管・薄型テレビ双方を含んでいたことになる。地デジ化も果たし、実質的にブラウン管テレビの販売もほぼ終了したとの意向によるものだが、2013年と2014年との間に完全な連続性は無いことに注意する必要がある(とはいえ、今更ブラウン管テレビ「に」買い替える人も滅多にいないだろうが)。

世帯区分は「単身世帯」と「一般世帯(二人以上世帯)」、そして双方を合算した「総世帯」の3つが用意されている。ところが長期時期系列としてデータが保存されているのは「一般世帯」のみ。そこで「一般世帯」のみ、買い替え年数推移を長期期間の範囲でグラフ化する。

↑ カラーテレビ買い替え年数推移(年、一般世帯)(-2014年)
↑ カラーテレビ買い替え年数推移(年、一般世帯)(-2014年)

中期的な動向を見るとテレビの買い替え年数は9年前後で安定。しかしこの数年は毎年少しずつ、確実に年数が短縮されている動きを示している。2011年7月の地デジ化に伴い、チューナーで地デジ対応化したテレビを使っていても、故障などをきっかけとして「安くなっていることもあるし、せっかくだからこの際、修理をせずに対応機種に買い替えるか」とする動きが起きた結果によるものだろう。

そして2014年にいたっては、取得できるデータ中ではもっとも短い6.3年という値を示している。これは一つに地デジ化による移行、そしてもう一つに2014年4月からの消費税率改定に伴い、それに先駆けて駆け込み的に、従来の買い替え期間よりも前倒しでテレビを新規調達した、いわゆる「駆け込み需要」によるものと考えられる。家電商品の多くはこの「駆け込み需要」の影響で買い替え年数の短縮現象が発生しているが、ここまで明確な値を示したものは今件カラーテレビ位なものである。

これを「単身世帯」(記録があるのは2008年以降のみ)の動向と重ね、グラフ化したのが次の図。

↑ カラーテレビ買い替え年数推移(年、単身/一般世帯)(-2014年)
↑ カラーテレビ買い替え年数推移(年、単身/一般世帯)(-2014年)

2010年にややイレギュラーな動きがあり、それまでの「一般世帯」>>「単身世帯」という流れが消え、双方世帯でほとんど変わらない値を示すようになった。地デジ化におけるテレビ買い替えへの圧力は、世帯構成で違いを見せなかったようだ。また上記で言及した「地デジ化に伴うテレビ買い替え年数の短縮化」そして「消費税率改定に伴う駆け込み需要による短縮化」は、世帯構成によらずに起きているのも分かる。

属性別におけるカラーテレビの買い替え年数を確認


次のグラフは「一般世帯」「単身世帯」それぞれの属性における、過去7年間の買い替え年数推移をまとめたもの。一部区分では該当世帯が皆無、あるいはごく少数で統計値として計上できなかったため、グラフでは「×」と記している。

↑ カラーテレビ買い替え年数推移(年、一般世帯)(属性別)(-2014年)
↑ カラーテレビ買い替え年数推移(年、一般世帯)(属性別)(-2014年)

↑ カラーテレビ買い替え年数推移(年、単身世帯)(属性別)(-2014年)
↑ カラーテレビ買い替え年数推移(年、単身世帯)(属性別)(-2014年)

もし地デジ化への流れがなればそのまま使い続けていたであろうテレビを、地デジ化への切り替えに伴い「せっかくだからと」と通常よりも早めに買い替えた世帯が多かったこともあり、「単身世帯」も「一般世帯」も少しずつ買い替え年数が短くなりつつある。「一般世帯」の若年層ではそれらに逆行する動きを示していたが、これは多分に回答数が少数のための「ぶれ」の可能性が高い(2013年では対象値が存在しなかった)。

そして直近の2014年では単身世帯の29歳以下をのぞき、ほぼすべての階層で前年比で大きな短縮が確認できる。地デジ化以上に消費税率改定は、カラーテレビの前倒し的な買い替えによる買い替え年数の短縮化を促進したようだ(ただし買い替えを行った者における平均値であり、買い替え実行者「数」では無い事に注意する必要がある)。

カラーテレビの買い替え理由は?


最後に示すのは「買い替え理由」を「一般世帯」「単身世帯」それぞれ別途に算出したグラフ。いくつかの年で特殊事情による変移が確認でき、興味深い。

↑ カラーテレビ買い替え理由(一般世帯)(-2014年)
↑ カラーテレビ買い替え理由(一般世帯)(-2014年)

↑ カラーテレビ買い替え理由(単身世帯)(-2014年)
↑ カラーテレビ買い替え理由(単身世帯)(-2014年)

双方世帯とも「その他」項目の増加のピークは2012年(3月)。これは回答時の該当期日である2011年4月-2012年3月の間に、2011年7月の地デジ切り替えに伴い対応型のテレビへと買い替える人が、大量に現れたことを意味する。翌年の2013年(対象期間は2012年4月-2013年3月)では、地デジ化ラッシュも過ぎ、従来の比率に戻る動きを見せた。しかし2014年では上記解説の通り、2014年4月からの消費税率改定に伴う駆け込み需要が発生し、回答中「その他」の回答率が単身世帯では増加する結果となった。



地デジ化、そして消費税率引上げという2度にも渡る特需要素を受け、大きく変化したこの数年に渡るテレビ買い替え状況。直近5年間に限れば、平均買い替え年数は8.4年となり、統計データが取得可能な全期間(18年間)の平均値9.2年と比べて1年近い短縮を示す形となった。当然、前倒し的、先取り的なテレビ買い替えの需要拡大は、その後の需要縮小につながることとなる。

地デジ化に伴うテレビ買い替えの促進による反動は、薄型テレビの出荷動向を見る限り、ようやく終えんを迎えたように見える。消費税率改定の反動もそれなりに大きなものがあるが、地デジ化の時のような長期間化は無いだろう。すでに地デジ化の際に、相応の数が買い替えられていたからだ。

来年以降は大きな買い替え要因となるイベントも無い。2015年は恐らく、小さからぬ買い替え年数の反動、具体的には伸長化が見られることだろう。


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