洗濯機の買い替え年数をグラフ化してみる(2014年)

2014/04/24 08:00

家電商品、耐久消費財、シロモノ家電の代表として、冷蔵庫と並び名前が挙げられるのが洗濯機。快適な日常生活を過ごす上では欠かすことが出来ない家電の一つだが、冷蔵庫と比べて常用している類のものでは無く、やや影が薄いことは否めない。しかし利用の際には水の取り入れ口や排水などを考慮する必要があり、引越しをする際にはその置き場所と合わせ大いに注目される家電でもある。今回は内閣府が2014年4月17日に【消費動向調査】の2014年3月実施分の調査結果を基に、「洗濯機の買い替え年数」の現状と過去からの推移について、確認を行うことにする。

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洗濯機は約9年で買い替え


「消費動向調査」の詳細や実測値の3月分からの抽出事情、「買い替え」の定義については、先行記事の【携帯電話の買い替え年数をグラフ化してみる】にて解説済み。詳しくはそちらを参考のこと。

今回は「(電気)洗濯機」の買い替え年数を抽出する。「洗濯機」について詳しい説明は回答用の質問用紙には無い。単に「電気洗濯機」と記されている。脱水機はもちろん、乾燥機(機能)まで付随している洗濯機も多いが、それらもすべて洗濯機として包括する。つまり回答者が、それを「洗濯機」として見なすか否かの問題である。

世帯区分のうち長期の時期系列による値が保存されているのは「一般世帯」のみ。そこでまずは「一般世帯」における、洗濯機の買い替え年数推移をグラフ化し、状況の把握を試みる。

↑ 洗濯機買い替え年数推移(年、一般世帯)(-2014年)
↑ 洗濯機買い替え年数推移(年、一般世帯)(-2014年)

多少の上下はあるが、買い替え年数はほ8-9年で安定している。いわゆる白物家電と呼ばれる商品に対する買い替えの一般論として「一般家電の買い替えサイクルは10年位」というものがあるが、洗濯機もまたそれに一致する(やや短めだが)ことになる。

なお直近の2014年は振れ幅の範囲内ではあるものの、前年から0.7年とやや大きめな短縮ぶりが見られる。これは他の家電商品同様、2014年4月に実施された消費税率改定に伴う、改定前の駆け込み需要の影響を受けたものと考えられる。

これを「単身世帯」の動向と重ねてグラフ化したのが次の図。傾向把握のため、2006年以降過去9年分まで延長している。

↑ 洗濯機買い替え年数推移(年、単身/一般世帯)(-2014年)
↑ 洗濯機買い替え年数推移(年、単身/一般世帯)(-2014年)

かつてはパソコンや携帯電話などのデジタル系アイテム同様に、全般的に「単身世帯」の方が買い替え期間が短かったが、2008年以降は立場が逆転。むしろ「単身世帯」が伸びる動きを見せている。「単身世帯」では2006年以前の買い替えに関するデータは存在しないため、2008年がターニングポイントなのか、2006年・2007年がイレギュラー値なのかまでは判断できない。今データから確認できるのは「2008年以降は単身世帯の方が洗濯機の買い替え年数は長い」ということだけである。

さらに直近2014年では両世帯種類間の差は縮小する一方、前年からの短縮ぶりは双方とも大きなものとなっている。特に単身世帯では1.4年もの短縮が見られる。前年の身長の反動も一部にはあるが、単身世帯での洗濯機の前倒し的駆け込み需要はそれなりに大きかったことが予想される。

洗濯機買い替えの属性別動向は?


次のグラフは「一般世帯」「単身世帯」それぞれの属性における、過去7年間の買い替え年数推移をまとめたもの。

↑ 洗濯機買い替え年数推移(年、一般世帯)(属性別)(-2014年)
↑ 洗濯機買い替え年数推移(年、一般世帯)(属性別)(-2014年)

↑ 洗濯機買い替え年数推移(年、単身世帯)(属性別)(-2014年)
↑ 洗濯機買い替え年数推移(年、単身世帯)(属性別)(-2014年)

直近7年間では洗濯機の製品ラインアップ・機能には(例えばパソコンのOSの変更、ゲーム機における世代交代のような)劇的な進化は見られず、商品の差別化も難しいことから、「一般世帯」では男女間、世代間の差異がほとんど見られない。「29歳以下」の買い替え年数が他世代と比べて短いのは、トレンド云々では無く、引っ越しの機会が多く、その際に買い替えを行う場面が多いからと推測される(引越は多分に世帯環境の変化が伴い、その場合に既存の洗濯機では容量不足になり、買い替えが求められるため)。

「単身世帯」ではわずかながら、女性の方が買い替え年数が長い。これも引っ越し事由による買い替えがあるか否かによると見て良い。実のところ、2014年における「単身世帯」の買い替え理由で「住所変更」は男性17.5%なのに対し女性は13.2%に留まっている。「一人暮らし」という居住条件を考えれば、女性の引っ越しが男性より平均頻度が低くならざるを得ないのも理解できるし(防犯などの問題で適切な環境を見つけにくい)、引っ越しの際の買い替えも起きにくく、利用が長期化しうるというわけである。

2014年に限れば一般世帯では全般的に、単身世帯でもほとんどの属性で、前年と比べて小さからぬ買い替え年数の短縮が発生している。これまでの横ばい、延長とは異なる動きで、多分に消費税率改定前の駆け込み需要、前倒しの購入が行われたものと考えられる。

洗濯機を買い替える、その理由とは


最後に洗濯機の「買い替え理由」を「一般世帯」「単身世帯」それぞれについて見たグラフを作成する。

↑ 洗濯機買い替え理由(一般世帯)(-2014年)
↑ 洗濯機買い替え理由(一般世帯)(-2014年)

↑ 洗濯機買い替え理由(単身世帯)(-2014年)
↑ 洗濯機買い替え理由(単身世帯)(-2014年)

小回りが利きやすい「単身世帯」の方が「住所変更」による買い替え回答率が高い。その分「故障」事由が小さく、「上位品目」「その他」項目は世帯構成でさほど違いは無い。いずれにしても洗濯機では「壊れてしまって、修理も難しい」「修理するのなら買い替えた方が安上がり」などが原因で買い替えが行われる事例が多数に及んでいる。

洗濯機では少々の品質向上製品の登場位では、買い替えする必要は無いと考えられているのが多数意見。故障により八方ふさがりとなり、ようやく買い替えの決断をするパターンが多い。まさに言葉通りの「耐久財」である。

なお2014年では「その他」項目が両種世帯共に大きく増加している。駆け込み需要による購入派が増え、その回答がここに該当すると考えれば道理は通る。



洗濯洗濯機は「水回りが整った場所が無いと設置できず使えない」「毎日使うものではない」「一般世帯と単身世帯で利用頻度が大きく異なる」など、冷蔵庫やテレビなどの他の家電と比べて、やや特異な性質・利用形態を有している。それらを合わせて考えると、2008年以降に「単身世帯」の買い替え年数が伸びているのは、利用頻度が低いこともあり、家電内における買い替えの優先順位が下げられている可能性がある。つまり「現行機でも十分使えるし、使う回数も多くない。壊れない限りは買い替えせずにそのまま使い続けよう」というものだ。

ちなみに家電の買い替え年数に大きな影響を与えるかもしれなかった「エコポイント制度」だが、洗濯機は適用外だった。そのため、対象だったら該当しうる買い替え理由項目「その他」には大きな変化は見られない。もし仮に対象品目に加えられていたら、洗濯機の買い替え動向にはどのような変化が起きていたのだろうか。想像してみるのも一興だ……が、洗濯機の特性を考えると、さほど大きな影響は無かったような気はする。


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