冷蔵庫の買い替え年数をグラフ化してみる(2014年)

2014/04/23 08:00

食品を冷蔵することで長期間保存を可能としたり冷凍で性質を変えたり、さらには製氷機能で涼を提供するなど、今や食生活の維持には欠かせない存在の冷蔵庫。白物家電、耐久消費財の代表格的な存在の家電製品の一つでもあり、買い替えがあまり行われない商品としても知られている。昨今の商品は長持ちすることでも知られているが、世間一般にはどの程度の年数で買い替えが行われているのだろうか。内閣府が2014年4月17日付で発表した【消費動向調査】の2014年3月実施分のデータを基に、「冷蔵庫の買い替え年数」の現状と過去からの推移について確認を行うことにする。

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冷蔵庫の買い替え年数は約10年


「消費動向調査」の詳細や実測値の3月分からの抽出事情、「買い替え」の定義については、先行記事の【携帯電話の買い替え年数をグラフ化してみる】にて解説済み。詳しくはそちらを参考のこと。

今記事では「冷蔵庫」の買い替え年数を抽出・精査する。「冷蔵庫」という表記に関して詳しい説明は回答用の質問用紙には無い。単に「電気冷蔵庫」とのみ記されている。電気店などでは単身世帯用、あるいは旅館で良く見かける、冷凍庫無しの小型冷蔵庫も多数発売されているが、それも該当する。

世帯区分のうち長期の時期系列による値が保存されているのは「一般世帯」のみ。そこでまずは「一般世帯」における、買い替え年数推移をグラフ化する。

↑ 冷蔵庫買い替え年数推移(年、一般世帯)(-2014年)
↑ 冷蔵庫買い替え年数推移(年、一般世帯)(-2014年)

やや凸凹感はあるが、全般的には買い替え年数はほぼ10年強で安定し、大きな変移は無い。「一般家電の買い替えサイクルは10年ぐらい」との話があるが、冷蔵庫はその話がほぼ当てはまることになる。昨今では省エネ化、ドアの開閉方向の変更など、多種多様な機能付きの機種が続々登場しているものの、買い替え年数が伸び縮みする動きは無い。

この「一般世帯」における買い替え年数の動向を「単身世帯」のそれと重ねてグラフ化したのが次の図。今回は傾向把握のため、データが取得可能な過去9年分まで延長している。

↑ 冷蔵庫買い替え年数推移(年、単身/一般世帯)(-2014年)
↑ 冷蔵庫買い替え年数推移(年、単身/一般世帯)(-2014年)

購入意思がそのまま決定に直結できる(他の家族の同意が要らない)、あるいは金銭的に余裕がある「単身世帯」の方が、買い替え期間が短い。これは他のデジタル系アイテムにも言えること。ただし昨今では「単身世帯」の方が長くなる年も確認できるなど、両世帯間の差異が縮まってきている。直近の2014年もその事例に当てはまる。

後述するが冷蔵庫の買い替え理由の大半は「故障」によることから、冷蔵庫の性能そのものが向上し、小型でやもすればチープな創りのものが見受けられる単身世帯用の冷蔵庫でも、それなりに長持ちするようになってきたのも一因だろう。

また他の白物家電では顕著に見受けられた、消費税率改定に伴う駆け込み需要の影響で生じる、買い替え年数の短縮化は、際立ったものとしては表れていない。両種世帯とも2013年と比べれば短縮しているが、誤差の範囲に留まっている。もっとも「一般世帯」の方が縮小幅が大きいのは、駆け込み需要への動機づけが大型冷蔵庫を用いていることによって、「単身世帯」よりも強かったからかもしれない。

属性別の動向を確認する


次のグラフは「一般世帯」「単身世帯」それぞれの属性における、過去7年間の買い替え年数推移をまとめたもの。なお一部区分該当者がいない、あるいはごく少数で数字化できない部分においては、「×」を配している。

↑ 冷蔵庫買い替え年数推移(年、一般世帯)(属性別)(-2014年)
↑ 冷蔵庫買い替え年数推移(年、一般世帯)(属性別)(-2014年)

↑ 冷蔵庫買い替え年数推移(年、単身世帯)(属性別)(-2014年)
↑ 冷蔵庫買い替え年数推移(年、単身世帯)(属性別)(-2014年)

7年間に限定すれば「単身世帯」では「最近になるに連れて買い替え年数が延びる」傾向にある。上記にある通り単身向け冷蔵庫の性能向上、それに加えて単身者の単身期間そのものが伸びるのに伴い、増加していることも考えられる。一方で「一般世帯」では経年による変化は見受けられない。

ただし直近の2014年に限ると、「単身」の60歳以上と女性、「一般」の全属性で、これまでとは少々異なる短縮の動きが見られる。上記でも触れているが、消費税率改定に伴う駆け込み需要として、前倒しで買い替えを行った影響が出ているものと考えられる。

世代別では「一般」「単身」共に年齢が上になるほど、買い替え年数が伸びる傾向がある。特に若年層は5年前後と短め。独立して一人暮らし、あるいは寮生活などで親元を離れて暮らし始めた際に、最初は小さな冷蔵庫を購入して使っていたものの、容量不足などから早期に買い替える状況が想像できる。「一般世帯」では30-59歳と60歳でほぼ同じ年数を示しており、家族向けの大型冷蔵庫を購入し利用し始めると、よほどのことが無い限り買い替えをしない状況は、年齢にさほど違いが無い様子が分かる。

例えば親子暮らしをしていた世帯で子供が独立して親のみの世帯となれば、当然冷蔵庫の容量は手持無沙汰となる。しかしその理由だけで小さな冷蔵庫に買い替えることはあまり想定できない。【冷蔵庫 買い替えをしない その理由 「故障しないしもったいないから」】にもある通り、元々冷蔵庫は消費電力の観点で買い替えはされにくいことから、多少の容量過多ならばそのまま利用し続けた方が面倒が無く、金銭上も損はしない……というそろばん勘定が出来てしまう(3万2000円の小型の冷蔵庫に買い替えて、消費電力が300円/月だけ節約できたとしても電気代の節約は年3600円にしかならない。旧冷蔵庫を4000円で処分してもらったとすると、節電分で新規購入の冷蔵庫の額のもとを取るまでに10年はかかる)。

なぜ冷蔵庫を買い替えるのか


最後に買い替えをした人に「買い替え理由」を、「一般世帯」「単身世帯」それぞれについて聞いた結果が次のグラフ。

↑ 冷蔵庫買い替え理由(一般世帯)(-2014年)
↑ 冷蔵庫買い替え理由(一般世帯)(-2014年)

↑ 冷蔵庫買い替え理由(単身世帯)(-2014年)
↑ 冷蔵庫買い替え理由(単身世帯)(-2014年)

小回りが利きやすい、あるいは上記に例示したように人生ステージの変更が容易に起きうる「単身世帯」の方が、「住所変更」による買い替えが多い。しかしその分「上位品目」が少なくなっている。「一般世帯」で「上位品目」回答が多いのは、子供の誕生や成長、親の受け入れなど世帯人数の増加で利用機会・量が増加し、今までの冷蔵庫では足りなくなったといった状況が考えられる。

また2009年-2010年度に展開されたエコポイント制度だが、冷蔵庫に関しては2011年3月末購入分まで適用された(エアコンやテレビも同様)。ギリギリで制度を活用した場合、2011年の回答に反映されたことになり、2012年分以降は適用外であることを考えると、「単身世帯」では2010年-2011年、「一般世帯」では2011年に「上位品目への買い替え」比率が上昇していることから、同制度は一定の効果があったように見える。また上記の属性別グラフでも、一部属性で2011年においてやや買い替え年数が短くなっており、「普通ならもう少し買い替えは控えるけど、エコポイントがもらえるうちに買い替えるか」との考えから、買い替えを決断した人が少なからずいたことがうかがえる。

さらに2014年では消費税率改定に伴う駆け込み需要が発生し、「単身」の「上位品目」と「その他」、「一般」の「その他」にやや大きな増加の影響を与えている。

それらの特異的な動きを除けば、特に大きな動きは無く、買い替え事由の多分には「故障」がついている。冷蔵庫は少々の品質向上では買い替えの動機を与えるほどのものでは無く、故障などでようやく買い替えの決断が出来る。言葉通り、本当の意味での「耐久財」といえよう。



【ワットモニター 購入・試用】などで示している通り、冷蔵庫ですらも上手な使い方をすることで、冷蔵庫の使用電力は随分と節約できる。入れ替えの手間、新品の冷蔵庫購入代金、さらには古い冷蔵庫の処分代までを合わせて考えると、少々の性能向上や省エネ効果程度では、買い替える決断がしにくい。他の家電製品同様、平均買い替え年数が10年前後と長め、最大買い替え理由が「故障(で修理するのにも結構な金額がかかるので、仕方なく)」というのも理解できる。

とはいうものの、あまりにも古い冷蔵庫を利用し続けていると、冷却性能に不安を覚えたり、毎月の電気料金請求に戦々恐々とするのも事実。当方もこれまで使っていた冷蔵庫がついに壊れ(電源を入れても冷えなくなった)、買い替えを昨年行ったが、世帯単位での電気使用量は確かに、確実に減少した。今件データにある「10年強」を超えて利用し続けている冷蔵庫があれば、今後のトラブルリスクを減らす意味も込めて、買い替えを検討することをお勧めしたい。


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