携帯電話の買い替え年数をグラフ化してみる(2014年)

2014/04/21 15:00

携帯電話(従来型携帯電話とスマートフォン双方)の進化・多様化は月単位で進んでおり、携帯電話事業者各社は四半期毎に大量の新型モデルを展開し、利用者の購入・買い替え意欲をかき立てさせる。また、従来型携帯電話からスマートフォンへのシフトに代表されるように、利用スタイルを大きく変えさせるレベルの変化を見せる動きも起きている。今回は内閣府が2014年4月17日に発表した【消費動向調査】の2014年3月実施分の調査結果を基に、「携帯電話の買い替え年数」の現状を確認していくことにする。

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買い替えは3年強、単身世帯がやや短め


消費動向調査は毎月調査を実施しているが年1回、3月分において、他の月よりは細部にわたる内容を調査している。その中の項目の一つ「主要耐久消費財の買替え状況」が今回スポットライトをあてる対象。これは「対象品目を回答年度(今回の場合は2013年4月-2014年3月)に買い替えをしていた場合、買い替え前の商品はどれだけの期間使っていたか」を尋ねた結果。つまり直近の買い替え実施者における「買い替えまでの年数」が示されることになる。もちろん新規に購入した場合や、買い替えが該当時期で無かった場合は回答に加わらない。

今回は従来型携帯電話以外にスマートフォンも含めた携帯電話全般の買い替え年数を抽出する(普及率などは両者の区分がなされているが、買替の項目では今なお「携帯電話」全体でひとくくりにて計測されている)。世帯区分別では「単身世帯」と「一般世帯(二人以上世帯)」、そしてそれを合わせた「総世帯」の3つが用意されているが、長期時期系列データが保存されているのは「一般世帯」のみ。そこでまずは「一般世帯」における、買い替え年数推移をグラフ化する。

↑ 携帯電話買い替え年数推移(年、一般世帯)(-2014年)
↑ 携帯電話買い替え年数推移(年、一般世帯)(-2014年)

長らく買い替え年数が上昇していた携帯電話だが、2012年にはじめて値が前年比で減少する動きを見せた。2013年でも減少を続けたが、これは従来型携帯電話が十分使用に耐えられる(老朽化していない)状況でも、スマートフォンへの買い替えを行う人が増えた結果によるもの。しかし直近の2014年ではこの減少の動きが止まり、3.5年へと伸びることとなった。従来型携帯電話からスマートフォンへの前倒し的な買い替え需要は終わりを告げたようだ(逆算して考えれば、従来3.5年程度の買い替えタイミングが前倒しされるのであれば、3年でその分が消費され尽くされるのは容易に理解できる)。

これを単身世帯の動向と重ねてグラフ化したのが次の図。

↑ 携帯電話買い替え年数推移(年、単身/一般世帯)(-2014年)
↑ 携帯電話買い替え年数推移(年、単身/一般世帯)(-2014年)

この数年は「単身世帯」の方が、ほんのわずかではあるが買い替え年数は長かった。家族割引制度などが使えず割高となりがち、そして本体買い替えの際の出費がより「懐に痛い」単身世帯では、買い替えの踏ん切りがつきにくい、出来るだけ長期間使い続けようとする意図が働いたものと考えられる。

しかし2012年では「単身世帯」の方が「一般世帯」よりも短い結果となった。ところが再び2013年では「単身世帯」の方が長くなり、「一般世帯」との差は0.5年にまで伸びてしまう。そして直近の2014年では差異こそ縮まったものの、「単身世帯」が長い状態に変わりはない。2012年は多分にイレギュラーとしての動きだったものと思われる。

経年変化を眺めてみる


次のグラフは「一般世帯」「単身世帯」それぞれの属性における、過去7年間の買い替え年数推移をまとめたものである。なお2014年分から大本の消費動向調査では、買い替え年数の調査結果において、世代区分がこれまでよりも細分化(10歳区切り)されることなり、データの連続性が取れなくなってしまっている。そこで29歳以下・30-35歳・60歳以上に該当する年代区分の結果を基に当方で加重平均を行い、元の区分に合致する値を算出し、グラフに反映させている。これは他の消費動向調査関連の記事でも変わらない。

↑ 携帯電話買い替え年数推移(年、一般世帯)(属性別)(-2014年)
↑ 携帯電話買い替え年数推移(年、一般世帯)(属性別)(-2014年)

↑ 携帯電話買い替え年数推移(年、単身世帯)(属性別)(-2014年)
↑ 携帯電話買い替え年数推移(年、単身世帯)(属性別)(-2014年)

「一般世帯」ではほぼ一様に買い替え年数は長期化していたこと、2012年以降発生している時期短縮の動きが、性別は関係無く、主に「30-59歳」層によるものであることが分かる。唯一増加を続けていた「29歳以下」層も2013年になると急激な短縮ぶりを示しており、iPhoneの最新機種をはじめとしたスマートフォンへの切り替えの加速が、若年層で起きていることを予見させる。ただし2014年限れば男女・世代を問わずに長期化の動きが見られる。前倒し派のスマートフォン購入がほぼ終わり、従来型携帯電話を頑なに使いつつけてきた人たちのシフトが始まったようにみられる。

一方「単身世帯」ではややばらつきがあるものの長期化傾向にあったが、2013年になると各層で時間短縮の動きが見て取れた。ただし「男性」「60歳以上」では逆に伸びていることから、単身の高齢男性によるスマートフォンへの切り替えが深部に渡りつつあるようだ(これまで買替を拒み、長期間使っていた層でも、買い替えを行うようになったということ)。2014年では「30-59歳」層でも伸びる動きを示しており、前倒しでない、今まで通りの買い替えパターンにのっとったスマートフォンへのシフトが起きているように見える。これは直後の「買い替え理由」からも容易に推測できる。

変化を見せる買い替え理由


最後に「買い替え理由」を「一般世帯」「単身世帯」それぞれについて確認する。2008-2009年では比較的高かった「上位品目への買い替え」が2010年に落ち込み、2011年以降は再び増加の一途をたどっていた。2014年ではその動きが転じ、「上位品目」が大きく減り、「故障」「その他」が増加する動きを示している。

↑ 携帯電話買い替え理由(一般世帯)(-2014年)
↑ 携帯電話買い替え理由(一般世帯)(-2014年)

↑ 携帯電話買い替え理由(単身世帯)(-2014年)
↑ 携帯電話買い替え理由(単身世帯)(-2014年)

元々携帯電話は流行を追い求められやすい(アクセサリー的な使われ方をする)、そして技術進歩が加速度的なことで、短期間(多くは四半期単位)で高性能な機種が続々発売される傾向があるため、「上位品目への買い替え」の回答率が高い。2008-2009年の「上位品目」の値の高さは主に「FOMAの全面展開」と「iPhoneの日本国内展開開始」、そして2011年以降は2011年10月に発売されたiPhone 4S、そして2012年9月21日に発売のiPhone 5によるところが大きい。2013年までは年々「上位品目」を理由に挙げる人が増加したが、2014年では久々に低下した。従来型からスマートフォンへの買い替えを強く求める層の前倒し消化が進み、通常のパターンに戻ってきたというところか。



従来型携帯電話からスマートフォンへの買い替えは、携帯電話の買い替えにおいては大きな後押し(多分に前倒しという意味での)となる。しかしこの数年継続してきた買い替え期間の短縮や買い替え理由の「上位品目」の増加の動きにブレーキがかかったことから、従来型携帯電話を利用していてスマートフォンに一刻も早く買い替えたい人たちの買い替え機運は、ほぼ終了したように見える。今後は数年前の値に近い形に戻り、大部分がスマートフォンからスマートフォンへの買い替えという形に移行するのだろう。

なお冒頭でも触れた通り、消費動向調査においては「タブレット機の導入」「携帯電話をスマートフォンとスマートフォン以外に分離」などの動きが見られている。しかし今件買い替え年数動向に関しては、昨年同様携帯電話全般としての算出が続いている。今後さらにスマートフォンへのシフトが進む一方、シニア層などでは従来型携帯電話の需要が手堅いまま継続している動きも確認されていることから、買い替え理由においても携帯電話の細分化を願いたいものだ。


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