市場観指数はわずかながら下落、国内企業の業績へ注目が高まる…野村證券、2015年3月分の個人投資家動向発表

2015/03/13 09:00

野村ホールディングス(8604)のグループ会社野村證券の一部門である「グローバル・リサーチ本部」は2015年3月12日、個人投資家の投資動向アンケート調査における結果報告書「ノムラ個人投資家サーベイ」の最新版(2015年3月分)を公開・発表した(【野村證券リリース一覧ページ】)。その内容によれば今後3か月後の株価見通しを調査対象母集団に尋ねた結果で算出される「ノムラ個人市場観指数」は、先月から継続する形でわずかながらも下落し、47.2を示すこととなった。株価の先行きに関しては「小幅な上昇」を見込む意見が先月と比べ、最大の回答率減少幅を示している。

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今調査は1000件を対象に(有効回答数が1000件に達した時点で締切)2015年3月2日から3月3日に行われたもので、男女比は83.7対16.3。年齢層は60代以上がもっとも多く31.7%、次いで50代が30.9%、40代が26.7%など。金融資産額は1000万円-3000万円が一番層が厚く32.5%、500万円-1000万円が16.3%、3000-5000万円が13.0%と続いている。回答者の投資経験年数は10年から20年未満が最高比率で34.4%、次いで20年以上が28.6%、5年から10年未満が24.7%と続いている。比較的長期間投資に携わってきた人が多い。

投資に対して重要視する点は、おおむね長期投資が最大値で51.3%と5割強でもっとも多い。ついで配当や株主優待が24.0%とほぼ1/4。短中期間の売買に伴う売却益より、配当収入や優待確保などの中長期的な安定感を求める投資方針が多勢(約3/4)を占めている。

詳細はレポートで確認してほしいが、概要的には次の通り。

・3か月後の株価見通しを示す投資指数は47.2ポイント。前回からは0.2ポイントの下落。前月の上昇から続く方向性の動きだが、下げ幅はほとんど誤差の範囲。この時期、日経平均株価は前月比で1270円ほど上回っており、少なくともさらなる上昇を予見する人は先月からわずかながらも減ったようだ。

・3か月後の日経平均株価の上昇を見込む比率は合計で73.6%。前月分の73.7%からは0.1%ポイントの下落。こちらも投資指数同様にわずかながら下落している。「1000円程度の上昇」を見込む意見がもっとも多い状況は先月から同様だが、9.3%ポイントもの下げ幅を示し、全選択肢で最大の下げ幅。他方上げ幅では「2000円程度の上昇」の回答者率のものがもっとも大きく、5.8%ポイントの上昇となった。

・市場に影響を与え得る要因としては「国際情勢」が最大値を示したことに違いは無いが、わずかに減少。回答時期にギリシャへの金融支援延長が決まったことが影響を与えているものと考えられる。他方「国内企業業績」は前月比でプラス3.8%ポイントとなり、最大の上げ幅を見せた。

・魅力的な業種は「自動車」「資本財・その他」「医薬品」「金融」の順で、ここまでがDIではプラスかゼロ。そして「素材」「電気機器・精密機器」「通信」「運輸・公共」「消費」はマイナス圏。「金融」がプラス化し、「通信」がマイナスに転じたのが大きな動き。「消費」は今回月も改善し、0.8ポイント上昇を示した(とはいえまだマイナス圏に違いは無い)。

・ドル円相場に対する見通しは「やや円高ドル安」の意見がもっとも多く、先月の「やや円安ドル高」が最多回答率の状況から転じる形となった。為替レートの大きな変化に、天井感を覚えた人が増えたようだ。

・通貨への投資魅力は「アメリカドル」が最上位で、「日本円」「オーストラリアドル」が続く。「日本円」は大きく値を上げている。「イギリスポンド」「カナダドル」が大きくそれらに後れを取るもDI値ではギリギリプラスで、それ以外はマイナス。「中国元」は相変わらず大幅なマイナス。

・もっとも注目を集めた金融商品は「国内株式」。次いで「預貯金」「国内投資信託」。この順位は先月から変化なし。DI値も大きな変化は見られないが、「国内株式」と「国内投資信託」がいくぶん値を上げている。

気になる「保有したい、注目していきたい銘柄」、つまり調査対象母集団における個人投資家が購入したいと考えている銘柄は、鉄板銘柄ともいえるトヨタ自動車(7203)がトップに。この鉄板ぶりは過度の円高の時期に同社株式が大いに低迷した一時期をのぞけば、まさにダイヤモンドのごとし。

1位……トヨタ自動車(7203)
2位……みずほフィナンシャルグループ(8411)
3位……三菱UFJフィナンシャルグループ(8306)
4位……オリエンタルランド(4661)
5位……ソフトバンク(9984)

鉄板のトヨタ自動車は別として、それ以外の銘柄は多分に時節に合わせて上下する傾向がある。今回月では決算を間近にひかえ、業績が大いに注目されている金融セクター銘柄が上位に複数顔を見せる形となった。常連の武田薬品工業や先月上位入りして注目の的となったANAホールディングスは10位内には入っているものの、5位までには至っていない。



今回月では国内外共に市場に影響を与える要素は相変わらず多数存在し、状況の変化の中にあるものの、インターミッション的な期間の雰囲気を覚えさせる。ただ、「嵐の前の静けさ」の言葉にもある通り、これから市場が荒れる要因が生じる可能性は多分にある。

差し当たって気になる要素としては原油価格が挙げられる。底値をついて反転し始めるようにも見えたが、結局少しばかり値を上げたところで再び低迷し、単純な需給関係による値動き以上の気配を覚えさせるところがある。無論、原油を元にした燃料を使う機会が多い企業や一般世帯にとってはありがたい話ではあるのだが。

アノマリー的な話では年度を超えるとゴールデンウィーク前後までが上昇機運を示し、その後株価は低下の動きを示すこととなる。今年はいかなる値動きを示すのだろうか。


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