日米間で同じ認識、異なる認識…太平洋戦争について思うこと

2015/04/13 11:32

太平洋戦争終結から70周年を迎え、日米双方で多数の戦後動向に関する調査が行われている。アメリカの民間調査会社Pew Research Centerでも2015年4月7日に、日米両国民の相手国への想いなどを調べた調査の結果報告書【Americans, Japanese: Mutual Respect 70 Years After the End of WWII】を発表している。今回はその中から、太平洋戦争に絡んだ事案について、現在の日米両国民の考えをまとめていくことにする。

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今調査の調査要目は先行記事【戦後70周年を迎えた日米間の相手への考え方の共通認識と違う点】を参照のこと。

まず最初に示すのは、1945年8月に広島・長崎に相次ぎ投下され、日本の終戦を決定づける一因となった原子爆弾(原爆)の投下について、これを正当化できるか否か。

↑ 1945年の米軍による広島・長崎への原爆投下は正当化できるか
↑ 1945年の米軍による広島・長崎への原爆投下は正当化できるか

日本では圧倒的に正当化できないとの意見が多く79%。出来るとの意見は14%でしかない。他方アメリカは正当化できるとの意見は56%で、出来ないとの意見は34%。経年変化による調査結果が無いので比較は出来ないが、思った以上に肯定派が少ない感はある。

核兵器を相手国の都市部に投下したことへの賛否は今なお両論相次ぎ、どちらか一方の意見が正当化され、他方が完全な間違いという事は無い。ただし当時は現在と比べさまざまな影響に関する検証が成されていない・遅れており、アメリカ軍部でも多分に「非常に威力の大きな兵器」で、「少々通常兵器とは異なる影響が生じる」程度の認識しかなかったのは否めない。仮に戦後直後に同様の調査が行われていれば、アメリカでは圧倒的多数で「正当化できる」との意見が占められたことだろう。

太平洋戦争においてもう一つ気になる事案と言えば、日本における戦争責任問題。

↑ 第二次世界大戦における日本の戦争責任への謝罪は十分か
↑ 第二次世界大戦における日本の戦争責任への謝罪は十分か

日本では48%が十分とし、15%が謝罪の必要はないとしている。不十分との認識は28%。アメリカでは十分謝罪済みとの認識は37%に留まっているが、その代わりに元々謝罪の必要はないとの認識は24%と高め。不十分との意見は日本とほぼ同率の29%となっている。

なお直接今件に関係は無いものの、日本の姿勢と引き合いに出されることが多いドイツに関して、ドイツ自身の責任についても同様の調査が行われており、その結果が提示されている。それによれば謝罪は十分とする意見は33%、謝罪の必要は無いとの意見は21%、不十分との意見は37%となっている。不十分の意見がやや高めだが、認識はアメリカのそれに近い。



今調査ではアメリカ人に限定し、アジア周辺国における軍事問題などへの認識も尋ねている。関連項目もあるため、合わせて掲示しておこう。

↑ アジア関連の問題におけるアメリカ人の認識(どれ程知っているか)
↑ アジア関連の問題におけるアメリカ人の認識(どれ程知っているか)

北朝鮮の核開発問題は自国にも直接関わり合いがあることから、認識度は極めて高めで8割以上が知っている。ところが尖閣諸島など中国と日本などをはじめとした諸外国との領土問題への認識度は6割に留まり、知らない人も4割近くいる。さらに日本の「従軍慰安婦」とされる問題は認識率が4割、全く知らない人も6割近くとなっている。

アメリカに絡んだアメリカにおける報道はさほど多くないが、同国の具体的な動向、認識度の一端がつかみ取れるかもしれない。


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