小中高校生のネット接続の際の無線LAN使用状況をグラフ化してみる(2016年)(最新)

2016/04/21 11:15

日本のインターネット浸透を加速させた要因の一つに、インターネットのアクセスに関する定額制の普及がある。よほど高密度の利用をしない限り、一定期間における使用料金に変わりは無く、同じ環境での利用が保証されるもので、利用時間を気にしながらアクセスしなければならない従量制から飛躍し、まさに呼吸するかのような利用スタイルが可能となった。昨今インターネットの窓口として注目を集めているスマートフォンでも、ネットへのアクセスの際には似たような制度が適用されることが多いが、一定の利用度を超えるとスピードが極端に抑えられることも多々あり、その他の制限も存在する。そこでその制限の緩和が期待できる、無線LAN経由でのアクセスをする場面も増えている。今回は内閣府が2016年3月31日付で確定報を発表した、【平成27年度青少年のインターネット利用環境実態調査結果】の報告書データから、小中高校生における主要インターネット接続端末でネットへアクセスする際の、無線LANの利用経験の現状を確認していくことにする。

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今調査に関する調査要項は先行記事の【高校生はスマホ9割、ノーパソ3割近く…小中高校生のネット機器利用状況をグラフ化してみる(2016年)(最新)】を参考のこと。

今調査の該当項目では、インターネットを利用する際に、Wi-Fiなどの無線LANを使うことがあるか、「使っている」「使うことは無い」「分からない」の三択で尋ねている。現在常用しているか否かでは無く、あくまでも利用経験の有無、アクセス手段の一つとして認識しているかを聞いていることになる。

また無線LANそのものについては設問票では「携帯電話事業者の回線(3G回線やLTEなど)とは別に、自宅や店などにあるインターネットの無線アクセスポイントに接続する機能」との説明がある。例えば自宅でパソコン向けなどとして契約しているインターネット回線を用い、無線LAN接続をすれば、利用エリアは自宅内に限られる(場合によっては自宅内でも無線が届かず接続できない場合もある)ものの、インターネットにアクセスする際の追加料金は不必要となる。住宅向けの回線はスマートフォンなどの携帯電話向け回線と比べ、利用情報量などの点で制限が緩いのが常である。

まずはパソコンやスマートフォン。調査票ではスマートフォンに関して他に「格安スマホ」「機能限定・子供向けスマホ」の項目もあり、回答値も掲載されているが、回答母数が少数で比率にぶれがあるため今件グラフには掲載はしていない。

↑ 該当端末でインターネット利用者における無線LAN利用経験率(2015年)
↑ 該当端末でインターネット利用者における無線LAN利用経験率(2015年)

スマートフォンは自宅外、例えば通学中や遊び先で使うことも多いことから、利用率はさほど高くない。中高生で8割強、小学生で7割。

他方、携帯電話会社との契約が切れたスマートフォンは高めの値が出ており、男子高校生では100%の結果が出ている。契約が切れたスマートフォンで無線LAN「以外」でインターネットに接続する方法は一般的には考えにくく、また回答の前提が「該当端末でインターネット利用者」となっていること、加えて前提となる機種選択の回答票における項目説明で「(無線LAN回線の利用のみ)」となっていることから、回答者自身が誤認している可能性は多分にある。実質的には全部の事例で100%と見て良いだろう。

機動性の問題もあり、パソコンではノートパソコンの方が無線LANの利用率は高い。全体で10%ポイントほどの差が出ている。高校生ではノートパソコンを利用している人の4/5は無線LANを使うことがあるとしている。

パソコンやスマートフォンはその利用形態は容易に想起できるが、気になるのは次のグラフの対象端末、タブレット型端末や携帯音楽プレイヤーなど。

↑ 該当端末でインターネット利用者における無線LAN利用経験率(2015年)(パソコンやスマートフォン以外)
↑ 該当端末でインターネット利用者における無線LAN利用経験率(2015年)(パソコンやスマートフォン以外)

パソコンにおけるデスクトップとノートの差異のように、機動力の低い端末ほど利用率も低い、見方を変えれば有線接続されている可能性が高いことを示唆する結果が出ている。ゲーム機では携帯ゲーム機の方が大よそ利用率は高い。また携帯音楽プレイヤーは7割、タブレット型端末は8割強、学習用タブレットでも7割強と高い値を示しており、いずれも屋外に持ち歩いた上でのネット利用としてのスタイルよりもむしろ特定拠点、特に自宅で無線LANを用いた利用がなされていることが分かる。逆に自宅などの屋内における無線LAN環境の整備が、タブレット型端末の利用を後押ししていると解釈しても良いだろう。

残念ながら今調査では無線LANの利用頻度は設問に無いため、これら利用経験者における詳しい利用状況までは確認ができない。ただ、実際の利用スタイルを想起すれば、快適性や料金との兼ね合わせから、無線LANが使える環境なら(、そして安全面などを考慮して利用しても良いと判断できる場面なら)、積極的に利用する人は多分にいるはず。

調査データを見る限りでは、調査対象母集団のうちインターネットを何らかの形で利用している人2743人のうち、無線LANを用いてアクセスすることがある(アクセス手段の一つとして認識している)人は2175人・79.3%。調査対象母集団全体の3442人に対する比率は63.2%となる。今後新規に発売されるインターネットへ接続できる主要端末で、無線LANに非対応のものは(子供向けなどの制限事情が無い限り)想定しにくいことから、来年以降はさらに利用状況は進むに違いない。


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