小中高校生の電子書籍利用状況をグラフ化してみる(最新)

2018/04/16 05:23

2018-0415紙媒体による出版業界を大きく揺るがしているのがインターネットの存在だが、同時にそれを紙代わりのインフラとして用い、デジタルによる書籍の提供・販売を行うことで、時代の流れに乗る動きもある。スマートフォンをはじめとするインターネットの窓口となる端末が急速に普及する昨今、子供達の間に電子書籍はどこまで浸透しているのか。今回は内閣府が2018年3月30日付で確定報を発表した、【平成29年度青少年のインターネット利用環境実態調査結果】の報告書から、小中高校生における主要インターネット接続端末を用いた、電子書籍の利用状況を確認していくことにする。

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今調査に関する調査要項は先行記事の【小中高校生のネット機器利用状況をグラフ化してみる】を参照のこと。

次に示すのは主要なインターネットへの接続可能媒体でインターネットを利用している人における、電子書籍の利用状況。設問表では「何をしているか」の対象として「電子書籍」とのみ記述され、具体的な説明は無い。厳密には電子書籍と電子雑誌は別物扱いされることが多いが、今件状況では「インターネット上で読める本や漫画、雑誌など」すべてを対象としていると判断し、回答したものと見た方が間違いは無い。また有料・無料の別の設定も無いため、単純に閲読しているか否かを答えてもらったものと見なす。

なお該当しそうな機種のうち子供向け娯楽用タブレットは当てはまる人数が総数で4人しかいなかったので、統計的に問題があるため省略している。また学習用タブレットは総数が108人だが属性別の仕切り分けでは数十人しかいないため(たとえば高校生は男子9人・女子5人の計14人)、参考値として取り扱い、グラフには掲載するが検証の対象にはしない。また一部属性で空欄の部分があるが、その属性では回答者自身が存在しないことを意味する。

↑ 電子書籍利用者比率(2017年、該当機種でインターネットを利用している人限定)
↑ 電子書籍利用者比率(2017年、該当機種でインターネットを利用している人限定)

パソコンでは女子中学生でデスクトップパソコンが17.1%の値を計上しているが、それ以外の属性では1割にも満たず、総数でも6.1%のみ。

タブレット型端末は小学生ではパソコンとあまり変わらない、むしろ低い値だが、中学生や高校生では大きく伸び、1割強の値を示す(男子高校生では9.5%だが)。他方スマートフォンでは中学生で1割強、男女別では女子の方が積極的に電子書籍を利用している。高校生になると男女の差はほぼ無くなり、2割近く。スマートフォンを使ってインターネットを利用している高校生のおよそ1/5は、電子書籍を利用している計算になる。

インターネット利用端末の利用者における電子書籍の利用状況としては、スマートフォンが一番、タブレット型端末が2番、パソコンはひかえめといった形(学習用タブレットは上記の通り利用者少数で統計上のぶれが懸念されるため除外する)。また中学生から積極的に読み進められ、高校生ではスマートフォンで2割近い閲読率を示している…

…が、これは該当端末でインターネットの利用者限定。電子書籍の現状を把握するためには、むしろ各属性毎の利用状況を知りたいところ。そこで各属性における電子書籍利用率を算出した結果が次のグラフ。例えば総数のスマートフォンは7.8%の値が出ているので、小学生から高校生を合わせた全体のうち7.8%、およそ13人に1人はスマートフォンで電子書籍を利用していることになる。

↑ 電子書籍利用者比率(2017年、各属性全体比)
↑ 電子書籍利用者比率(2017年、各属性全体比)

元々各該当端末によるインターネット利用率が低い小学生は、誤差の範囲に収まる利用率しかない。実質的に「読んでいる人はナシ」と見ても構わないレベル。中学生になるとスマートフォンやタブレット型端末では利用率の高さが後押しする形でそれなりの利用者率を示す。

そして高校生。スマートフォンそのものの利用率が圧倒的な値を示していることから、それを用いた電子書籍の利用者率もグンと跳ね上がる。高校生全体の17.4%、およそ6人に1人はスマートフォンで電子書籍を閲読している計算になる。タブレット型端末の場合はおよそ59人に1人。



今件調査は小学生から高校生を対象としたものであるため、当然大学生以上の大人の動向は把握できない。ただ、例えば総務省の通信利用動向調査によれば2015年末時点でインターネット利用者に限定した場合、男性40代でも8.0%に過ぎないとの結果が出ている(2016年分以降の調査では該当項目は存在しないので、これが最新値)。

↑ 電子書籍の購入者比率(2015年末、インターネット利用者限定、比重調整・無回答調整なし)(再録)
↑ 電子書籍の購入者比率(2015年末、インターネット利用者限定、比重調整・無回答調整なし)(再録)

調査様式が異なるため単純比較はできないが、高校生のスマートフォンによる電子書籍の閲読意欲は相当高いと見てよいかもしれない。


■関連記事:
【電子書籍購入者状況をグラフ化してみる(2016年)(最新)】
【この4年間の電子書籍利用者推移を探る】
【パソコンからタブレットや電子書籍リーダーへ…米電子書籍の購読端末の変化】

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