小中高校生のゲーム機・携帯音楽プレイヤー・タブレット型端末によるインターネット利用状況(最新)

2021/06/23 03:49

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2021-0611インターネットの普及が進むに連れて、その世界へのアクセスの窓口も多様化を見せる。ほんの数年前まではごく一部の機種にしか実装していない、使えるソフトも一握りでしかなかった家庭用ゲーム機のインターネット対応も、今では当たり前の話となっている。今回は内閣府が2021年3月31日付で報告書を発表した、【令和2年度青少年のインターネット利用環境実態調査結果】から、小中高校生のインターネットの普及に連れて注目を集めつつある家庭用ゲーム機や携帯音楽プレイヤー、タブレット型端末によるインターネット利用状況を確認していくことにする。

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今調査に関する調査要項は先行記事の【小中高校生のネット利用端末はスマホが一番、次いでタブレット型端末(最新)】を参照のこと。

次に示すのは据置型ゲーム機や携帯ゲーム機、携帯音楽プレイヤー、タブレット型端末、さらには学習用タブレット、子供向け娯楽用タブレットのインターネット利用動向。全体比でどれほどの人が、これらの端末を使ってインターネットを利用しているかを算出した値。例えば据置型ゲームの総数は27.8%となっているので、小中高校生全体の27.8%は据置型ゲーム機でインターネットを利用していることになる。無論、インターネットを使わずにこれらの端末を利用している場合も多々あるため、今件の値がそのまま各端末の利用率を意味するものではない。

↑ ゲーム機・携帯音楽プレイヤー・タブレット型端末によるインターネット利用状況(対各属性全体比、機種別)(2020年)
↑ ゲーム機・携帯音楽プレイヤー・タブレット型端末によるインターネット利用状況(対各属性全体比、機種別)(2020年)

↑ (参考)ゲーム機・携帯音楽プレイヤー・タブレット型端末によるインターネット利用状況(対各属性全体比、機種別)(2019年)
↑ (参考)ゲーム機・携帯音楽プレイヤー・タブレット型端末によるインターネット利用状況(対各属性全体比、機種別)(2019年)

パソコンやスマートフォン以外では小学生から中学生にかけては携帯ゲーム機や据置型ゲーム機、タブレット型端末がインターネットのアクセスへの主な窓口。男子はゲームを好むことから携帯ゲーム機の方が高い値を示すが、女子はタブレット型端末の方が高い。高校生になるとタブレット型端末の利用率が落ちるものの、携帯ゲーム機の利用率も同時に落ちるため、トップは男子が据置型ゲーム機、女子がタブレット型端末となる。

なお前年2019年と比べると、据置型ゲーム機の値が大きく伸びている。例えば据置型ゲーム機の総数は11.2%、男子小学生は14.4%でしかなかった。これは新型コロナウイルス流行による巣ごもり現象で在宅時間が増えたことで据置型ゲーム機の需要が高まったこと、そして携帯ゲーム機としても使用可能なNintendo Switchが大いに普及したのが原因だと考えられる。

数年前まではスマートフォンや携帯ゲーム機代わりに、インターネットアクセス用端末としても使われていた雰囲気もあり、高い値を示していた携帯音楽プレイヤーだが、スマートフォンなどへのシフトが進んでいるようで、直近年ではすべての属性で1割以下となり、ほとんどの属性で据置型ゲーム機よりインターネット利用率が低くなっている。

タブレット型端末のインターネット利用率は学校種類別では小学生が最大値を示しているが、小学生は41.5%、中学生は37.5%と、さほど変わらない値となっている。しかし高校生では29.5%と3割を切ってしまう。現在高校生の世代ではスマートフォンが先に普及しており、さらに調達することが認められない、あるいは利用の必要性を感じないことによるものと考えられる。たとえ家庭にタブレット型端末があったとしても、それを本人が使おうとしないのであれば、今件設問では回答はしないからだ。

ゲーム機、音楽プレイヤー、タブレット型端末のインターネット利用状況率の変化を小中高の流れで見ると、それぞれの年齢属性における考え方の違いや、各端末の普及状況の事情が浮かび、大変興味深い結果と言える。例えば女子高校生ではタブレット型端末ですら、インターネット接続の上で利用されているのは29.0%でしかない。多くはスマートフォンに活躍の場を奪われていることは容易に想像できる(実際その通りで、女子高校生の場合、全体の93.9%がスマートフォンでインターネットを利用している)。

ここ数年でタブレット型端末によるインターネットの利用率が大きく伸び、携帯音楽プレイヤーはしぼんでいる。一方、2020年では新型コロナウイルス流行とNintendo Switchの影響と思われる、据置型ゲームの利用率が大きく増加するという現象が生じた。今後全体比における単純利用率やインターネット利用率がどのような変化を見せていくのか、来年以降の動向に大いに注目したい。


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