今世紀のお菓子の売れ行き具合をグラフ化してみる(2014年)

2014/04/01 08:00

先行記事【業界規模は3兆1757億円・お菓子の売れゆき具合をグラフ化してみる(2014年)(最新)】で直近となる2013年における、日本国内のお菓子業界の動向を確認したが、そのデータを収録する全日本菓子協会のサイトでは毎年定点観測的に売上高を報告し、似たようなレポートを発している。そこでそれらのデータを集約し、今世紀に入ってからの各お菓子の販売状況の推移をチェックし、業界の動きを垣間見ることにする(【菓子統計・統計資料:発表リリース一覧ページ】)。

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先行記事の通り、2013年においては和生菓子が最も売れており、次いでチョコレート、洋生菓子が続いている。数年の範囲ではチョコレートが伸び、洋生菓子はやや軟調。

↑ 菓子小売金額(2009-2013年、億円)(再録)
↑ 菓子小売金額(2009-2013年、億円)(再録)

それでは過去はどのような売上高を示していたのか。その推移を示したのが次のグラフ。2001年以降の各種類別売上高を単純に折れ線グラフにしている。

↑ 種類別・お菓子の小売金額推移(億円)
↑ 種類別・お菓子の小売金額推移(億円)

第一印象としては「大きな変化がないネ」。今世紀の動向としては2007年夏に始まる金融危機、リーマンショックなどの不況、そして2011年の震災など、多くの経済的な揺り動かしをもたらす事象が発生し、その影響が多分に生じている。実際、2007年から2008年以降、右肩下がりを示している項目が複数確認できる。とはいえ、一部を除けばさほど大きな変化は見られない。

一方で洋生菓子やガムの不調、チョコレートの堅調、米菓やスナック菓子の順調さなど、今世紀以降の動き全体として見ると、種類単位で浮き沈みが結構起きていることが分かる。

とはいえ、元々ベースとなる額面が異なるため、それぞれを一度にまとめたのでは、さすがに個々の種類毎の状況が把握しにくい。そこで個々の種類別にもっとも古い値の2001年の売上高を基準値の100.0%とし、2002年以降はどのくらいの額になったか、つまり「2001年比(前年比では無いことに注意)」をグラフ化したのが次の図。これなら種類別の動向がよく分かる。

↑ 種類別・お菓子の小売金額推移(2001年の額を100%とした時の推移)
↑ 種類別・お菓子の小売金額推移(2001年の額を100%とした時の推移)

当方(不破)が好きな「せんべい」は一様に下げ続けており、ややショックを覚えるものがある。一方で類似品ともいえる「米菓」は年々順調な伸びを示しており、あるいはシンプルな「せんべい」から、より変化の富んだ「米菓」へと趣向がシフトしている可能性が見えてくる。

単純に仕切り分けをするのも問題かもしれないが、プラス圏とマイナス圏で区分すると、「飴菓子」「チョコレート」「ビスケット」「米菓」「スナック菓子」「油菓子」はプラス圏、「チューイングガム」「せんべい」「洋生菓子」「洋和菓子」はマイナス圏での推移となる。さらに直上で解説した2007年の景気後退開始以降、「ビスケット」「せんべい」「油菓子」のトレンドが下げに転じた雰囲気を見せ、「チョコレート」は逆にプラスに転じている。

また、「せんべい」「チューイングガム」の下落傾向は深刻で、特に「チューイングガム」は10年強の間に売り上げを3割近くほど落としてしまっている。消費性向の大規模な変化(高齢化もその一因)の中に巻き込まれた形といえる。昨今のガム業界ではしきりに大きなプロモーションを実施したり、奇抜な発想の新商品が送り出されているが、その理由の一端がこのグラフに表れている。



【不況下でも「強い」企業たち】でも解説しているが、単価が安くて容易に心の安らぎを得られるお菓子類、特に甘味の強いチョコレートなどは、比較的不景気の影響を受けにくい。さすがに砂糖をはじめとする原材料の高騰などは要因として避けられないが、それでも他の小売商品と比べれば、景気による売り上げ減は最小限のものに留まっている。むしろ売り上げを地道に伸ばす種類もある。

企業としては利益を得なければならず、売り上げだけで万事OKではない(極論として売上高経常利益率がゼロなら、いくら商品を売っても利益は無しとなる)。しかし最低限の条件として、売り上げを得ることが欠かせないのもまた事実。その観点で考えれば、もちろん努力は重ねているとはいえ、「総額」の値がほぼ100%を維持しているお菓子業界は、比較的手堅い業界といえよう。


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