自国のテレビや新聞、雑誌が情報源として一番…諸外国の日本の情報入手先や期待する報道内容(2016年)(最新)

2016/04/25 05:04

自国と異なる生活様式や文化を持つ他国へ、興味関心を抱くことは誰にでもある好奇心の発芽に違いない。そしてそれは同時に、他国からもまた、自国がそのような興味を抱かれることを意味する。自国が他国からどのように思われ、どの部分に興味を持たれているかは、知る機会が少ない一方で、気になる話ではある。今回は新聞通信調査会が2016年4月18日に発表した、アメリカやイギリス、フランス、中国、韓国、タイへのメディアに関する世論調査「諸外国における対日メディア世論調査(2016年実施)」などの内容から、日本のどの点に興味を持たれているか、そしてどのようなルートから日本の情報を入手しているかについて確認していくことにする(【発表リリース:諸外国における対日メディア世論調査(2016年実施)】)。

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フランスの関心度、きわめて高し


今調査における調査要項は先行記事【諸外国から見た新聞の信頼度、そして今後も役割を維持できるか否か】を参照のこと。

次に示すのは日本の特徴や個性、様相を主要な分野に仕切り分けした上で、それぞれの分野について興味関心を抱いているか、諸国の人たちに尋ねた結果。複数回答形式なので、いずれにも興味関心が無ければ答える必要は無く、逆にすべての項目で興味があれば全部の選択肢を選んでも良い。つまり個々の国で回答率が高いほど、多方面で日本への関心が高いことをも意味する……

……のだが。今件部分は2016年調査では設問そのものがばっさりと削除されてしまった。次以降の設問にも大いに連動する内容であるため、今回は前年分となる2015年調査分の結果を再構築の上で再掲し、検証する。

↑ 日本に対して興味を持つ分野(複数回答)(2015年)
↑ 日本に対して興味を持つ分野(複数回答)(2015年)

アメリカ合衆国とイギリス、フランスでは項目別興味関心の順位には大きな変化が無い。歴史や文化がもっとも高い関心を集めており、次いで科学技術が続いている。フランスでは観光の値がやや高めに出ているが、米英と同じく生活様式・食文化への関心の高さも変わらず。一方で関心の全体的な度合いは欧米3か国ではフランスが一番高く、次いでイギリス、アメリカの順となっている。アメリカ合衆国の関心度の低さは意外といえば意外。

他方東南アジアでは韓国が意外に醒めている。その分、タイの高さが余計に際立つ形。また欧米諸国と比べると歴史と文化や科学技術より、生活様式・食文化や観光に対する関心度が高く、欧米と東南アジアとでは、日本に対する注目先が異なっている傾向が示唆されている。中国は2015年の時点では質問自体が不可能だった項目が多く、グラフのような状況だが、直近分2016年ではすべての設問が他国同様回答可能となっている。是非とも同国の傾向を知りたかったのだが。

日本の情報はどこから入手しているのか、日本のメディアに何を期待するか


かの人たちはどのようなルートで日本の情報を入手しているのだろうか。

↑ 日本に関する情報の入手先(複数回答)(2016年)
↑ 日本に関する情報の入手先(複数回答)(2016年)

どの国でも最大の入手先はインターネット……では無く自国のテレビや新聞、雑誌といった従来型大手メディア。インターネットがそれに続くが格差は大きく、さらにアメリカ合衆国では意外にもインターネットより自分の家族や親戚、知人経由によるところが大きい。欧米では学校教育も相当数に登っているが、韓国やタイでは値は小さく、従来型大手メディアとインターネットに頼っていることが分かる(タイでは家族や親戚経由もインターネットに迫る勢いだが)。

今件が対面・電話調査によるものでインターネット経由の調査のようなメディアギャップを考慮しなくてよい結果であることを合わせて考えると、他国への日本の情報周知にはインターネット経由はもちろんだが、それぞれの国に対する大手従来型メディアへの情報公開、日本に来日している人たちへの積極的なアプローチ、アジア諸国ではそれに加え学校教育に対する考慮が求められると考察できよう(歴史的背景を考慮すると難しいかもしれないが)。

それではインターネットや各種実媒体などで国外にも情報発信をしている日本の各メディアに対し、諸外国の人たちはどのような期待をしている、日本のどの部分の情報発信を望んでいるだろうか。見方を変えれば日本のメディアに対し、対外情報発信の際には重点を置いてほしい分野である。

なおタイの科学技術とイギリスの政治・経済の部分が空欄となっているが、これはリリース側のミスによるもの。前者は84.1%以上88.9%以下、後者は51.7%以上55.2%以下であることは確認されている。

↑ 日本のメディアに期待する報道内容(複数回答)(2016年)
↑ 日本のメディアに期待する報道内容(複数回答)(2016年)

米英は大よそ同じ優先順位だが、やはりアメリカ合衆国の期待度は低い。またフランスの期待度合いは興味関心同様で米英と比べて高め、しかも多分野に渡っているのが特徴。ファッション・アニメ・音楽に対する期待度が低いのが意外と言えば意外か。

アジアではタイが高めで期待分野も多方面に渡る。一方韓国は科学技術に関する期待がずば抜けて高く、国際協力・平和維持活動、政治・経済・外交政策が続いている。昨年は質問そのものがかなわなかった中国では諸国同様科学技術に対する期待がもっとも高いが、次いでファッション・アニメ・音楽が続き、国際協力・平和維持活動はもっとも低い値(中国内だけでなく、調査対象の各国では一番低い)を計上しているのが興味深い動きではある。


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