2015年1月度外食産業売上マイナス5.0%…洋風ファストフードと居酒屋が足を引っ張る

2015/02/25 17:00

日本フードサービス協会は2015年2月25日付で、同協会の会員会社で構成される外食産業の市場動向調査における最新値となる、2015年1月度の調査結果を公開した。それによると同月の総合売り上げは前年同月比でマイナス5.0%を示すこととなった。客単価は順調な伸びぶりを示したものの、業態単位での苦戦が続く居酒屋と、異物混入事件により大きな売り上げ減を示した洋風ファストフードが大きく足を引っ張る形となり、また雨天日数が前年同月と比べ多かったことも客数面でマイナス要因となった(【日本フードサービス協会:発表リリースページ】)。

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今調査はファストフードやファミレス、パブレストランや居酒屋、ディナーレストラン、喫茶店などを対象としている。対象数は事業者数が206、店舗数は3万2144店舗。今月は前月と比較すると事業社数・店舗数共に増加している。

全業態すべてを合わせた2015年1月度売り上げ状況は、前年同月比で95.0%となり、5.0%の減少を記録した。これは先月から続く形で2か月連続の減少となる。前年同月と比べると日取り(休日や土曜日の日数)の上では土曜日の数が1日多く、ファミリー層の来客機会観点ではプラスに働いた。一方、天候では冒頭で触れた通り、東京では2日、大阪では3日、前年同月比で雨天日数が多く、こちらは来客の上ではマイナスに作用している。気温はまちまちで大きな影響は与えなかったようだ。

業態別に動向を見ると、ファストフードは全体では前月から継続して2か月連続のマイナス(マイナス11.3%)。ハンバーガーチェーン店がメインの洋風は、そのメイン企業となるマクドナルドが、社会問題化した中国産鶏肉食材の問題そのものはほぼ終息し、アメリカ西海岸港湾施設における労使交渉の長期化に伴い発生したポテト不足も1月頭には正規の販売形態に戻ったものの、異物混入(発覚・過去の事案の掘り返し報道)事件により客単価・客数は大きく下落。詳しくは【マクドナルドの2015年1月業績は売上高マイナス38.6%】で伝えているが、既存店で売上高−38.6%・客数−28.5%・客単価−14.1%という営業成績を計上してしまった。洋風の他企業はそれなりの業績を見せたが、マクドナルドのマイナスの影響は極めて大きく、これがファストフードだけでなく外食産業全体の売上にも大きな影を落とす形となる。

一方でその他部門は「カレー」が引き続き堅調なことからプラス。牛丼チェーン店を含む和風は、客数はマイナス9.8%、客単価は大きく上げてプラス12.4%と成し、売上もプラス1.4%と大きく躍進。大手の吉野家が牛丼など価格を昨年12月に引き上げたことや、鍋メニューの展開によるところが大きい。

ファミリーレストラン部門は洋風・和風ではメニュー価格の改定(値上げ)に伴いいくぶん客数は落ちたが、それを補う形で客単価は上昇し、結果として売り上げはプラス。一方焼き肉は客数・客単価共にプラスを計上し、再び好調な動きを示し始めている。

パブ/居酒屋部門では元々不調な状況が継続しており、マイナス7.6%。もっともパブ・ビアホールは比較的好調でプラス1.1%を示したのに対し、居酒屋は9.1%の下げ。消費性向の変化による客足の遠のきが確実に数字の上に現れている。

↑ 外食産業前年同月比・全店データ(2015年1月分)
↑ 外食産業前年同月比・全店データ(2015年1月分)

天候・日取り要因は
足し引きでプラマイゼロ的に。
かねてから軟調な居酒屋と
異物混入事件で
洋風ファストフードが
大きく下げる。
メニューの価格アップは
客足を幾分遠のかせるが
客単価の上昇で売上は
プラスに。
昨年4月の消費税率改定に伴う消費性向の減退影響もほとんど生じなかった外食産業だが、昨夏における天候の悪化、そして中国産鶏肉食材問題という2つのイレギュラー的なマイナス要素が足を引っ張り、むしろ状況は昨夏以降は低迷感をぬぐえない状態が続いている。特に後者は食材問題自身の影響に加え、それをきっかけとして業界の一部部門(ファストフード・洋食)における根本的な問題が露呈した感は否めない。今回月は異物混入事件まで加わり、昨年夏以降大きなシェアを有するマクドナルドに相次いでいる問題に、ファストフード部門、さらには外食産業全体が多分に振り回されている感はある。

居酒屋の不調続きも要注意ポイント。こちらは食材の影響は無く、純粋にビジネススタイルそのものが時代の流れの中で歯車のずれを生じてしまっている。現在は可処分所得の減少、中食へのシフト、お酒を飲む機会の変化など、居酒屋にはマイナスとなる環境の変化の真っただ中にある。複数人数が一緒に来店して会食をする点では、お酒を飲むこと以外は類似点が多いファミリーレストラン部門が大よそ堅調なのも対象的。

もっとも居酒屋の業態そのものが時代ハズレになったわけでは無い。牛丼チェーン店の吉野家が試験運用している「吉呑み」が堅調さを示し、ちょっと一杯飲みに行くスタイルでは先駆者ともいえる中華料理店の日高屋が好評を博しているとの報告が相次ぎなされ、その実態が明らかにされている現状を見るに(運営会社のハイデイ日高の月次売上を確認すると、ここ数年は前年同月比でほとんどの月においてプラスを呈している。ちなみに今回該当月にあたる2015年1月は客数プラス4.6%・客単価プラス0.5%、売上高プラス5.1%を計上している)、既存の居酒屋にも環境を直視した上で、何らかの変化が求められているように思える。

他部門が比較的良い動きを示し続ける中で、とりわけここ数か月不調が続くファストフードの洋風、そして居酒屋。この2部門、あえて言うならばそれに加えて回転寿司も含めた3部門の回復状況が、外食産業全体の動向を精査するうえで、今後も注視すべき重要ポイントといえるだろう。


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