パソコン、固定電話、携帯電話…新興国のコミュニケーションツールの普及動向を探る

2015/03/24 11:25

他人に自分の意志を伝える道具は多種多様に及ぶ。口頭で直接伝えるのはもちろんだが、手紙や電話、そしてインターネット。一方向性の強いマスメディア以外でも、コミュニケーションの手段はダイナミックな変化を遂げ、人々の意志疎通はその荒波の中でもまれながら多様化している。今回はアメリカの調査機関Pew Research Centerが2015年3月19日に発表した調査報告書【Internet Seen as Positive Influence on Education but Negative on Morality in Emerging and Developing Nations】を基に、新興国の固定・携帯電話の利用状況などを確認していくことにする。

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今調査に関する調査要目は先行記事【「モラルにはマイナスだよね」何をしてるか・影響の良し悪し…新興国のインターネット事情】を参照のこと。

まず最初に示すのは、回答者の世帯に固定電話があるか否か。原則として最終的には各世帯にまで回線を敷く必要が生じることから、整備に多大なリソースが求められるため、電力や水道同様、なかなか浸透しにくいインフラの一つ。加えて昨今では携帯電話の普及に伴い、整備が遅滞、さらには利用率が減退する傾向すら見受けられる。

↑ 自世帯に固定電話がある(2014年、米国+新興国)
↑ 自世帯に固定電話がある(2014年、米国+新興国)

今調査対象母集団国では最大の普及率を示したのはレバノンで79%。もっとも同国では携帯電話の普及率は85%、スマートフォンは48%と高い値を示しており、携帯電話への置換が遅れているわけではない。

アメリカは60%。定期的に同国の固定電話普及状況を解説しているが、減退傾向にあるのは間違いないものの、新興国と比べればまだまだ高い状況にあるのが分かる。

他の新興国に関する記事でも言及しているが、インフラ整備の過程の中で、固定電話から携帯電話への流れを経ずに、直接携帯電話へショートカットする動きが主流となる新興国の事例も少なくない。同時に高めの値の出ている国も、漸次経年で固定電話の普及率は漸減していることが(今回グラフ化は略するが)詳細データから確認できる。

一方その固定電話の代替的存在となる携帯電話だが、大よそ6割以上の国で利用されている。これは先行する別途記事で解説した通り。

↑ 携帯電話所有状況(2014年、新興国)(再録)
↑ 携帯電話所有状況(2014年、新興国)(再録)

最初のグラフと見比べると、固定電話の普及率が1ケタ台の国の多くでも、携帯電話が相当率で普及しているのが分かる。電話によるコミュニケーションのスタイルが、先進諸国のように固定電話から携帯電話ではなく、一気に無い状態から携帯電話へ飛んだ、さらには多分に音声からインターネットにジャンプした感はある。

ジャンプと言えば先日【高校生はスマホ9割、ノーパソ3割…小中高校生のネット機器利用状況をグラフ化してみる(2015年)(最新)】でも言及した、パソコンとスマートフォンの関係も気になる。次に示すのは回答者の自宅に稼働しているパソコンがあるか否か。ノート・デスクトップの別を問わない。インターネットへのアクセスの是非も設問には無いが、多分にネット接続は可能であると見て良いだろう。なにしろ「現在でも使っている」との前提があるのだから。

↑ 自世帯に稼働しているパソコンがある(2014年、米国+新興国)
↑ 自世帯に稼働しているパソコンがある(2014年、米国+新興国)

アメリカが最多所有率の80%、次いでロシアが78%、チリの72%と続く。レポートによると高所得世帯層、教育水準が高い人ほどパソコンを有している人が多く、それらの属性の値が高いほど結果としてパソコン保有率も高くなると説明している。また新興国では若年層ほどパソコンの保有率が低いのも特徴的。説明は特に成されていないが、日本同様にインターネットの窓口として最初にスマートフォンを手にしてしまうこと、さらにそれなりの投資が必要なため若年層には手が届きにくいのが原因なのだろう。


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【先進国8割近く・新興国3割強…世界全体のパソコンとインターネットの世帯単位普及率をグラフ化してみる(2014年)(最新)】
【パソコンの年収別普及率現状をグラフ化してみる(2014年)(最新)】
【パソコンと携帯電話の利用状況は1年間でどれだけ変化したのだろう(2014年)】

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