自転車交通事故の相手の推移をグラフ化してみる(2014年)

2014/03/10 11:00

エコブームやガソリン代高騰、健康志向に災害発生時のリスク回避など、多種多様な理由で自転車への注目が高まる中、その自転車を起因とした事故についても論議の対象となることが多くなった。以前解説記事として掲載した【年齢階層別・自転車乗用中の交通事故死者数推移をグラフ化してみる】は死亡事故のみを対象としたものだが、今回は死亡案件以外も含めた事故全体の動向(当然、届け出があったものに限る)を検証していくことにする(【警察庁リリース発表ページ:平成25年中の交通事故の発生状況】)。

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自転車事故は漸減続く


グラフに記載されている「自転車乗用者(第1・2当事者)の交通事故発生云々」とは、先の「年齢階層別・自転車乗用中の交通事故死者数推移をグラフ化してみる」でも解説している通り、「第1当事者…事故車両で過失の重い側、同じ程度なら怪我の程度が軽い側」「第2当事者…第1当事者以外」(双方とも「最初に」事故に関与した車両)を意味する。

例えば自転車の整備不良によるトラブルで横転したり、不注意で穴にはまって転倒した場合、自転車の運転手がそのまま第1当事者となり、第2当事者は居ない。また正しい場所を走行していた自転車に自動車が不注意で接触し、事故が発生した場合、自動車側が第1当事者となり、自転車は第2当事者となる。自転車同士が双方とも前方不注意・一時停止をせずに出合い頭に衝突し、片方がかすり傷で済んだが、片方が打ちどころを悪くして骨折した場合、けがの程度の軽い「かすり傷」側が第1当事者になる。

まずは経年の事故件数。対自動車件数が多く他の項目の値があまりにも小さくてサイズ的につぶれがちとなるため、全体のグラフ、さらに対自動車項目をのぞいたグラフを併記する。なお今件のグラフ作成にあたり、直近の2013年以前のものでも、修正されているのが確認された部分は逐次最新の値に差し替えている。

↑ 自転車乗用者(第1・2当事者)の交通事故発生件数の推移(相手の当事者別)(-2013年)
↑ 自転車乗用者(第1・2当事者)の交通事故発生件数の推移(相手の当事者別)(-2013年)

↑ 自転車乗用者(第1・2当事者)の交通事故発生件数の推移(相手の当事者別)(対自動車除く)(-2013年)
↑ 自転車乗用者(第1・2当事者)の交通事故発生件数の推移(相手の当事者別)(対自動車除く)(-2013年)

自転車の対自動車事故が最多であることに違いはないが、その数は2004年をピークに減少傾向にある。また、二輪車(バイク)や自転車相互、自転車単独の事故も減少中。一方で対歩行者事故数(緑色部分)の減り方が鈍いのが目に留まる。

ピーク時の年間発生件数は18万8000件ほど。直近の2013年はそこから6万7000件ほど少ない12万1000件ほどに留まっている。割合としてほぼ2/3、1/3減。10年足らずの間に随分と減少したことになる。各方面の努力のたまものといえよう。

全事故に対する各事故相手のシェア推移


これを各年の事故発生件数全体に占める、各項目の件数比率を算出した上でグラフにしたのが次の図。やはり対自動車件数が最多となり、他の項目を圧迫してしまうため、対自動車件数比率をのぞいたグラフも併記している(後者のグラフは当然、合計が100%にはならない)

↑ 自転車乗用者(第1・2当事者)の交通事故発生件数の推移(相手の当事者別)(全体比)(-2013年)
↑ 自転車乗用者(第1・2当事者)の交通事故発生件数の推移(相手の当事者別)(全体比)(-2013年)

↑ 自転車乗用者(第1・2当事者)の交通事故発生件数の推移(相手の当事者別)(全体比)(除く自動車)(-2013年)
↑ 自転車乗用者(第1・2当事者)の交通事故発生件数の推移(相手の当事者別)(全体比)(除く自動車)(-2013年)

事故全体に占める比率でも、一部で問題視されている対バイク(二輪車)事故は減少している。一方で対自動車が2007年-2008年をピークに再び増加。そして対歩行者、自転車相互の比率が継続的に増加しているのが気になるところ。

特に対歩行者事故は2008年頃まで絶対数も増加していた。直近数年においてようやく横ばいから減少傾向に転じつつある。とはいえその歩みは緩やかで、事故全体数の減少の勢いと比べればはるかにゆっくりとしたものであることから、各年の全体値に対するシェアは減少するどころか漸増してしまっている。

↑ 自転車乗用者(第1・2当事者)の交通事故発生件数の推移(相手の当事者別)(対歩行者)(-2013年)
↑ 自転車乗用者(第1・2当事者)の交通事故発生件数の推移(相手の当事者別)(対歩行者)(-2013年)

健康志向などにより自転車の利用者数が増加する中で、歩道走行中のマナーについて問題提起がなされているのは、以前【警察庁、自転車の歩道通行への対応見直しを通知】などでお伝えした通り。自転車も歩行者も共に、くれぐれも注意してほしいものだ。


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