正社員入社で現在も就業中は64.4%、非正社員は20.6%…若年労働者の「はじめての会社」の継続就労状況をグラフ化してみる(最新)

2020/05/01 04:56

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2020-0413賃金、正社員か非正社員か、就業内容など、若年層の就労問題は多様な切り口での考察が必要となる。その中でも大きく問題視されているのが、定着率の問題。より好条件での就業のために転職を求める場合も多いが、その願いが果たせるとは限らず、少なくとも蓄積してきた勤続実績・年数はご破算と化してしまう。今回は厚生労働省が2020年3月30日に確定報を発表した、2018年時点における若年層(15-34歳)の雇用実態を調査した結果「平成30年若年者雇用実態調査結果の概況」を基に、若年就業者の「はじめての会社」における勤続の実情を確認していくことにする(【発表リリース:平成30年若年者雇用実態調査の概況】)。

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中卒で転職経験者は9割強、高卒では6割近く


今調査の調査要件、各種用語の意味については先行記事【若年労働者の割合などをグラフ化してみる】を参考のこと。なお調査対象はあくまでも就業している若年就業者であることに注意。つまり回答時期において無職の人は含まれていない。

最初に示すのは学校卒業後初めて勤務した会社で、現在も働いている人の割合。例えば全体では50.9%なので、調査対象母集団(15-34歳の就業者)のうち半数強は、最初に勤めた会社で今でも働いていることになる。また、この回答者「以外」は最初に勤めた会社を辞めて別の会社に勤めているので、少なくとも一度は転職を経験している。

↑ 初めて勤務した会社で現在も働いている人の割合(調査時点で在学していない人限定、属性別)(2018年)
↑ 初めて勤務した会社で現在も働いている人の割合(調査時点で在学していない人限定、属性別)(2018年)

回答時点でも転職を経験せずに最初に勤めた会社に就業し続けているのは、色々な意味があり、回答者によって状況は異なる。就業条件がよいので辞める必要が無い、勤め始めたばかりで辞めることなど考えていない、就業条件はあまりよくないが、転職しても(好条件で)再就職できる自信が無い、など。いずれにせよ、最初の会社に定着していることに違いはない。逆に該当者でない人は、何らかの理由で職を辞して転職した人以外に、会社そのものの倒産で転職せざるを得なかった人もいるに違いない。

男女別では男性の方が定着率は高い。これは女性は非正社員での就労が多いからに他ならない。学歴別では低学歴の方が定着率が低く、中学卒では8.5%しかいない。不安定かつ質の悪い雇用条件であることから、嫌気がさして職を辞し、転職した可能性が高い。実際具体的理由のデータを見ると、中学卒で最初に勤務した会社を辞めた理由の上位は「労働条件が悪い」「賃金条件が悪い」「不安定な雇用状態が嫌」で占められている。


雇用形態別では正社員の定着率は2/3近く、非正社員は2割強でしかない。非正社員はパートやアルバイトも含まれるため、女性の短期就業なども該当することから、定着率が低いのも仕方がない面がある。もっとも非正社員において最初の会社を辞した理由を確認すると「人間関係が悪い」「労働条件が悪い」「仕事が自分に合わない」が上位にあり、単に仕事そのものの内容だけが問題ではないことがうかがえる。

最初にいた会社を辞めた人の、その会社での勤続期間は


それでは学校卒業後に初めて勤めた会社を辞めた人は、その会社にどれぐらいの期間勤めていたのだろうか。おおよその区分で確認したのが次のグラフ。

↑ 初めて勤務した会社を辞めた若年就業者におけるその会社での勤続期間(調査時点で在学していない人限定、属性別)(2018年)
↑ 初めて勤務した会社を辞めた若年就業者におけるその会社での勤続期間(調査時点で在学していない人限定、属性別)(2018年)

全体では約1/4が1年未満、3年未満ならば6割強、5年未満なら8割の期間で、転職経験を持つ若年労働者は最初の会社を辞めている計算になる。転職を決意するならもっと早い時期に、と考えるかもしれないが、実際にはケースバイケース。5年以上も経過して(あるいは期間不明で)転職を決める若年就業者も少なくない。

現在15-19歳の人は就業期間が長期間となることはあまりあり得ず、必然的に短い期間での退職となっている。もっともその部分をのぞいても、年が上になるに連れて最初の会社における勤続年数が長くなる傾向にあり、若年層ほど最初の会社を辞する時には早めの決断をしているのが分かる。

男女差はほとんど無く、学歴別でも傾向だった動きは見られない。高専・短大卒は学歴別では最長の動きを見せているが、これは専門色が強いからに他ならない。結果的に辞めるにしても、その決断に至るまでには長い時間を費やした人が多いことになる。あるいはやむなき事情によるところも多いのだろう(実際、具体的理由を見ると、例えば「結婚、子育てのため」との回答が17.7%にも達しており、他の学歴と比べてずば抜けて高い値を示している)。

ちなみに期間を3か月に限定する、つまり「転職経験者のうち、最初の会社を3か月も経たずに辞めてしまった」人の割合は次の通りとなる。

↑ 初めて勤務した会社を辞めた若年就業者におけるその会社での勤続期間(調査時点で在学していない人限定、3か月未満、属性別)(2018年)
↑ 初めて勤務した会社を辞めた若年就業者におけるその会社での勤続期間(調査時点で在学していない人限定、3か月未満、属性別)(2018年)

圧倒的に15-19歳の比率が高い。「3か月未満で離職」全体における最大の理由は「人間関係がよくない」、「20歳未満」でも「人間関係がよくない」となっている。「3か月未満で離職した20歳未満」というクロス条件における理由の回答値は無いが、おおよそ予想できそうな状況には違いない。

もっとも今件調査対象母集団は、繰り返しになるが「15-34歳の就業者」であり、現在就業中。この16.2%は全員他の会社で働いていることになる。何回の転職を経験したかまでは不明だが、就業環境に恵まれ、定年まで勤められることを願わずにはいられない。


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