夫婦とも65歳以上のお年寄り世帯で「1キロ以内にお医者さんがいない」のは24.4%

2010/03/11 07:00

総務省統計局は2010年2月24日、2008年の「住宅・土地統計調査」の公表を終えたとして、その確報集計結果を元にしたトピックス【統計からみた我が国の住宅(2) ( 「平成20年住宅・土地統計調査(確報集計)」の結果から )】を発表した。今回はその資料の中から、高齢者世帯の住宅と医療機関の距離について考察してみることにする。

スポンサードリンク


以前内閣府の調査結果で、60代なら約1キロ、70歳以上になると900メートルくらいが「自宅から歩いて行ける距離」であることが明らかになっている(【歩きは1キロ、自転車は3キロ……普段の生活で行ける距離】)。タクシーや自家用車が使えればもっと行動範囲は広がるし、近場にバス停があればバスを利用することもできるが、すべての人がその機会に恵まれているわけではない。また、お金がかかるとなれば躊躇してしまうのも事実。

そこで、というわけではないだろうが、「自分の住まいから最寄りの医療機関までの距離が1キロ以内ならある程度安心ができる(楽に通うことができる)」とし、その範囲外にある世帯を計算した結果が次のグラフ。全体なら17.6%の世帯が「自宅から医療機関まで1キロ以上あり、歩いて行くのは難しいナ」という環境にあることになる。

↑ 最寄りの医療機関までの距離が1km以上の世帯(それぞれの世帯数に占める割合)
↑ 最寄りの医療機関までの距離が1km以上の世帯(それぞれの世帯数に占める割合)

この結果を見ると、世帯全体よりも高齢者が居る世帯の方が医療機関から遠いところにあるのが分かる。賃料や地価の面で過ごしやすい地方の方が高齢者が多く、そのような場所では面積あたりの医療機関数が少ないのが原因だろう。

特にわずかではあるが全体値よりも(何か事が起きた場合に他に頼れる人がいない可能性の高い)「65歳以上の単身世帯」の方が高い。【「お年寄りがいる家」のうち1/4・414万世帯は「一人きり」】でも触れているように、そのような状況の世帯は増加しているため、今後色々と心配ではある。

また、「夫婦とも65歳以上の世帯」において、都道府県別で見た場合、やはり地方の方が割合が高く、都心部の方が低い傾向がある。

↑ 最寄りの医療機関までの距離が1km以上の夫婦とも65歳以上の世帯(それぞれの世帯数に占める割合)(都道府県別・上位下位5位ずつ)
↑ 最寄りの医療機関までの距離が1km以上の夫婦とも65歳以上の世帯(それぞれの世帯数に占める割合)(都道府県別・上位下位5位ずつ)

これは人口密集地の方が医者の経営もしやすいなどの理由で、面積当たりの医療機関数は都心部の方が多く、結果として「近場に医者がいる」人の割合が多くなるというもの。



すべての地域に一定区間ごとに医療機関を配するのは(『シムシティ』のような都市経営シミュレーションゲームでも無ければ)不可能。とはいえ、医療サービスを受け難い環境は高齢者にとっても不安なのも事実。往診サービスの拡充や定期健康診断の実施をするなり、無料や安価な地域バスの運行などの配慮が求められるだろう。また、単身の高齢層世帯においては、ご近所づきあいを心がけ、万が一の際に互いに助け合えるように心がけるべきである。

スポンサードリンク




▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2018 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー