市場観指数は下落、国際情勢へ注目が集まる…野村證券、2015年2月分の個人投資家動向発表

2015/02/13 08:00

野村ホールディングス(8604)のグループ会社野村證券の一部門である「グローバル・リサーチ本部」は2015年2月12日、個人投資家の投資動向アンケート調査における結果報告書「ノムラ個人投資家サーベイ」の最新版(2015年2月分)を公開・発表した(【野村證券リリース一覧ページ】)。その内容によれば今後3か月後の株価見通しを調査対象母集団に尋ねた結果で算出される「ノムラ個人市場観指数」は、先月から転じる形で下落し、47.4を示すこととなった。株価の先行きに関しては「小幅な下落」を見込む意見が先月と比べてもっとも多く増えている。また上昇を見越す回答者は中規模・大規模の意見は大きく減少し、株価動向の観点では下落懸念が高まっていることがうかがえる。

スポンサードリンク


今調査は1000件を対象に(有効回答数が1000件に達した時点で締切)2015年2月2日から2月3日に行われたもので、男女比は81.6対18.4。年齢層は60代以上がもっとも多く38.1%、次いで50代が31.2%、40代が23.2%など。金融資産額は1000万円-3000万円が一番層が厚く29.7%、500万円-1000万円が18.8%、3000-5000万円が13.0%と続いている。回答者の投資経験年数は20年以上が最高比率で32.2%を占めている。次いで10年から20年未満が29.9%、5年から10年未満が29.1%となるなど、長期間投資に携わってきた人が多い。

投資に対して重要視する点は、おおむね長期投資が最大値で48.3%と5割近くでもっとも多い。ついで配当や株主優待が25.0%ときっかり1/4。短中期間の売買に伴う売却益より、配当収入や優待確保などの中長期的な安定感を求める投資方針が多勢(3/4近く)を占めている。

詳細はレポートで確認してほしいが、概要的には次の通り。

・3か月後の株価見通しを示す投資指数は47.4ポイント。前回からは9.2ポイントの下落。前月の上昇から転じる方向性の動きだが、下げ幅は並。この時期、日経平均株価は前月比で150円ほど上回っており、天井感を覚える人が多かったようだ。

・3か月後の日経平均株価の上昇を見込む比率は合計で73.7%。前月分の78.3%からは4.6%ポイントの下落。こちらも投資指数同様に下落している。「1000円程度の上昇」を見込む意見がもっとも多い状況は先月から同様だが、上げ幅では「1000円程度の下落」の回答者率が最多となり、4.1%ポイントの上昇。逆にもっとも前月比で減少幅が大きいのは「2000円以上の上昇」で3.8%ポイントの低下となっている。

・市場に影響を与え得る要因としては「国際情勢」が急激に増加し、トップについた。前月比で6.4%ポイントの増加。これは調査時期において、スイスの為替・金融政策の変更に伴うスイスフランのダイナミックなまでのレートの変化、欧州中央銀行の量的金融緩和政策の導入、さらにはギリシャの総選挙など、経済に大きな影響を与える海外要因が多発したのが原因。

・魅力的な業種は「自動車」「医薬品」「資本財・その他」「通信」の順で、ここまでがDIではプラスかゼロ。そして「素材」「運輸・公共」「電気機器・精密機器」「金融」「消費」はマイナス圏。「消費」は今回月では大きく改善し、8.1ポイント上昇を示した(とはいえまだマイナス圏に違いは無い)。

・ドル円相場に対する見通しは、「やや円安」の意見が一番多いが、先月から比べて回答率は減少している。中規模以上の円安を見込む意見の回答率が下がり、中規模までの円高の回答率が増加している動きを見ると、円高の気配を感じるとの基調が高まっているようだ。

・通貨への投資魅力は「アメリカドル」が最上位で、「オーストラリアドル」「日本円」が続く。「日本円」は大きく値を上げている。「カナダドル」が大きくそれらに後れを取るもDI値ではギリギリプラスで、それ以外はマイナス。「中国元」は相変わらず大幅なマイナス。

・もっとも注目を集めた金融商品は「国内株式」。次いで「預貯金」「国内投資信託」。この順位は先月から変化なし。DI値も大きな変化は見られないが、いくぶん値を下げている。

気になる「保有したい、注目していきたい銘柄」、つまり調査対象母集団における個人投資家が購入したいと考えている銘柄は、鉄板銘柄ともいえるトヨタ自動車(7203)がトップに。この鉄板ぶりは過度の円高の時期に同社株式が大いに低迷した一時期をのぞけば、まさにダイヤモンドのごとし。

1位……トヨタ自動車(7203)
2位……武田薬品工業(4502)
3位……オリエンタルランド(4661)
4位……ソフトバンク(9984)
5位……ANAホールディングス(9202)

普段見慣れない銘柄としてANAホールディングスが第5位に入っているが、これは民事再生法適用を申請したスカイマークに絡み、ANAに注目が集まったのが要因。状況の展開次第では同社の企業価値をさらに高めることになるだろうとの思惑が、先行投資の機運をもたらしたのだろう。またオリエンタルランドは入園料の値上げを発表しており、この判断が中長期的にはプラスに寄与するとの認識があるようだ。



スイスフランに絡む大規模な為替変動、その要因ともいえる欧州中央銀行の量的金融緩和政策の導入、ギリシャの総選挙とそれを受けて誕生した新政権とEU諸国との軋轢の高まりなど、海外要因では多数景気の足を引っ張りそうな動きが生じている。また中東情勢も決して安寧なものではなく、きな臭さが継続している。

原油価格は低迷したままで、日本国内においては恩恵扱いとなり、消費の底支え要因として注目されているが、これもいつまた動きを転じて上昇に向かうか、その方向性は定かでは無い。年度末に向けて相場は不確定要素を積み増ししながらの展開となりそうだ。


■関連記事:
【定期更新記事:ノムラ個人投資家サーベイ(野村證券投資調査部発表)】(過去記事一覧まとめ)
【原油先物(WTI)価格の推移をグラフ化してみる(2015年)(最新)】
【景気ウォッチャーの指標動向から消費税率改定後の景気行き先を推し量ってみる】
【原油安とロシア、キューバ・アメリカの関係改善のつながり】

スポンサードリンク




▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2016 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー