アメリカ以外で日本の安全や平和に役立つ防衛協力や交流相手とは!? (2015年)(最新)

2015/03/12 15:20

先行記事【「安保は日本の平和と安全に役立つ」8割超え・過去最大を示す(2015年)(最新)】などにある通り、日本はアメリカ合衆国との間に日米安全保障条約を締結しており、その条約は日本の安全と平和に大いに貢献している。しかし日本が防衛面で協力・交流をしている国や地域はアメリカだけに限らない。それらの行動は国民からはどのような評価を受けているのだろうか。内閣府が2015年3月9日付で発表した自衛隊・防衛問題に関する定期世論調査から、対アメリカ以外の国などとにおける防衛協力・交流が、日本にとって安全・平和面で貢献しているか否かに関する評価について確認をしていくことにする(【自衛隊・防衛問題に関する世論調査(平成27年1月調査)】)。

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8割以上は「米以外の国との防衛協力は日本にプラス」


今調査に関する調査要項は先行記事【自衛隊への好感度92.2%・調査以来最高値を更新(2015年)(最新)】を参照のこと。

冒頭の通り日本はアメリカとの間に緊密な防衛協力・交流を行っているが、それ以外の国との間にも個々の関係に応じた協力体制を築き、交流を実施している。これらの行為に関して、「回答者が」日本の安全と平和に役立っているか否かの観点でどのように思っているかを尋ねた結果が次のグラフ。国を特定していないこともあるが、大よそ8割強の人は肯定している。

↑ アメリカ合衆国以外との防衛協力・交流を行うことについての意識(内閣府調査)(2015年)(日本の安全と平和に役立っているか否か)
↑ アメリカ合衆国以外との防衛協力・交流を行うことについての意識(内閣府調査)(2015年)(日本の安全と平和に役立っているか否か)

役立っていないとの意見は1割足らずでしかない。

それでは具体的にどの国や地域との関係が、日本の安全と平和に貢献していると思われているのか。役立っていると回答した人に複数回答で答えてもらった結果が次のグラフ。具体的名称のみを抽出している。

↑ どの国・地域との防衛協力・交流が日本の安全と平和に役立っているか(内閣府調査)(2015年)(「役立っている」派回答者限定、複数回答)(具体名明記項目のみ)
↑ どの国・地域との防衛協力・交流が日本の安全と平和に役立っているか(内閣府調査)(2015年)(「役立っている」派回答者限定、複数回答)(具体名明記項目のみ)

トップはASEAN(アセアン)、東南アジア諸国連合。具体的にはインドネシア、シンガポール、タイ、フィリピン、マレーシア、ブルネイ、ベトナム、ミャンマー、ラオス、カンボジアを指す。昨今では特に対中問題で対立を深めている構成国も多く、その観点でも日本との関係強化を模索する動きを示しているのが実情。日本側としてもこれらの国との関係強化はプラスに働くとの考えを持つ人が多いのだろう。

次いで多い回答率は韓国、ほぼ同率で中国が続く。両国とはむしろ軍事的・外交的な緊張感が高まりを示しているとの見方も出来るが、不測の事態に備えるために平時からの連絡強化の類は欠かせないとの視点だろうか。

次いで欧州諸国、いくぶん値を落としてオーストラリア、ロシア、インドと続く。ロシアは位置的にはオーストラリアやインド、欧州と比べれば近しいのだが、冷戦時代において長年に渡り敵対関係にあったことも影響してか、少なくとも肯定的な意見は少ない。

属性別で見てみると……


「防衛協力・交流が日本の安全と平和に役立っている」とする対象国・地域だが、属性による違いが見受けられる。男女別では男性が東南アジア諸国連合(アセアン)やオーストラリア、インドに好意的なのに対し、女性は中国への好意度が高い。

↑ どの国・地域との防衛協力・交流が日本の安全と平和に役立っているか(内閣府調査)(2015年)(「役立っている」派回答者限定、複数回答)(具体名明記項目のみ)(男女別)
↑ どの国・地域との防衛協力・交流が日本の安全と平和に役立っているか(内閣府調査)(2015年)(「役立っている」派回答者限定、複数回答)(具体名明記項目のみ)(男女別)

男女別で順位を見ると、男性はアセアン、韓国、欧州諸国、中国、オーストラリア。女性は中国、アセアン、韓国、欧州諸国の順。価値観の違いや個々の国に対して抱いている基本部分となるイメージの違いが表れているのだろうか。特に女性では中国がトップについているのが興味深い。

↑ どの国・地域との防衛協力・交流が日本の安全と平和に役立っているか(内閣府調査)(2015年)(「役立っている」派回答者限定、複数回答)(具体名明記項目のみ)(世代別)
↑ どの国・地域との防衛協力・交流が日本の安全と平和に役立っているか(内閣府調査)(2015年)(「役立っている」派回答者限定、複数回答)(具体名明記項目のみ)(世代別)

世代別ではアセアンやオーストラリア、インドへの回答は高齢層ほど高く、韓国や中国に対しても高めの値が出ている。一方で欧州諸国やロシアへは若年層ほど高い値が出ており、西洋は若年・東洋は高齢層との仕切りが出来る形となっている。



やや余談となるが、2012年に実施された前回調査(但し問い合わせの文章は「特に、どの国や地域と防衛上の交流を深めていくことが日本の平和と安全にとり役に立つと思いますか。この中からいくつでもあげてください」と微妙に異なっている)の結果と比較したのが次のグラフ。

↑ どの国・地域との防衛協力・交流が日本の安全と平和に役立っているか(内閣府調査)(2012年,2015年)(「役立っている」派回答者限定、複数回答)(具体名明記項目のみ)
↑ どの国・地域との防衛協力・交流が日本の安全と平和に役立っているか(内閣府調査)(2012年,2015年)(「役立っている」派回答者限定、複数回答)(具体名明記項目のみ)

上昇したのは東南アジア諸国連合、欧州諸国、オーストラリア、そしてインド。下落したのは韓国、中国、ロシア。中でも韓国と中国は大きな下落を示している。この数年間における各国の外交、特に軍事関連の動きを見れば、このような結果が出るのも仕方がない話なのかもしれない。


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