カップめんの動きを探ろうじゃないか…世帯単位での「カップめん」の購入性向推移をグラフ化してみる(家計調査報告(家計収支編))(2014年)

2014/03/25 11:00

先行する記事【お米とパンとめん類と…世帯単位での主食3品目の購入性向推移をグラフ化してみる(家計調査報告(家計収支編)】において、「二人以上の世帯」「単身世帯」を合わせた「総世帯」における主食3食品項目「米」「パン」「めん類」の購入頻度や購入金額の2013年分の分析を、2014年2月18日にデータ更新(2013年・年次分反映)が行われた【家計調査(家計収支編)調査結果】から取得したデータを基に行った。今回はその記事から派生する形で、世帯単位での「カップめん」の購入性向などを見ていくことにする。主食の一つ「めん類」の中でも、もっとも多くの人がお世話になっているであろう「カップめん」は、どれほど購入されているのだろうか。

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カップめんは月に一世帯のうち一人が一個位


次以降のデータは家計調査報告(家計収支編)の「総世帯」から、「食料」「穀類」(要は内食部分)の内部にある「カップめん」を選択し、各種必要な値を抽出したもの。先の記事で取り上げた「米」「パン」「めん類」も、比較対象として併記する。なおグラフ中や文中に登場する「購入世帯数」「世帯購入頻度」などの言葉の意味は、先行記事【週刊誌や雑誌、書籍の支出額をグラフ化してみる(家計調査報告(家計収支編)・総世帯版)】などですでに解説済みなので、そちらを参考のこと。

なお先行記事で「カップめん」を含めなかったのは、「カップめん」が「めん類」の中の一項目でしかなく、混乱が生じてしまうのを防ぐため。「めん類」は「カップめん」以外に「生うどん・そば」「乾うどん・そば」「スパゲッティ」「中華めん」「即席めん」「他のめん類」から成り、「カップめん」はその中の一要素でしか無い。他の上位項目と共に掲載するには、今件のように敢えてスポットライトを当てる必要がある。

まずは直近データの2013年分について概要を。主要項目の「購入世帯頻度」と「平均支出額」、さらには「一人当たり」の金額をグラフ化したのが次の図。繰り返しになるが、「カップめん」は「めん類」の一項目でしかないことに留意する必要がある(他の3項目と比べて各値が少なめになるのも当然)。

↑ 2013年における総世帯の平均支出金額・購入世帯頻度(主食3項目+α)(月次換算)
↑ 2013年における総世帯の平均支出金額・購入世帯頻度(主食3項目+α)(月次換算)

↑ 2013年における総世帯の”一人当たり”平均支出金額(主食3項目+α)(月次換算)
↑ 2013年における総世帯の”一人当たり”平均支出金額(主食3項目+α)(月次換算)

「カップめん」の平均購入頻度は1.168回/月。金額は246円/世帯。商品種類にもよるが、大体1つ200円前後のものを「一世帯で一人が」月1個位の割合だろうか。調理が容易なことから一人暮らしの人の中には「毎日三食のうち一食はカップめん」的な生活の人もいるだろうが、今件はあくまでも「総世帯」の話なので、むしろごく少数事例に属すると考えてよい。また、仮に夫婦と子供一人の世帯が1つ200円のカップめんを食すると、それだけで600円となり、世帯平均から換算すると2か月半分ほどになる。「家族みんなが揃ってカップめん」という事例はあまり無いようだ。

また昨年2012年の値と比べると、購入頻度・額共にわずかながら減少している。「デフレの進行がカップめんに影響を!?」という大げさな話ではなく、中期的に見た増加傾向の中での一時的な反動、イレギュラー的な動きと見た方が良い。もっともこれが数年継続すれば、トレンド転換の可能性も否定できないが。

増えて、減って…? 経年変化を探る


この「購入世帯頻度」「支出額」の推移を、データが収録されている2002年以降のものにつき、時系列で再整理してグラフ化したのが次の図。なお「カップめん」単独の項目は2005年以降の登場となるので、グラフ上の値も2005年以降のものとなる。

↑ 総世帯の平均購入頻度(-2013年)(主食3項目+α)(総務省統計局発表)(月次)
↑ 総世帯の平均購入頻度(-2013年)(主食3項目+α)(総務省統計局発表)(月次)

↑ 総世帯の平均支出金額(-2013年)(主食3項目+α)(総務省統計局発表)(月次、円)
↑ 総世帯の平均支出金額(-2013年)(主食3項目+α)(総務省統計局発表)(月次、円)

「カップめん」は他項目と比べて一つ下層の区分であることから、特に支出金額の面で少なめとなる。その一方、2005年から2011年にかけて、確実に浸透率を高めている。購入頻度は2011年時点で1.01回/月から1.20回/月で0.19回/月分(19%)だけプラス、支出金額は220.8円/月から261.1円/月で40.3円/月(18%)のプラスという上昇ぶり。ところが2012年は購入頻度・支出金額共に前年比で減少してしまう。2013年もその傾向は継続しており、単なる統計上のぶれでは無く、明らかなトレンドの転換が生じていることを予見させる動きとなっている。

タイミングとしては震災がトリガーとなっている可能性は高い。震災を機に日本人のライフスタイルのさまざまな面で変化が生じているが、食生活の食品選択性向においても例外ではない。その影響が「カップめん」の購入にも影響しているものと考えられる。



インスタント技術の進歩や、震災による常備食の需要増加、さらには食生活の多様化に対応した数々の新商品の展開で、「カップめん」は今後ますます需要増加が期待される。特に世帯動向における「単身世帯」比率の増加が、大きく助長することになる。

ところがこの1、2年では逆に購入性向が落ちる動きが確認された。わずかな値ではあるが、来年以降も継続するものならば、あるいは震災を機に強まりを見せる傾向の一つ、健康志向の高まりがマイナスに働いているのかもしれない。

他項目同様、「カップめん」もまた、注意深くその動向を見守りたいところだ。


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