「老後は年金などで暮らしたい」との思いと8年後の現実を探る

2015/03/02 11:25

官民を問わず定点調査の類は同様の条件を用意するが、調査対象母集団そのものは毎回別人に行われるのが常となる。同一人物を追いかけるのには大きなリソースが必要になるからだ。ところが厚生労働省が毎年実施している「中高年者縦断調査」は数少ない「同一人物に対する継続調査」として知られている。今回はその調査結果から、間もなく定年退職期を迎えようとしていた人達による「老後はこれらのお金で生活をまかないたい」との希望と、時間経過後におけるその現状について見ていくことにする(【発表リリース:第9回中高年縦断調査(中高年の生活に関する継続調査)】)。

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今調査は2005年10月末時点で50歳代の男女を対象とし、毎年11月に定点観測的に「同一人物に対して」調査票の郵送方式によって行われているもの。直近となる2015年2月12日に発表された第9回分は2013年11月に実施された調査結果である。第9回における有効回答数は2万3722人。そのうち全9回調査結果分が確認可能な2万1556人分を集計に用いている。

次に示すのは第1回調査(2005年10月実施。回答者は50歳代)において、回答者が60歳以降にどのような収入様式で生活をまかないたいか、主なものを3つまでの複数回答で挙げてもらった結果。最上位は公的年金(国民年金、厚生年金など)で、46.5%が当てにしていると回答した。

↑ 第1回調査(2005年10月末時点で50歳代対象)における、60歳以降の生活のまかない方の希望(主なもの3つまでの複数回答)
↑ 第1回調査(2005年10月末時点で50歳代対象)における、60歳以降の生活のまかない方の希望(主なもの3つまでの複数回答)

次いで多いのは本人による就労所得で39.4%。65歳以上では無く60歳以上に関する問いなので、想定時点でまだ就労している可能性が多分にあることから、多くの人が就労所得を回答に挙げている。そして預貯金の取り崩し、配偶者などによる就労所得、退職金が続く。退職金の回答率が低めなのは、自営業者が多分にいるのが一因。もちろん退職金を取得できても「主な収入」には成り得ない・しないと判断している人もいる。

では実際、このような目論見をした人たちは60歳を過ぎた時に、どのような実態となったであろうか……というのが次のグラフ。第1回回答時に50歳代でも、第9回の回答時にはまだ60歳に達していない人もいるので、60歳に届いた人に限定して実態を聞いた結果が次のグラフ。こちらは単純な複数回答で、項目もある程度整理統合した上で尋ねている。3つまでの回答制約は無い。

↑ 第9回調査時点で60-67歳の者における収入状況(複数回答)
↑ 第9回調査時点で60-67歳の者における収入状況(複数回答)

公的年金に頼る人が7割を超え、目論見よりも多くの人が年金頼りとなっ